材料待ちのレンジ相場が継続!? ベージュブックは円買い・ドル買いで反応!
昨日は、主要アジア株の軟調な動きや日経225先物に継続した売りが入っていたことを背景に日経平均株価は年初来安値(9,378.23円、前日比-159.71円)を更新、ドル円も弱含む展開となった。しかし、午後に入り中国政府高官の中国輸出に関する強気な発言が伝わると、上海総合指数が堅調に転じるなど強弱入り混じりの展開となり、ドル円は91.400円を挟んだ上下20銭程度の小幅なレンジにとどまった。その後、欧州株式市場が底堅く推移したことでドル買いが優勢となり、その後のNY市場でもその流れを引き継いでNYダウが寄り付きから堅調となったことからリスク選好姿勢がやや回復し、一時91.668円まで上昇した。しかし、その後発表された米地区連銀経済報告(ベージュブック)の内容が市場に弱い印象を与えたため、NYダウはマイナス圏へ転落。10,000ドルを割り込みリスク選好地合が弱まり、円買い・ドル売りにシフト、一時91.042円まで下落した。引けかけては売買が交錯する株価をにらんだ展開となり、91.291円で引け、昨日に引き続き方向感は見えづらくレンジは一段と狭まった動きとなった。
ユーロ円は、引き続きユーロ圏諸国のソブリンリスクが意識され109.20円付近で動意なく推移していたが、商いの薄いなかでアジア中銀のまとまったユーロ売りから108.550円まで下落した。その後、中東系の買いが入ると売りを吸収、また昨日売られたユーロ加盟諸国の国債が買い戻されたことなどから、リスク選好が回復し一時110.592円まで上値を伸ばした。しかしその後、NYダウの下落に伴い対主要通貨で売買圧力が拮抗、不安定な値動きとなり、最終的には前日とほぼ変わらずの109.344円で取引を終えた。
本日の展開
昨日の米地区連銀経済報告(ベージュブック)では「全地区での経済活動が改善(前回:11区、今回:12区)」と報告された。しかし「成長のペースは控えめ」とする地区が多いことから景気回復のペースに対する先行き見通し不安が強まったようで、ベージュブック発表後はNYダウは軟調に転じ、リスク選好の勢いは限定されたようだ。一方で、中国の貿易について「輸出が前年比50%程度増加」との観測が広がっていることもあり本日発表予定の中国貿易収支に注目が集まっている。結果次第では世界経済にとっても好材料となる可能性が高く、リスク選好によるドル買いの材料になる可能性もある。材料視されなければ、再度株価の値動きに連動する短期筋に振り回される方向感の乏しい展開が予想される。
ユーロはポルトガルのビナ財務国庫長官による「経済は回復してきている」、「歳入は予想以上に拡大」との発言や、ポルトガル国債が目標額を上回る金額で入札され、15億1700万ユーロの資金調達に成功したことが好材料となったようだ。しかし、ユーロ圏のソブリン危機が南欧・東欧諸国まで拡大する可能性が示唆されており、ユーロから安全な逃避先としての金を買う動きが強くなっている模様で、昨日は金価格が市場最高値を更新している。ユーロ離れの勢いは一向に収まっていないようだ。
そのような中、トリシェECB総裁の発言が伝わっており「欧州統合は長期にわたる過程」、「さらなる統合が国家の利益」、「ECBは物価の安定を確実にする手段を有する」とし、信頼回復と協調を訴えている。特に「監視と管理の強化」について言及したことは、独仏が金融規制などについて独自路線で先行していることもあり、今後欧州全体に広がるかどうかは気になるところだ。これらを踏まえると、本日発表予定のECB政策金利発表も利上げは難しいと考えられ1.00%据え置きが濃厚となっている。マーケットの注目は、既に政策金利発表に伴う声明に集まっており、手控えムードを払拭できる程の新しい内容に期待したいところ。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 91.000- 93.400
ユーロ・円 108.300-113.300
ポンド・円 131.500-136.500
【今日の主な経済指標】
06:00 NZD ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)[前週分]
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)[前週分]
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、改定値)[年率換算]
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、改定値)[前期比]
08:50 JPY 国内企業物価指数[前年同月比]
08:50 JPY 国内企業物価指数[前月比]
10:30 AUD 失業率
10:30 AUD 新規雇用者数
14:00 JPY 消費者態度指数・一般世帯
15:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値)[前月比]
15:45 FRF 鉱工業生産指数[前月比]
15:45 FRF 非農業部門雇用者・改定値[前期比]
20:00 GBP イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
20:45 EUR 欧州中央銀行(ECB)政策金利
21:30 USD 新規失業保険申請件数
21:30 USD 貿易収支
21:30 CAD 貿易収支
21:30 CAD 新築住宅価格指数[前月比]
27:00 USD 月次財政収支
≪2010年6月9日クローズ時点≫
ドル・円 : 「ブル」
ユーロ・円 : 「ブル」
ユーロ・ドル : 「ブル」
英ポンド・円 : 「ブル」
豪ドル・円 : 「ブル」
NZドル・円 : 「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
レンジ内相場が継続するなか、ポジションは若干「ブル」寄り。
米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が、米経済の成長に対し慎重ながらも楽観
的な見方を示している。また中国が5月輸出の伸びが大幅なものになるとの観測もあり、
世界的な景気回復へのセンチメントはやや回復しつつあるようだ。しかしながら欧州を取
り巻くソブリンリスクは依然として根強いものがありレンジ相場継続なら値動きの読みや
すい相場展開となるかもしれない。
ユーロ円は「ブル」
109円台には値ごろ感もあるようで、押し目買いの「ブル」だ。
ユーロ圏諸国の財政懸念についてどのような対策を打つのか、次の一手に注目が高まって
いるなか、ユーロ圏諸国の財務大臣は債務問題を抱える国に対して融資を行う資金を調達
する欧州金融安定機関(EFSF)設立の詳細について合意した。特別目的機関(SPV)で市場か
ら最大4400億ユーロを調達する。ユーロに対しては積極的な売買が手控えられるなかで現
状を打開できるか動向を注視したい。
ポンド円は「ブル」
クローズ時は「ブル」。引け近くになってベアからブルへと転換した。
英中銀金融政策委員会(MPC)が開催されるが、市場の政策金利予想は据え置きとの見方が
多い。経済状況においては4月英消費者物価指数は前年比+3.7%と伸びており、インフレ
ターゲット上限を大きく上回っている状況だ。リアルマネーや英銀のポンド買い観測も出
ているが、まずは方向性を見極めることが重要と思われる。
ユーロ円は、引き続きユーロ圏諸国のソブリンリスクが意識され109.20円付近で動意なく推移していたが、商いの薄いなかでアジア中銀のまとまったユーロ売りから108.550円まで下落した。その後、中東系の買いが入ると売りを吸収、また昨日売られたユーロ加盟諸国の国債が買い戻されたことなどから、リスク選好が回復し一時110.592円まで上値を伸ばした。しかしその後、NYダウの下落に伴い対主要通貨で売買圧力が拮抗、不安定な値動きとなり、最終的には前日とほぼ変わらずの109.344円で取引を終えた。
本日の展開
昨日の米地区連銀経済報告(ベージュブック)では「全地区での経済活動が改善(前回:11区、今回:12区)」と報告された。しかし「成長のペースは控えめ」とする地区が多いことから景気回復のペースに対する先行き見通し不安が強まったようで、ベージュブック発表後はNYダウは軟調に転じ、リスク選好の勢いは限定されたようだ。一方で、中国の貿易について「輸出が前年比50%程度増加」との観測が広がっていることもあり本日発表予定の中国貿易収支に注目が集まっている。結果次第では世界経済にとっても好材料となる可能性が高く、リスク選好によるドル買いの材料になる可能性もある。材料視されなければ、再度株価の値動きに連動する短期筋に振り回される方向感の乏しい展開が予想される。
ユーロはポルトガルのビナ財務国庫長官による「経済は回復してきている」、「歳入は予想以上に拡大」との発言や、ポルトガル国債が目標額を上回る金額で入札され、15億1700万ユーロの資金調達に成功したことが好材料となったようだ。しかし、ユーロ圏のソブリン危機が南欧・東欧諸国まで拡大する可能性が示唆されており、ユーロから安全な逃避先としての金を買う動きが強くなっている模様で、昨日は金価格が市場最高値を更新している。ユーロ離れの勢いは一向に収まっていないようだ。
そのような中、トリシェECB総裁の発言が伝わっており「欧州統合は長期にわたる過程」、「さらなる統合が国家の利益」、「ECBは物価の安定を確実にする手段を有する」とし、信頼回復と協調を訴えている。特に「監視と管理の強化」について言及したことは、独仏が金融規制などについて独自路線で先行していることもあり、今後欧州全体に広がるかどうかは気になるところだ。これらを踏まえると、本日発表予定のECB政策金利発表も利上げは難しいと考えられ1.00%据え置きが濃厚となっている。マーケットの注目は、既に政策金利発表に伴う声明に集まっており、手控えムードを払拭できる程の新しい内容に期待したいところ。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 91.000- 93.400
ユーロ・円 108.300-113.300
ポンド・円 131.500-136.500
【今日の主な経済指標】
06:00 NZD ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)[前週分]
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)[前週分]
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、改定値)[年率換算]
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、改定値)[前期比]
08:50 JPY 国内企業物価指数[前年同月比]
08:50 JPY 国内企業物価指数[前月比]
10:30 AUD 失業率
10:30 AUD 新規雇用者数
14:00 JPY 消費者態度指数・一般世帯
15:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値)[前月比]
15:45 FRF 鉱工業生産指数[前月比]
15:45 FRF 非農業部門雇用者・改定値[前期比]
20:00 GBP イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
20:45 EUR 欧州中央銀行(ECB)政策金利
21:30 USD 新規失業保険申請件数
21:30 USD 貿易収支
21:30 CAD 貿易収支
21:30 CAD 新築住宅価格指数[前月比]
27:00 USD 月次財政収支
≪2010年6月9日クローズ時点≫
ドル・円 : 「ブル」
ユーロ・円 : 「ブル」
ユーロ・ドル : 「ブル」
英ポンド・円 : 「ブル」
豪ドル・円 : 「ブル」
NZドル・円 : 「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
レンジ内相場が継続するなか、ポジションは若干「ブル」寄り。
米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が、米経済の成長に対し慎重ながらも楽観
的な見方を示している。また中国が5月輸出の伸びが大幅なものになるとの観測もあり、
世界的な景気回復へのセンチメントはやや回復しつつあるようだ。しかしながら欧州を取
り巻くソブリンリスクは依然として根強いものがありレンジ相場継続なら値動きの読みや
すい相場展開となるかもしれない。
ユーロ円は「ブル」
109円台には値ごろ感もあるようで、押し目買いの「ブル」だ。
ユーロ圏諸国の財政懸念についてどのような対策を打つのか、次の一手に注目が高まって
いるなか、ユーロ圏諸国の財務大臣は債務問題を抱える国に対して融資を行う資金を調達
する欧州金融安定機関(EFSF)設立の詳細について合意した。特別目的機関(SPV)で市場か
ら最大4400億ユーロを調達する。ユーロに対しては積極的な売買が手控えられるなかで現
状を打開できるか動向を注視したい。
ポンド円は「ブル」
クローズ時は「ブル」。引け近くになってベアからブルへと転換した。
英中銀金融政策委員会(MPC)が開催されるが、市場の政策金利予想は据え置きとの見方が
多い。経済状況においては4月英消費者物価指数は前年比+3.7%と伸びており、インフレ
ターゲット上限を大きく上回っている状況だ。リアルマネーや英銀のポンド買い観測も出
ているが、まずは方向性を見極めることが重要と思われる。