FXレポート

米二番底懸念を巡る議論が再び!

昨日のドル円だが、東京市場序盤は仲値でのドル需要が大きめだったほか、米国市場の休場を前にショートカバーが強まったことで一時88.001円まで小幅に上昇。しかし、その後は新規材料難となったこともあり、全般的に動意に乏しく87.80円を中心とした上下10銭の狭いレンジ内で推移した。欧州勢参加後も引き続き方向感に乏しい値動きとなる中、上昇していた米ダウ先物や英FT・独DAXなど欧州の主要株価指数がマイナス圏へ入ると、リスク回避の動きから87.629円まで値を崩す場面も見られた。しかし、NY時間に入ると米国市場が独立記念日の振替休日のため株式・債券市場が休場の影響から動意はなく膠着状態が続き、終値は前日比-0.040とほぼ横ばいの87.774円で取引を終えた。

ユーロ円は東京市場序盤、日経平均が寄り付きから小幅高で推移すると、110.25円付近まで上昇したものの、米市場の休場を控え積極的な売買が手控えられ、方向感に乏しい展開が続いた。欧州市場に入るとGLOBEXのNYダウ先物や欧州株が一時下落へと転じるなど冴えない展開になったことで、やや弱含みになる場面もみられたが下値は限定的となった。NY時間では米国勢が独立記念日の振り替えによる休日とあって、目立った動きはほとんど見られず110.062円で取引を終えた。

                      本日の展開

本日のドル円だが、米経済を牽引する雇用と住宅が不調となり、米景気の回復ペース鈍化や二番底懸念を巡る議論が再び高まっている。また、米景気回復鈍化を背景にFRBの利上げは来年後半まで持ち越しとの見方も浮上しており、米長期金利は3%台割れと今年の最低水準での推移が続くなど、ドルが全般的に売られやすくなる可能性が高いと思われる。テクニカル的に見ると、ドル円は先週末発表の雇用統計直後につけた高値88.211円、安値87.306円のレンジの中で値動きが収縮しているが、高値を抜くようだと一目均衡表の転換線88.75円付近、逆に下抜くようだと、7月1日安値86.963円をトライする可能性が高いと考えられる。

ユーロは、米国の景気二番底懸念が浮上したことによりドル売り基調が強まっている一方、欧州の信用不安や資金繰り懸念が解消されたわけではなく、ユーロが積極的に買われる展開も予想し辛いだろう。また、今月後半に予定されている欧州金融機関のストレステストの結果公表を前に、ネガティブな噂が飛び交ってもおかしくない局面にあり、ドルもユーロも買いづらく、消去法的な買いが円に向かう可能性も高く引き続き下値リスクを警戒したい。


[今日の予想レンジ]
ドル ・円   86.80-88.20
ユーロ・円 109.00-110.80
ポンド・円 131.20-134.00

【今日の主な経済指標】

13:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
14:00 JPY 景気先行指数
14:00 JPY 景気一致指数
16:15 CHF 消費者物価指数
16:15 CHF 消費者物価指数
21:30 CAD 住宅建設許可件
23:00 USD ISM非製造業景況指数

≪2010年7月5日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ベア」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
全般的に動意に乏しく積極的な売買がみられなかったものの、90円割れをしていることもあり
参加者の約80%が「強気」となっている。しかし、米雇用市場の減速は明白で、米利上げ観測
も一段と後退し、米長期金利の低迷も長期化しそうだ。また、株安連鎖懸念・リスク回避ムー
ドも一段と高まる可能性も考えられることから、新たなドル安・円高局面に入った可能性が高
そうだ。88円台では戻り売りも考えてみたい。

ポンド円は「ベア」
6月の英サービス部門購買担当者景気指数が54.4と、前月の55.4から低下し、市場予想平均の5
5.0を下回ったことを受けてポンド円が売られると、押し目買いが目立ち「ブル」となった。
米国の景気腰折れ懸念を背景にドルのセンチメントが悪化している中、英国の景気やインフレ
見通しが上向いており、英中銀の利上げも予想されていることから、ポンドは金利動向などか
ら買いが入りやすい局面であろうか。

豪ドル円は「ブル」
株安・商品安を背景とした先週からのリスク回避の流れを受け、この2週間で約7円の下落とな
っており割安感から参加者の「ブル」は継続されている。本日予定されているRBA金融政策決
定会合では一部市場参加者からは声明内容への期待感がみられるものの政策金利の据え置き観
測が強いことから、支援する材料は乏しく軟調な展開が予想される。テクニカル的には74.00
円付近に5日間移動平均線が差し掛かっており、この水準を上抜けることができるかどうかが
目先の焦点となるだろう。

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