米雇用統計を週末に控え取引は慎重に!?
週明けのドル円は、日本や中国の株式相場が軟調となる一方、欧州株価が堅調に推移したことから、方向感を探る展開となり、89円台前半の狭いレンジで膠着状態が続いた。NY時間に入り発表された5月米個人消費支出(PCE)が+0.2%(予想:+0.1%、前回:±0.0%)、同個人所得が[前月比]が+0.4%(予想:+0.5%、前回:0.4)、同個人消費支出(PCEコア・デフレータ)が前月比+0.2%(予想:+0.1%、前回:0.1%)と経済指標に関しては総じて予想より若干強い結果となったものの、小高く寄り付いたNYダウがマイナス圏に転じたことからリスク回避の円買いの動きとなり、米長期金利低下も意識され、安値89.061円まで下落した。しかしNYダウがプラス圏に浮上するとリスク許容度が回復、89.45円付近まで上昇し、最終的には89.367円で引ける値動きとなった。
ユーロ円は、週末に20カ国地域(G20)首脳会議が開催されたが材料視されず、序盤は動意の薄い値動きとなっていたが、ウェーバー独連銀総裁がミヒェルバッハ独キリスト教社会同盟議員との会談で「独銀行の一部に問題がある」と発言したことや、国際決済銀行(BIS)の「銀行に損失に備える資本増強が必要」との見解から、南欧諸国債の軟調な推移を背景に欧州経済に対する不安が再燃、ユーロ売りを誘った。NY勢参入後も、発表された5月独消費者物価指数の結果が前年比+0.9%(予想:+1.0%)と弱含んだ内容だったことや、欧州銀行間取引での金利上昇を背景に一段安となり、109.606円まで下落、安値圏となる109.737円で取引を終えた。
本日の展開
週末にかけてトロントで開催された20カ国地域(G20)首脳会議だが、「先進国の財政赤字を2013年までに半減させる」との声明が採択された。具体的な数値目標が盛り込まれるのは異例で、財政危機に対する危機感の現れとも評価できる。2008年秋の金融危機以降、欧米を中心に相次いで景気刺激策を打ち出しているが、更なる財政規律強化が必要と判断されたようだ。しかし財政赤字削減には当然、財政支出削減も伴うことから、経済活動に対してはブレーキとなる見方もできる。緩やかな景気回復のペースを鑑みると悪材料と捉える向きも少なくなく、会議明け後も市場心理が目立って改善した様子はみられない。また財政赤字削減の意向が打ち出されたとはいえ、掛け声だけに終わる可能性もあり、短期的には材料視されにくいとも考えられる。
今週の最大イベントは7月2日の6月米雇用統計で、非常に注目が集まっている。6ヶ月ぶりに雇用減が見込まれており、非農業部門雇用者数(NFP)は11万人程度の減少が予想されていることも気がかりだ。また1日の6月米サプライ管理協会(ISM)製造業景況指数、米新車販売に対する関心も高く、いずれの指標も相場に影響を与える可能性を秘めている。イベントまでは、相場を動かす材料にも乏しいため、当面は株価動向が意識される相場展開となりそうだ。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 88.00- 91.00
ユーロ・円 108.00-113.00
ポンド・円 132.00-137.00
【今週の主な経済指標】
07:45 NZD 住宅建設許可件数
08:30 JPY 全世帯家計調査・消費支出
08:30 JPY 有効求人倍率
08:30 JPY 失業率
08:50 JPY 鉱工業生産・速報値
15:45 FRF 消費者信頼感指数
17:30 GBP マネーサプライM4確定値
17:30 GBP 消費者信用残高
18:00 EUR 消費者信頼感(確定値)
21:30 CAD 原料価格指数
21:30 CAD 鉱工業製品価格
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
23:00 USD 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
≪2010年6月28日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
円高傾向が続いているが断続的に買いが入りポジションは「ブル」。
前週にも弱い米経済指標が相次いでいる中、今週末に控える米雇用統計も雇用減が見込ま
れていることもあり回復に不安感が広がっている。しかし民間部門だけの数字を見ると、
雇用増が見込まれており、ポジティブサプライズとなれば、強いドル買いへ傾く可能性が
ありそうだ。
ユーロ円は「ブル」
根強い欧州不安でユーロは弱含んでいるなか、逆張りの買いが入り「ブル」。
G20会合では経済政策の調整や確認が行われたにも関わらず、ユーロは弱含んでいる。公
の発表に対し市場の見方は懐疑的となっている様子が伺え、当面はユーロ安に傾きやすい
地合いが継続しそうだ。
ポンド円は「ベア」
利上げ観測の高まりから利益確定の売りが入り、ポジションは「ベア」となっている。
センタンス英中銀委員の「英国の予算案は利上げの必要性を排除しない」、「緩やかな金
利上昇は経済にとって有益」などとの発言を受け、昨日のポンドは対主要通貨で独歩高の
様相だ。同委員は6月MPC(金融政策委員会)にて0.75%への利上げを主張(現行0.50%)した
過去があることも意識されているようだ。対ユーロでは2008年11月以来の水準となってお
り、今後も買い圧力が期待できるかもしれない。
ユーロ円は、週末に20カ国地域(G20)首脳会議が開催されたが材料視されず、序盤は動意の薄い値動きとなっていたが、ウェーバー独連銀総裁がミヒェルバッハ独キリスト教社会同盟議員との会談で「独銀行の一部に問題がある」と発言したことや、国際決済銀行(BIS)の「銀行に損失に備える資本増強が必要」との見解から、南欧諸国債の軟調な推移を背景に欧州経済に対する不安が再燃、ユーロ売りを誘った。NY勢参入後も、発表された5月独消費者物価指数の結果が前年比+0.9%(予想:+1.0%)と弱含んだ内容だったことや、欧州銀行間取引での金利上昇を背景に一段安となり、109.606円まで下落、安値圏となる109.737円で取引を終えた。
本日の展開
週末にかけてトロントで開催された20カ国地域(G20)首脳会議だが、「先進国の財政赤字を2013年までに半減させる」との声明が採択された。具体的な数値目標が盛り込まれるのは異例で、財政危機に対する危機感の現れとも評価できる。2008年秋の金融危機以降、欧米を中心に相次いで景気刺激策を打ち出しているが、更なる財政規律強化が必要と判断されたようだ。しかし財政赤字削減には当然、財政支出削減も伴うことから、経済活動に対してはブレーキとなる見方もできる。緩やかな景気回復のペースを鑑みると悪材料と捉える向きも少なくなく、会議明け後も市場心理が目立って改善した様子はみられない。また財政赤字削減の意向が打ち出されたとはいえ、掛け声だけに終わる可能性もあり、短期的には材料視されにくいとも考えられる。
今週の最大イベントは7月2日の6月米雇用統計で、非常に注目が集まっている。6ヶ月ぶりに雇用減が見込まれており、非農業部門雇用者数(NFP)は11万人程度の減少が予想されていることも気がかりだ。また1日の6月米サプライ管理協会(ISM)製造業景況指数、米新車販売に対する関心も高く、いずれの指標も相場に影響を与える可能性を秘めている。イベントまでは、相場を動かす材料にも乏しいため、当面は株価動向が意識される相場展開となりそうだ。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 88.00- 91.00
ユーロ・円 108.00-113.00
ポンド・円 132.00-137.00
【今週の主な経済指標】
07:45 NZD 住宅建設許可件数
08:30 JPY 全世帯家計調査・消費支出
08:30 JPY 有効求人倍率
08:30 JPY 失業率
08:50 JPY 鉱工業生産・速報値
15:45 FRF 消費者信頼感指数
17:30 GBP マネーサプライM4確定値
17:30 GBP 消費者信用残高
18:00 EUR 消費者信頼感(確定値)
21:30 CAD 原料価格指数
21:30 CAD 鉱工業製品価格
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
23:00 USD 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
≪2010年6月28日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
円高傾向が続いているが断続的に買いが入りポジションは「ブル」。
前週にも弱い米経済指標が相次いでいる中、今週末に控える米雇用統計も雇用減が見込ま
れていることもあり回復に不安感が広がっている。しかし民間部門だけの数字を見ると、
雇用増が見込まれており、ポジティブサプライズとなれば、強いドル買いへ傾く可能性が
ありそうだ。
ユーロ円は「ブル」
根強い欧州不安でユーロは弱含んでいるなか、逆張りの買いが入り「ブル」。
G20会合では経済政策の調整や確認が行われたにも関わらず、ユーロは弱含んでいる。公
の発表に対し市場の見方は懐疑的となっている様子が伺え、当面はユーロ安に傾きやすい
地合いが継続しそうだ。
ポンド円は「ベア」
利上げ観測の高まりから利益確定の売りが入り、ポジションは「ベア」となっている。
センタンス英中銀委員の「英国の予算案は利上げの必要性を排除しない」、「緩やかな金
利上昇は経済にとって有益」などとの発言を受け、昨日のポンドは対主要通貨で独歩高の
様相だ。同委員は6月MPC(金融政策委員会)にて0.75%への利上げを主張(現行0.50%)した
過去があることも意識されているようだ。対ユーロでは2008年11月以来の水準となってお
り、今後も買い圧力が期待できるかもしれない。