ムーディーズ、ギリシャを「ジャンク級」に格下げ見通し!
昨日のドル円は、週末に行われたEU財務相会合でのギリシャ支援に関する草案の公表が好感され、約1円ドル高の状況となり窓を開けてのオープンとなった。東京市場序盤は、ユーロ圏信用不安の一応の収束感から日経平均が前日比+100円超へと続伸したことで、92.85円付近へと上値を拡大する展開となったが、その後は値動きが限定され92円台半ばで方向感を探る展開が続いた。しかし、欧州勢参入後は、再び欧州の危機対応策が材料視され、ユーロを中心にクロス円が買われると、ドル円は93.50円付近へと上値を拡大した。NY時間では、ダウが一時450ドル上昇したことで、一時93.536円まで値を伸ばしたものの、ムーディーズがギリシャ債及びポルトガル債の格下げの可能性を表明すると欧州通貨を始めクロス円が下落。ドル円も上値が重い展開となり、93.273円で取引を終えた。
ユーロ円は、週末に開かれたEU緊急財務相会合でIMFを含め総額6,000億ユーロのギリシャ支援で合意する見通しとの報道が伝わり、ギリシャ支援策への期待感が高まると、119円台後半へと窓を開けて始まった。東京市場でも日経平均の堅調な推移を背景とした円売り意欲の高まりや、ECBが「約5,000億ユーロ規模の「欧州安定メカニズム」を創設し、ユーロ圏の政府債、及び民間債券を購入する」との声明を発表したことが好感され120円を超える展開となり、欧州勢参入後には欧州株高を追い風に一時122.305円まで続伸した。しかし、NY時間に入ると南欧の財政懸念には依然不透明感が残っていることや、ウェーバー独連銀総裁が国債購入のリスクを指摘したことでジリジリと値を下げ、再び120円を割れた。また、引けにかけムーディーズが今後4週間内にギリシャを「ジャンク級に格下げ」の見通しと発表したことでさらに売り圧力がかかり、欧州時間の高値からは約3円近く下落し、119.184円で取引を終えた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、週末にオバマ米大統領が「雇用統計の結果は心強い」と異例の声明を発表し、米景気の順調な回復に強い自信を示した。また、今週行われる四半期定例入札が総額で780億ドルと2007年5月以来で初めての減少となり、緩やかながらも「出口戦略」に向けて着々と進んでいる様子も伺えることから、先週急落前の水準である94円付近まで値を戻す可能性はあるだろう。しかし、ギリシャ支援は財政危機を根本的に解消する手段とはなり得ず、市場の不信感が容易に沈静化するとは考えにくい。株式市場や、欧州PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国の国債利回りなどの動向を注視しながら、警戒感を緩めずに臨みたい。
ユーロ円は、ユーロ圏緊急首脳会議では1,100億ユーロ規模のギリシャ救済策を正式に承認し、ドイツの複数の金融機関も81億ユーロの資金を提供することで合意した。しかし、一部では「支援は時間稼ぎに過ぎず、いずれデフォルトは避けられない」との見方が依然と強く、ギリシャ支援が実行後も市場の不安が沈静化するとは考えにくいだろう。先週の下落ピッチが急すぎたこともあって、短期的には買い戻されて上昇する可能性はあるものの、ギリシャの債務問題がスペインやポルトガルなど財政状況の悪化している他のユーロ圏諸国に波及するとの懸念も強いなかでは、継続的に上昇するのは難しいかも知れない。ユーロ混乱の収束、本格的な回復基調にはもう少し時間が必要と考えられる。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 92.50-94.80
ユーロ・円 117.20-120.00
ポンド・円 136.30-139.50
【今日の主な経済指標】
14:45 CHF スイスSECO消費者信頼感指数
15:00 DEM 生産者物価指数(PPI)
17:30 GBP 鉱工業生産指数
17:30 GBP 製造業生産指数
23:00 USD 卸売在庫
≪2010年5月10日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
ダウ平均が一時450ドル高となるなど株式市場は大幅反発。前週のパニック的な動きから
回復をみせたことが意識され「ブル」が優勢となった。ギリシャの財政危機が欧州全体
に広がる中、安全通貨のドルと円が買われやすい局面となり、レンジ相場も予想される
が、株高が連鎖すれば円売り安心感が高まると考えられ、米長期金利が3.54%と大幅に
上昇したこともドルのサポート要因となりそうだ。
ポンド円は「ブル」
欧州の緊急支援措置発表や、株価急反発を受けてリスク回避姿勢が後退し、「ブル」が
優勢となった。しかし、今回の選挙で過半数の議席を占める政党がなかったことから政
局の運営には暗雲が漂っている。ブラウン英首相は、労働党の党首選挙を開催すると言
明し、自身は辞任を表明した。今後の明確な政局シナリオが描かれておらず、不透明感
から短期的にはポンドを買い手控えるムードが続く可能性は高いと思われるため、深追
いには注意したい。
豪ドル円は「ブル」
EUが5,000億ユーロに及ぶ巨額の緊急支援措置を発表し、株式市場が大幅に反発したこ
とが好感され、一時84.760円まで大幅に上昇となり、参加者心理も「強気」となってい
る。しかし、先週火曜日に0.25%の追加利上げを決定した豪準備銀行理事会後の声明で
は「今回の利上げを受けて貸出金利は平均的な水準へ達した」と言及しており、利上げ
打ち止め観測も浮上していることから、豪ドルは金利面からも買い妙味が低下していお
り、注意が必要となろう。
ユーロ円は、週末に開かれたEU緊急財務相会合でIMFを含め総額6,000億ユーロのギリシャ支援で合意する見通しとの報道が伝わり、ギリシャ支援策への期待感が高まると、119円台後半へと窓を開けて始まった。東京市場でも日経平均の堅調な推移を背景とした円売り意欲の高まりや、ECBが「約5,000億ユーロ規模の「欧州安定メカニズム」を創設し、ユーロ圏の政府債、及び民間債券を購入する」との声明を発表したことが好感され120円を超える展開となり、欧州勢参入後には欧州株高を追い風に一時122.305円まで続伸した。しかし、NY時間に入ると南欧の財政懸念には依然不透明感が残っていることや、ウェーバー独連銀総裁が国債購入のリスクを指摘したことでジリジリと値を下げ、再び120円を割れた。また、引けにかけムーディーズが今後4週間内にギリシャを「ジャンク級に格下げ」の見通しと発表したことでさらに売り圧力がかかり、欧州時間の高値からは約3円近く下落し、119.184円で取引を終えた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、週末にオバマ米大統領が「雇用統計の結果は心強い」と異例の声明を発表し、米景気の順調な回復に強い自信を示した。また、今週行われる四半期定例入札が総額で780億ドルと2007年5月以来で初めての減少となり、緩やかながらも「出口戦略」に向けて着々と進んでいる様子も伺えることから、先週急落前の水準である94円付近まで値を戻す可能性はあるだろう。しかし、ギリシャ支援は財政危機を根本的に解消する手段とはなり得ず、市場の不信感が容易に沈静化するとは考えにくい。株式市場や、欧州PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国の国債利回りなどの動向を注視しながら、警戒感を緩めずに臨みたい。
ユーロ円は、ユーロ圏緊急首脳会議では1,100億ユーロ規模のギリシャ救済策を正式に承認し、ドイツの複数の金融機関も81億ユーロの資金を提供することで合意した。しかし、一部では「支援は時間稼ぎに過ぎず、いずれデフォルトは避けられない」との見方が依然と強く、ギリシャ支援が実行後も市場の不安が沈静化するとは考えにくいだろう。先週の下落ピッチが急すぎたこともあって、短期的には買い戻されて上昇する可能性はあるものの、ギリシャの債務問題がスペインやポルトガルなど財政状況の悪化している他のユーロ圏諸国に波及するとの懸念も強いなかでは、継続的に上昇するのは難しいかも知れない。ユーロ混乱の収束、本格的な回復基調にはもう少し時間が必要と考えられる。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 92.50-94.80
ユーロ・円 117.20-120.00
ポンド・円 136.30-139.50
【今日の主な経済指標】
14:45 CHF スイスSECO消費者信頼感指数
15:00 DEM 生産者物価指数(PPI)
17:30 GBP 鉱工業生産指数
17:30 GBP 製造業生産指数
23:00 USD 卸売在庫
≪2010年5月10日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
ダウ平均が一時450ドル高となるなど株式市場は大幅反発。前週のパニック的な動きから
回復をみせたことが意識され「ブル」が優勢となった。ギリシャの財政危機が欧州全体
に広がる中、安全通貨のドルと円が買われやすい局面となり、レンジ相場も予想される
が、株高が連鎖すれば円売り安心感が高まると考えられ、米長期金利が3.54%と大幅に
上昇したこともドルのサポート要因となりそうだ。
ポンド円は「ブル」
欧州の緊急支援措置発表や、株価急反発を受けてリスク回避姿勢が後退し、「ブル」が
優勢となった。しかし、今回の選挙で過半数の議席を占める政党がなかったことから政
局の運営には暗雲が漂っている。ブラウン英首相は、労働党の党首選挙を開催すると言
明し、自身は辞任を表明した。今後の明確な政局シナリオが描かれておらず、不透明感
から短期的にはポンドを買い手控えるムードが続く可能性は高いと思われるため、深追
いには注意したい。
豪ドル円は「ブル」
EUが5,000億ユーロに及ぶ巨額の緊急支援措置を発表し、株式市場が大幅に反発したこ
とが好感され、一時84.760円まで大幅に上昇となり、参加者心理も「強気」となってい
る。しかし、先週火曜日に0.25%の追加利上げを決定した豪準備銀行理事会後の声明で
は「今回の利上げを受けて貸出金利は平均的な水準へ達した」と言及しており、利上げ
打ち止め観測も浮上していることから、豪ドルは金利面からも買い妙味が低下していお
り、注意が必要となろう。