ベージュブック通過で円高一服か!?
昨日のドル円は、東京市場に発表された豪CPI(消費者物価指数)が予想を下回り、豪ドル円を始めとしたクロス円が弱含むと87.60円付近まで下押しされた。しかし、日経平均が前日比+200円超へと上げ幅を拡大し、中国株式も堅調な値動きとなったことからリスク選好の円売りとなり、87円台後半まで回復した。さらに中国人民銀行の胡副総裁が人民元の一段の弾力化に前向きな姿勢を示したことやアジア株の上値拡大を背景に一時88.111円まで上昇した。欧州市場に移ると欧州株がマイナス圏に転じたことで手仕舞い売りが優勢となり、88円台を割れる展開に。また、NY時間では発表された米耐久財受注が予想外に悪化したことや、米連邦準備理事会(FRB)が米地区連銀経済報告(ベージュブック)の中で「経済は総じて拡大しているが、2地区は横ばいで、他の2地区は拡大ペースが鈍化」「住宅市場は4月末の米政府の住宅購入支援終了により、大部分の地区で停滞」などの見方を示したことで米景気の先行き不透明感が強まり、一段のドル売りとなった。引けにかけてもやや弱含む展開が続き87.495円で取引を終えた。
ユーロ円は東京市場序盤、豪消費者物価指数の下振れを受けた豪ドルの急落が波及した場面で113.75円付近まで下落。しかし、その後は日経平均や上海株の上昇を受けて、株高を背景としたリスク選好ムードの高まりによるドル売り・円売りが優勢となり、約2ヶ月半ぶりの高値114.744円まで上昇した。欧州時間では利益確定の売りが先行したことに加えて、格付け機関のフィッチやS&Pが相次いで欧州の銀行の債務借り換え能力に疑問を投げかけたことも重石となり、114.10円付近まで下押しした。NY時間に入ると米エネルギー省が発表した週間在庫統計で、原油在庫が予想に反して大幅に増加となるとWTI原油先物価格の下落を受け資源国のクロス円が売られたことも相場の重しとなり、一時113.204円まで値を下げ、113.673円で取引を終えた。
本日の展開
一時88円台を回復したドル円であるが、前日のベージュブックでは米経済回復の鈍化について報告され、米耐久財受注も予想外の悪化した結果であったことから再びドル売りとなった。しかし、下値は87円台半ばと限定的であったため、弱い米景気指標に対するドル売りの圧力もやや弱まってきている模様だ。加えて米10年債利回りも節目の3%を回復するなど、金利面からのドル売りも一服していると考えることもできる。テクニカル面では一目均衡表が日足の転換線87.25円付近を突破しており、今後は基準線が位置する88.20円付近を意識した展開も予想される。しかし、短期的なサポートラインである87.20円付近の水準を明確に割り込んだ場合、下落に拍車が掛かることも考えられ注意をしておきたい。
ユーロ円は昨日のスペインの短期国債入札でも旺盛な需要がみられるなど、欧州PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国のソブリン・リスクの話題性は大きく低下している上、欧州ストレステストを無難に通過したことで金融システム不安も後退しており、新規のユーロ売り材料も乏しくなってきたと考えられる。また、本日は欧州経済指標が複数予定されており、最近の欧州景気指標が好調であることから、特に注目が集まるドイツ雇用統計は強気な予想が大勢の様子。テクニカル的には約2ヶ月継続している107円~114円のレンジ上限を試す動きをみせており、114円台半ばをしっかりと上抜けることができれば上昇に弾みがつきそうだ。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 86.80-88.80
ユーロ・円 112.80-115.50
ポンド・円 134.00-138.00
【今日の主な経済指標】
15:00 ZAR マネーサプライM3
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格
15:45 FRF 卸売物価指数(PPI)
16:55 DEM 失業者数
16:55 DEM 失業率
17:30 GBP 消費者信用残高
17:30 GBP マネーサプライM4
18:00 EUR 消費者信頼感
18:30 ZAR 卸売物価指数
21:30 CAD 鉱工業製品価格[前月比]
21:30 CAD 原料価格指数[前月比]
21:30 USD 新規失業保険申請件数
≪2010年7月28日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米地区連銀経済報告(ベージュブック)のネガティブな内容が想定内だったことや、87円中盤
まで値を下げたことで割安感から参加者の「ブル」は継続された。株高・ボラティリティ低下
を背景にキャリートレード意欲も刺激されており、円売り圧力の高まりにもサポートされ、上
値を徐々に拡大する展開も予測されよう。
ポンド円は「ベア」
マイルズBOE(英中銀)政策委員が「さらなる資産買入れは、将来のどこかのポイントで認めら
れる可能性」と発言、キングBOE総裁が「英景気回復が持続するかどうか確信もてない」と弱気
な見解を示したことがポンドの下押し圧力から参加者のポジションも「ベア」となっている。
欧州通貨が全般的に買い戻される流れとなっている上、安全通貨のスイスフランが下落してい
ることで、高リスク通貨であるポンドが相対的に買われやすくなっていると考えられる。テク
ニカル的にも対ドルは上昇トレンドを再開し、対円はもみ合い圏から明確に上抜けおり、ショ
ートの深追いには注意が必要となろう。
豪ドル円は「ブル」
豪第2四半期消費者物価指数が前期比+0.6%と予想の同+1.0%を下回ったほか、前年同期比も
+3.1%と予想の同+3.4%を下振れしたことを受けて豪追加利上げ観測が後退したことから、一
時77円台まで下落すると参加者の押し目買いが散見し「ブル」。来週火曜日の豪準備銀行理事
会での追加利上げの可能性は大きく低下しており、目先はやや失望売りに豪ドルは上値を抑え
られる可能性が高いものの、株高・リスク選好の流れから高リスク通貨を物色する動きも根強
く、下値では割安狙いの買いが入る事も考えられ、押し目買いを検討してみたい。
ユーロ円は東京市場序盤、豪消費者物価指数の下振れを受けた豪ドルの急落が波及した場面で113.75円付近まで下落。しかし、その後は日経平均や上海株の上昇を受けて、株高を背景としたリスク選好ムードの高まりによるドル売り・円売りが優勢となり、約2ヶ月半ぶりの高値114.744円まで上昇した。欧州時間では利益確定の売りが先行したことに加えて、格付け機関のフィッチやS&Pが相次いで欧州の銀行の債務借り換え能力に疑問を投げかけたことも重石となり、114.10円付近まで下押しした。NY時間に入ると米エネルギー省が発表した週間在庫統計で、原油在庫が予想に反して大幅に増加となるとWTI原油先物価格の下落を受け資源国のクロス円が売られたことも相場の重しとなり、一時113.204円まで値を下げ、113.673円で取引を終えた。
本日の展開
一時88円台を回復したドル円であるが、前日のベージュブックでは米経済回復の鈍化について報告され、米耐久財受注も予想外の悪化した結果であったことから再びドル売りとなった。しかし、下値は87円台半ばと限定的であったため、弱い米景気指標に対するドル売りの圧力もやや弱まってきている模様だ。加えて米10年債利回りも節目の3%を回復するなど、金利面からのドル売りも一服していると考えることもできる。テクニカル面では一目均衡表が日足の転換線87.25円付近を突破しており、今後は基準線が位置する88.20円付近を意識した展開も予想される。しかし、短期的なサポートラインである87.20円付近の水準を明確に割り込んだ場合、下落に拍車が掛かることも考えられ注意をしておきたい。
ユーロ円は昨日のスペインの短期国債入札でも旺盛な需要がみられるなど、欧州PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国のソブリン・リスクの話題性は大きく低下している上、欧州ストレステストを無難に通過したことで金融システム不安も後退しており、新規のユーロ売り材料も乏しくなってきたと考えられる。また、本日は欧州経済指標が複数予定されており、最近の欧州景気指標が好調であることから、特に注目が集まるドイツ雇用統計は強気な予想が大勢の様子。テクニカル的には約2ヶ月継続している107円~114円のレンジ上限を試す動きをみせており、114円台半ばをしっかりと上抜けることができれば上昇に弾みがつきそうだ。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 86.80-88.80
ユーロ・円 112.80-115.50
ポンド・円 134.00-138.00
【今日の主な経済指標】
15:00 ZAR マネーサプライM3
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格
15:45 FRF 卸売物価指数(PPI)
16:55 DEM 失業者数
16:55 DEM 失業率
17:30 GBP 消費者信用残高
17:30 GBP マネーサプライM4
18:00 EUR 消費者信頼感
18:30 ZAR 卸売物価指数
21:30 CAD 鉱工業製品価格[前月比]
21:30 CAD 原料価格指数[前月比]
21:30 USD 新規失業保険申請件数
≪2010年7月28日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米地区連銀経済報告(ベージュブック)のネガティブな内容が想定内だったことや、87円中盤
まで値を下げたことで割安感から参加者の「ブル」は継続された。株高・ボラティリティ低下
を背景にキャリートレード意欲も刺激されており、円売り圧力の高まりにもサポートされ、上
値を徐々に拡大する展開も予測されよう。
ポンド円は「ベア」
マイルズBOE(英中銀)政策委員が「さらなる資産買入れは、将来のどこかのポイントで認めら
れる可能性」と発言、キングBOE総裁が「英景気回復が持続するかどうか確信もてない」と弱気
な見解を示したことがポンドの下押し圧力から参加者のポジションも「ベア」となっている。
欧州通貨が全般的に買い戻される流れとなっている上、安全通貨のスイスフランが下落してい
ることで、高リスク通貨であるポンドが相対的に買われやすくなっていると考えられる。テク
ニカル的にも対ドルは上昇トレンドを再開し、対円はもみ合い圏から明確に上抜けおり、ショ
ートの深追いには注意が必要となろう。
豪ドル円は「ブル」
豪第2四半期消費者物価指数が前期比+0.6%と予想の同+1.0%を下回ったほか、前年同期比も
+3.1%と予想の同+3.4%を下振れしたことを受けて豪追加利上げ観測が後退したことから、一
時77円台まで下落すると参加者の押し目買いが散見し「ブル」。来週火曜日の豪準備銀行理事
会での追加利上げの可能性は大きく低下しており、目先はやや失望売りに豪ドルは上値を抑え
られる可能性が高いものの、株高・リスク選好の流れから高リスク通貨を物色する動きも根強
く、下値では割安狙いの買いが入る事も考えられ、押し目買いを検討してみたい。