ギリシャ不安払拭しきれず! ECBの弱体化懸念され
ドル円は、日本や英国が祝日で休場していることもあり動意に欠ける値動きだったが、米国時間に発表された個人消費支出(予想:0.0%、結果:0.1%)、ISM製造業景況指数(予想:60.0、結果:60.4)・建設支出(予想:-0.3%、結果:0.2%)等が軒並み市場予想より強かったことを受けてドル買いが先行、輸出勢の売りをこなすと直近の高値である4月2日の94.689円をブレイクし、94.783円まで上昇した。米国株や長期金利が堅調だった上、貯蓄率が2008年9月来の水準である2.7%と上昇していることもリスク選好度を高めており、引けも94.667円と高水準となった。懸念材料であるギリシャに対し、週末に支援合意がなされたこともリスク選好の手掛かりとなったようだ。
ユーロ円は序盤、週末に合意されたギリシャ支援策を背景に125.232円で取引を始めたものの、決定された支援内容がある程度見込まれていたことや、依然として先行き懸念がくすぶっていることを背景に123.979円まで売られた。しかし欧州時間に入ると、欧州中央銀行(ECB)がギリシャ国債に対する「担保の最低格付規制の適用を一時的に停止する」との内容が好感されギリシャ国債が買われ、ドイツ債とギリシャ債の利回り格差は先週末と比較し50bp程縮小したが、為替に対する動きは限定的だった。その後は米国株価上昇につれ、資源国通貨買い・低金利の円売りの流れに沿って125円台を回復、結局引けは124.876円と方向感のない値動きとなった。
今日の展開
さて本日のドル円だが、昨日高値が4月2日高値をブレイクするも引けにかけては戻され、チャートパターンはダブルトップの初期段階を示現しており、直近の安値4月19日91.593円を意識されるていると思われる。だが、これで上昇トレンド終了と考えるのは短絡的と思われ、下落する局面があったとしても米国のファンダメンタルズの好調を鑑みると、もう一段上値を試す展開にも期待できそうだ。
ギリシャ動向だが、週末の欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)の合意により、ECBが全ギリシャ国債を資金供給オペの担保として受け入れると表明し、ギリシャ国債は担保の最低格付規制を一時的に免れることとなった。また、格付会社フィッチが「ギリシャ支援計画はギリシャの短期ソブリンリスクを軽減させる」、「2010年第4四半期までギリシャの格付けを変更すると予想しない」との見方を示しており、ギリシャ問題解決に向けて一歩進んだ状況と考えられる。しかし、メルケル独首相は「ギリシャ国債について、適格担保の最低条件適用緩和がECBの弱体化につながらない」と慎重な意見を崩しておらず、ムーディーズ・インベスターズ・サービスもギリシャ国債格下げの方向で検討しているとの報道も伝わっており、担保としての有効性が問題視される状況は続いている。従って、ギリシャ問題に対する市場の懸念はピークアウトしたとの見方は時期尚早と考えられ、7日のユーロ圏首脳会議での最終確認に至るまではユーロ相場は不安定な状況が続きそうだ。本日も各種報道に一喜一憂する状況も予想され、再び124円台を割り込む展開も念頭に入れておきたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 93.500- 96.000
ユーロ・円 123.500-126.300
ポンド・円 142.500-146.000
【今日の主な経済指標】
13:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
17:30 GBP 製造業購買担当者景気指数
17:30 GBP マネーサプライM4確定値
17:30 GBP 消費者信用残高
18:00 EUR 卸売物価指数
23:00 USD 住宅販売保留指数
23:00 USD 製造業新規受注
≪2010年5月3日クローズ時点≫
ドル・円 : 「ベア」
ユーロ・円 : 「ブル」
ユーロ・ドル : 「ブル」
英ポンド・円 : 「ブル」
豪ドル・円 : 「ブル」
NZドル・円 : 「ベア」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ベア」
高値圏での攻防となるも、上値の重さが確認されて「ベア」となっている。株高や利回り上昇など
ドル円のサポート要因は多く、米大手投資銀行ゴールドマン・サックスも前日比+4.30(+2.96%)で
続落は免れた。現在のところ上値トライの機運は旺盛だが、前日比+0.799(+0.85%)と積極的に買
われていることから短期的には利益確定に押される局面も想定しておきたい。
ユーロ円は「ブル」
ギリシャ問題がくすぶるも下値では断続的に買いが入り「ブル」。対ドルでは特に強い「ブル」と
なっている。発言力の強いドイツだが、5月9日に独最大の州ノルトライン=ヴェストファーレン州
(NRW)で州議会選挙を控えており、ドイツ国内の世論はギリシャ支援に慎重なスタンスで、選挙に
絡んだ与野党の駆け引きが活発化する可能性もある。メルケル独首相は、各国議会での承認待ちと
なっている欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)の合意したギリシャ救済案に対し「緊急を要する」
としており、閣議決定したギリシャ支援法案については5日に議会に法案承認を要請し7日までに議
会の承認を得たいとの考えを示すなど対応は迅速なようで、センチメントはやや回復していると言
えそうだ。
ポンド円は「ブル」
ポンドは政局不安から下値トライの局面こそみられたもののファンダメンタルズ改善がサポートし
底堅く「ブル」。英国は総選挙を5月6日に控え4月から方向感のない値動きとなっており、各社世
論調査を見てみると、いずれの党も過半数の議席を獲得できない見通しが強まっているようだ。
不透明感が増す中で積極的にポンドを買い進める状況ではないと考えられているのか様子見ムード
が漂っているが、ファンダメンタルズが更に改善傾向を示す場合は底堅い展開を予想する。
ユーロ円は序盤、週末に合意されたギリシャ支援策を背景に125.232円で取引を始めたものの、決定された支援内容がある程度見込まれていたことや、依然として先行き懸念がくすぶっていることを背景に123.979円まで売られた。しかし欧州時間に入ると、欧州中央銀行(ECB)がギリシャ国債に対する「担保の最低格付規制の適用を一時的に停止する」との内容が好感されギリシャ国債が買われ、ドイツ債とギリシャ債の利回り格差は先週末と比較し50bp程縮小したが、為替に対する動きは限定的だった。その後は米国株価上昇につれ、資源国通貨買い・低金利の円売りの流れに沿って125円台を回復、結局引けは124.876円と方向感のない値動きとなった。
今日の展開
さて本日のドル円だが、昨日高値が4月2日高値をブレイクするも引けにかけては戻され、チャートパターンはダブルトップの初期段階を示現しており、直近の安値4月19日91.593円を意識されるていると思われる。だが、これで上昇トレンド終了と考えるのは短絡的と思われ、下落する局面があったとしても米国のファンダメンタルズの好調を鑑みると、もう一段上値を試す展開にも期待できそうだ。
ギリシャ動向だが、週末の欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)の合意により、ECBが全ギリシャ国債を資金供給オペの担保として受け入れると表明し、ギリシャ国債は担保の最低格付規制を一時的に免れることとなった。また、格付会社フィッチが「ギリシャ支援計画はギリシャの短期ソブリンリスクを軽減させる」、「2010年第4四半期までギリシャの格付けを変更すると予想しない」との見方を示しており、ギリシャ問題解決に向けて一歩進んだ状況と考えられる。しかし、メルケル独首相は「ギリシャ国債について、適格担保の最低条件適用緩和がECBの弱体化につながらない」と慎重な意見を崩しておらず、ムーディーズ・インベスターズ・サービスもギリシャ国債格下げの方向で検討しているとの報道も伝わっており、担保としての有効性が問題視される状況は続いている。従って、ギリシャ問題に対する市場の懸念はピークアウトしたとの見方は時期尚早と考えられ、7日のユーロ圏首脳会議での最終確認に至るまではユーロ相場は不安定な状況が続きそうだ。本日も各種報道に一喜一憂する状況も予想され、再び124円台を割り込む展開も念頭に入れておきたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 93.500- 96.000
ユーロ・円 123.500-126.300
ポンド・円 142.500-146.000
【今日の主な経済指標】
13:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
17:30 GBP 製造業購買担当者景気指数
17:30 GBP マネーサプライM4確定値
17:30 GBP 消費者信用残高
18:00 EUR 卸売物価指数
23:00 USD 住宅販売保留指数
23:00 USD 製造業新規受注
≪2010年5月3日クローズ時点≫
ドル・円 : 「ベア」
ユーロ・円 : 「ブル」
ユーロ・ドル : 「ブル」
英ポンド・円 : 「ブル」
豪ドル・円 : 「ブル」
NZドル・円 : 「ベア」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ベア」
高値圏での攻防となるも、上値の重さが確認されて「ベア」となっている。株高や利回り上昇など
ドル円のサポート要因は多く、米大手投資銀行ゴールドマン・サックスも前日比+4.30(+2.96%)で
続落は免れた。現在のところ上値トライの機運は旺盛だが、前日比+0.799(+0.85%)と積極的に買
われていることから短期的には利益確定に押される局面も想定しておきたい。
ユーロ円は「ブル」
ギリシャ問題がくすぶるも下値では断続的に買いが入り「ブル」。対ドルでは特に強い「ブル」と
なっている。発言力の強いドイツだが、5月9日に独最大の州ノルトライン=ヴェストファーレン州
(NRW)で州議会選挙を控えており、ドイツ国内の世論はギリシャ支援に慎重なスタンスで、選挙に
絡んだ与野党の駆け引きが活発化する可能性もある。メルケル独首相は、各国議会での承認待ちと
なっている欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)の合意したギリシャ救済案に対し「緊急を要する」
としており、閣議決定したギリシャ支援法案については5日に議会に法案承認を要請し7日までに議
会の承認を得たいとの考えを示すなど対応は迅速なようで、センチメントはやや回復していると言
えそうだ。
ポンド円は「ブル」
ポンドは政局不安から下値トライの局面こそみられたもののファンダメンタルズ改善がサポートし
底堅く「ブル」。英国は総選挙を5月6日に控え4月から方向感のない値動きとなっており、各社世
論調査を見てみると、いずれの党も過半数の議席を獲得できない見通しが強まっているようだ。
不透明感が増す中で積極的にポンドを買い進める状況ではないと考えられているのか様子見ムード
が漂っているが、ファンダメンタルズが更に改善傾向を示す場合は底堅い展開を予想する。