人民元弾力化の影響は限定的か?
昨日のドル円だが、19日夜に中国人民銀行(中央銀行)が人民元相場の弾力性を高める方針と発表、週明け早々に人民元を切り上げるのではといった思惑から、同じアジア通貨という連想買いが円に集まり、前週末比30銭強安い90.401円でスタートした。その後はじりじりと値を戻し、中国人民銀行が発表した21日の基準値は1ドル=6.825元と、前営業日と同じ水準だった事から急激な元高懸念が払拭し、ドル円は90.954円まで上昇した。元の先高感はあるものの、円相場の急騰を回避できた事で日経平均をはじめとしたアジア株の上昇を受けてリスク選好が優勢となり、91円近辺に控えていた200日移動平均線を突破後は上げ足を早め昨日高値91.464円まで上昇した。欧米時間においては注目される経済指標の発表もなく、上昇一服後は値を崩したものの、節目となる91円台にのせたまま91.078円で取引を終えた。
ユーロ円は、東京時間午前10時過ぎに人民元の基準値が伝わると、元の切り上げを見込んでドルを売っていた向きの買い戻しが強まった影響からユーロドルが下落しユーロ円もつれ安となった。しかし、アジア主要国の株価上昇に伴いリスク選好の動きが強まったため、流れは反転し上向きとなった。その後、欧州時間入り直後に113.405円まで上昇したものの、格付け会社フィッチが仏銀BNPパリバの格付け引き下げとの報道が伝わるとユーロ売りが強まり、一時111.838円まで下落した。終値は112.206円と前日比マイナス圏で取引を終えた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、元相場の弾力化を受けた急激な円買いは回避できたとはいえ、今後も注意が必要となりそうだ。一方で、元相場の弾力化に伴い中国が米国債の購入を縮小する可能性があるとの見方もあり、債券価格が下落した場合、日米の金利差拡大が着目されドル円の上昇要因となる可能性も否定できない。また、本日発表予定の米中古住宅販売件数は前回から改善予想となっており、米住宅市場の回復を裏付ける結果となれば、6月14日直近高値92.112円を試す場面があるかもしれない。
ユーロ円は、ユーロ圏の銀行がストレステストの結果を公表する事を主要国要人が歓迎する最中、BNPパリバの格付け引き下げが伝わり、他の金融機関へも不安が飛び火する可能性が出てきた。BNPパリバ同様、欧州銀の格付け引き下げが相次いだ場合、ユーロ売りが強まるかもしれない。また、本日は独IFO企業景況感指数の発表が予定されており、結果次第では上下に値が振れる可能性を秘めているため柔軟な対応が必要となろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 90.00-92.00
ユーロ・円 111.80-114.20
ポンド・円 132.90-136.70
【今日の主な経済指標】
15:15 CHF 貿易収支
17:00 DEM IFO企業景況感指数
17:00 EUR 経常収支
20:00 CAD 消費者物価指数
23:00 EUR 消費者信頼感
23:00 USD リッチモンド連銀製造業指数
23:00 USD 中古住宅販売件数
23:00 USD 住宅価格指数
≪2010年6月21日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
2005年7月の人民元切り上げ時は大幅円高となったため、急激な円高に対する懸念もあったが
現状では落ち着いた動きを見せているため参加者は「ブル」を継続している。市場では2008年
の金融危機を受けて固定していた元相場が再度動き出しただけとの見方もある。いつまでにど
の程度上昇するか等、具体的に決まっている訳ではないため、短期的には極端に意識する程の
内容とはならない可能性も高そうだ。
ユーロ円は「ブル」
リスク選好の動きから上値を追う動きを見せたものの、値を保つ事が出来ずに反落し、値位置
はほぼ変わらずのため「ブル」継続となった。一時的に113円台にのせるものの、定着出来ず
に反落し日足ベースでは上ヒゲが続いていることからも上値の重さが伺える。欧州銀の格付け
引き下げ等、新たなネガティブ材料が出た場合大きく値を崩す可能性もあるため、引き続き注
意が必要となりそうだ。
豪ドル円は「ブル」
中国の人民元弾力化発表が好感され対ドルで上昇し、対円もつれ高となった。中国の購買力が
強まって対中輸出が拡大し、世界的な経済成長につながるとの見方からリスク選好の動きが優
勢となっている。本日も株価を睨んだ展開となろうが、株高が継続した場合、一段の豪ドル買
いとなる可能性が高そうだ。
ユーロ円は、東京時間午前10時過ぎに人民元の基準値が伝わると、元の切り上げを見込んでドルを売っていた向きの買い戻しが強まった影響からユーロドルが下落しユーロ円もつれ安となった。しかし、アジア主要国の株価上昇に伴いリスク選好の動きが強まったため、流れは反転し上向きとなった。その後、欧州時間入り直後に113.405円まで上昇したものの、格付け会社フィッチが仏銀BNPパリバの格付け引き下げとの報道が伝わるとユーロ売りが強まり、一時111.838円まで下落した。終値は112.206円と前日比マイナス圏で取引を終えた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、元相場の弾力化を受けた急激な円買いは回避できたとはいえ、今後も注意が必要となりそうだ。一方で、元相場の弾力化に伴い中国が米国債の購入を縮小する可能性があるとの見方もあり、債券価格が下落した場合、日米の金利差拡大が着目されドル円の上昇要因となる可能性も否定できない。また、本日発表予定の米中古住宅販売件数は前回から改善予想となっており、米住宅市場の回復を裏付ける結果となれば、6月14日直近高値92.112円を試す場面があるかもしれない。
ユーロ円は、ユーロ圏の銀行がストレステストの結果を公表する事を主要国要人が歓迎する最中、BNPパリバの格付け引き下げが伝わり、他の金融機関へも不安が飛び火する可能性が出てきた。BNPパリバ同様、欧州銀の格付け引き下げが相次いだ場合、ユーロ売りが強まるかもしれない。また、本日は独IFO企業景況感指数の発表が予定されており、結果次第では上下に値が振れる可能性を秘めているため柔軟な対応が必要となろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 90.00-92.00
ユーロ・円 111.80-114.20
ポンド・円 132.90-136.70
【今日の主な経済指標】
15:15 CHF 貿易収支
17:00 DEM IFO企業景況感指数
17:00 EUR 経常収支
20:00 CAD 消費者物価指数
23:00 EUR 消費者信頼感
23:00 USD リッチモンド連銀製造業指数
23:00 USD 中古住宅販売件数
23:00 USD 住宅価格指数
≪2010年6月21日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
2005年7月の人民元切り上げ時は大幅円高となったため、急激な円高に対する懸念もあったが
現状では落ち着いた動きを見せているため参加者は「ブル」を継続している。市場では2008年
の金融危機を受けて固定していた元相場が再度動き出しただけとの見方もある。いつまでにど
の程度上昇するか等、具体的に決まっている訳ではないため、短期的には極端に意識する程の
内容とはならない可能性も高そうだ。
ユーロ円は「ブル」
リスク選好の動きから上値を追う動きを見せたものの、値を保つ事が出来ずに反落し、値位置
はほぼ変わらずのため「ブル」継続となった。一時的に113円台にのせるものの、定着出来ず
に反落し日足ベースでは上ヒゲが続いていることからも上値の重さが伺える。欧州銀の格付け
引き下げ等、新たなネガティブ材料が出た場合大きく値を崩す可能性もあるため、引き続き注
意が必要となりそうだ。
豪ドル円は「ブル」
中国の人民元弾力化発表が好感され対ドルで上昇し、対円もつれ高となった。中国の購買力が
強まって対中輸出が拡大し、世界的な経済成長につながるとの見方からリスク選好の動きが優
勢となっている。本日も株価を睨んだ展開となろうが、株高が継続した場合、一段の豪ドル買
いとなる可能性が高そうだ。