相次ぐ悪材料に消去法で円買い加速か!?
ドル円は、29日序盤89.30円近辺で小動きしていたが、中国景気の減速懸念や中東のドバイ企業の資金繰り懸念が伝えられるとアジア株が全体的に押し下げられた。日経平均株価も軟調となり、実需筋の円買いと相まってドル円は89円割れを示現し、88.70円付近まで下落。欧州勢参入後は他主要通貨のドル買い圧力に挟まれ、上下30銭程の限定された値動きで推移したが、米民間調査会社コンファレンス・ボードが発表した6月消費者信頼感指数の結果が52.9と市場予想(62.5)を大きく下回ると、市場はこれを嫌気しNYダウは一時、前日比-323.60ドルの9,811.92ドルまで下落するなどリスク回避の動きが鮮明となった。為替市場でも強い円買いの反応を示し安値を塗り替え、88.281円まで急落、その後は若干値を戻したものの88.582円で取引を終えた。
ユーロ円は、前日比ほぼかわらずの109.757円で取引が始まったが、中国の不動産バブルが破綻するとの観測が広がったことや経済成長が鈍化するとの見方が浮上するとリスク志向が後退し中国株が大幅安となった。その流れから欧州株価も軟調推移となり、欧州金融機関の経営に対する先行き不透明感の高まりを背景にユーロ売りが進行。2001年11月以来8年7ヶ月ぶりとなる安値107.317円まで売り込まれ、終値は107.984円となった。
本日の展開
本日のドルだが、今月発表された米国の経済指標はネガティブな内容が続いており、利上げ期待は大きく後退している。また、米消費者信頼感指数の低下により景気回復に対する先行き不透明感も色濃くなりつつあり、米国10年債利回りが2009年4月以来の3%割れとなったことがドル円を押し下げる要因となっているようだ。週末には雇用統計の発表を控え、また本日は先行指標となるADP雇用統計が発表される予定となっているが、このような地合ではネガティブな結果となった場合、過剰に反応しやすいことも予想される。また、中国景気減速懸念等から世界経済の先行きに対する不安も高まっており、リスク回避の流れが引き続き強まる状況となれば消去法的な円買いもドル円相場に重くのしかかり、88円台を割り込む可能性もありそうだ。
ユーロも引き続き財政懸念が根強く軟調な動きが続いている。短期金融市場金利だが、ロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)はユーロの1ヵ月物が2009年12月以来の水準まで上昇している。このような状況のなかで7月1日にはECBの景気刺激策のひとつである欧州中央銀行からの借り入れ(4420億ユーロ)が返済期限を迎えるが、市場では流動性不足になるのではとの懸念も広がっている。また同日フランス・スペインの国債入札も控えており、ますます不安定な値動きとなる可能性も秘めている。対円で8年7ヶ月ぶりの安値となったユーロであるが、更に売り込まれる可能性も否定できず、ポジションテイクのタイミングには細心の注意を払う必要がありそうだ。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 87.00- 91.50
ユーロ・円 106.50-111.50
ポンド・円 132.00-137.00
【今週の主な経済指標】
08:01 GBP GFK消費者信頼感調査
10:30 JPY 毎月勤労統計調査-現金給与総額
14:00 JPY 新設住宅着工戸数
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格
15:00 ZAR マネーサプライM3
16:55 DEM 失業率
16:55 DEM 失業者数
17:30 GBP 四半期経常収支
17:30 GBP 四半期国内総生産(GDP、確定値)
18:00 EUR 消費者物価指数(HICP、速報値)
18:30 CHF KOF景気先行指数
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
21:00 ZAR 貿易収支
21:15 USD ADP雇用統計
21:30 CAD 月次国内総生産(GDP)
22:45 USD シカゴ購買部協会景気指数
≪2010年6月29日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
悪材料が続くなか、断続的に買いが入りポジションは「ブル」。
地合は弱気だが、オバマ米大統領の発言を顧みると「経済が力強さを増している」、「バ
ーナンキFRB議長と認識を共有している」などと積極的な姿勢が垣間見える。両氏は特に
欧州債務問題について活発に議論を行っており、地合転換の手掛かりとなるだろうか。し
かし、雇用情勢の悪化が確認されれば対円でのドル売りが強まる可能性が高く、注意が必
要だ。
ユーロ円は「ブル」
大きく下落したものの値頃感から逆張りが入り「ブル」となっている。
ユーロ圏諸国の金融機関のストレステストの結果が気になるところだが、ノワイエ仏中銀
総裁の「仏銀行に大きな問題はない」、「仏政府は成長を阻害することなく財政赤字削減
を達成できる」との発言が伝わっている。しかし特にPIIGS諸国の結果の如何によっては
リスク回避に傾きやすい地合と考えられることから引き続き動向には注意したい。
ポンド円は「ブル」
昨日は約1.5円下落しているが対ドルでは比較的底堅く「ブル」だ。
しかしフィッシャー英中銀理事の「早期金融引き締めには慎重」、「デフレリスクはまだ
過ぎ去ってない」などとハト派寄りの発言が気になるところだ。ポンドは比較的ボラティ
リティの高い通貨なため投資家心理によっては思わぬ値動きに振り回される可能性があり
油断できないと思われる。
ユーロ円は、前日比ほぼかわらずの109.757円で取引が始まったが、中国の不動産バブルが破綻するとの観測が広がったことや経済成長が鈍化するとの見方が浮上するとリスク志向が後退し中国株が大幅安となった。その流れから欧州株価も軟調推移となり、欧州金融機関の経営に対する先行き不透明感の高まりを背景にユーロ売りが進行。2001年11月以来8年7ヶ月ぶりとなる安値107.317円まで売り込まれ、終値は107.984円となった。
本日の展開
本日のドルだが、今月発表された米国の経済指標はネガティブな内容が続いており、利上げ期待は大きく後退している。また、米消費者信頼感指数の低下により景気回復に対する先行き不透明感も色濃くなりつつあり、米国10年債利回りが2009年4月以来の3%割れとなったことがドル円を押し下げる要因となっているようだ。週末には雇用統計の発表を控え、また本日は先行指標となるADP雇用統計が発表される予定となっているが、このような地合ではネガティブな結果となった場合、過剰に反応しやすいことも予想される。また、中国景気減速懸念等から世界経済の先行きに対する不安も高まっており、リスク回避の流れが引き続き強まる状況となれば消去法的な円買いもドル円相場に重くのしかかり、88円台を割り込む可能性もありそうだ。
ユーロも引き続き財政懸念が根強く軟調な動きが続いている。短期金融市場金利だが、ロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)はユーロの1ヵ月物が2009年12月以来の水準まで上昇している。このような状況のなかで7月1日にはECBの景気刺激策のひとつである欧州中央銀行からの借り入れ(4420億ユーロ)が返済期限を迎えるが、市場では流動性不足になるのではとの懸念も広がっている。また同日フランス・スペインの国債入札も控えており、ますます不安定な値動きとなる可能性も秘めている。対円で8年7ヶ月ぶりの安値となったユーロであるが、更に売り込まれる可能性も否定できず、ポジションテイクのタイミングには細心の注意を払う必要がありそうだ。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 87.00- 91.50
ユーロ・円 106.50-111.50
ポンド・円 132.00-137.00
【今週の主な経済指標】
08:01 GBP GFK消費者信頼感調査
10:30 JPY 毎月勤労統計調査-現金給与総額
14:00 JPY 新設住宅着工戸数
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格
15:00 ZAR マネーサプライM3
16:55 DEM 失業率
16:55 DEM 失業者数
17:30 GBP 四半期経常収支
17:30 GBP 四半期国内総生産(GDP、確定値)
18:00 EUR 消費者物価指数(HICP、速報値)
18:30 CHF KOF景気先行指数
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
21:00 ZAR 貿易収支
21:15 USD ADP雇用統計
21:30 CAD 月次国内総生産(GDP)
22:45 USD シカゴ購買部協会景気指数
≪2010年6月29日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
悪材料が続くなか、断続的に買いが入りポジションは「ブル」。
地合は弱気だが、オバマ米大統領の発言を顧みると「経済が力強さを増している」、「バ
ーナンキFRB議長と認識を共有している」などと積極的な姿勢が垣間見える。両氏は特に
欧州債務問題について活発に議論を行っており、地合転換の手掛かりとなるだろうか。し
かし、雇用情勢の悪化が確認されれば対円でのドル売りが強まる可能性が高く、注意が必
要だ。
ユーロ円は「ブル」
大きく下落したものの値頃感から逆張りが入り「ブル」となっている。
ユーロ圏諸国の金融機関のストレステストの結果が気になるところだが、ノワイエ仏中銀
総裁の「仏銀行に大きな問題はない」、「仏政府は成長を阻害することなく財政赤字削減
を達成できる」との発言が伝わっている。しかし特にPIIGS諸国の結果の如何によっては
リスク回避に傾きやすい地合と考えられることから引き続き動向には注意したい。
ポンド円は「ブル」
昨日は約1.5円下落しているが対ドルでは比較的底堅く「ブル」だ。
しかしフィッシャー英中銀理事の「早期金融引き締めには慎重」、「デフレリスクはまだ
過ぎ去ってない」などとハト派寄りの発言が気になるところだ。ポンドは比較的ボラティ
リティの高い通貨なため投資家心理によっては思わぬ値動きに振り回される可能性があり
油断できないと思われる。