FOMC控え、出口戦略へ期待!
金曜日のドル円は序盤、本邦輸出企業のドル売りが強まったほか、ギリシャの財政懸念を背景とした対ユーロでの円高進行につられる形で93.30円付近へ下押し。しかし、欧州市場にかけてはG20(財務相・中央銀行会議)を控えて様子見ムードが広がる中で積極的に円を買い進める展開とはならず、下値も限定的で93.40円を中心とした狭いレンジで推移した。欧州勢参加後はCNBCがFRB筋の話として「米FOMCメンバーの少なくとも6人近く、MBSなどの資産を売却することを支持」と報じたことを受け、出口戦略への期待感などから市場はドル買い優勢となり、94円台を回復。さらに、NY時間では、米国の3月新築住宅販売件数は41.1万件と市場の事前予想(32.5万件)を上回り、2009年7月以来の好数値を記録すると一時94.323円まで上値を拡大したが、その後は値を戻し93.946円で取引を終えた。
ユーロ円は、ギリシャの財政再建計画を巡る懸念が高まる中、米格付け会社ムーディーズがギリシャのソブリン格付けを「A2」から「A3」に引き下げたことを背景に、弱含みの展開。東京市場はギリシャを巡る不透明感の高まりをからユーロ売りの流れが継続する中、一時123.411円まで下落した。しかし、欧州市場に入ると欧州株が堅調推移となったことを背景にリスク回避姿勢が後退、また独IFO景気動向指数が予想を上回ったほか、ユーロ圏の鉱工業新規受注-2月も強い結果となり、買い戻しに拍車がかかり124円台を回復。その後、ギリシャのパパンドレウ首相が、ついにEU及びIMFに支援策の発動を要請するとの報道が伝えられるとユーロが急騰する展開となり、一時126.049円まで高値を更新した。引けにかけても高値圏を維持し125.639円で取引を終えた。
今週の展開
さて今週のドル円だが、今週火・水曜日のFOMCを控え、タカ派的なメンバーが増えてきている部分で、声明の内容に強気なトーンが見えてくるかが大きな焦点となる。4月24日の米新築住宅販売件数が予想を大幅に上回った事で、低金利政策の時間軸「長期間」の文言に対する期待感が高まる可能性も考えられ、ドル買いを下支えする展開も予想される。また、テクニカル的にも93円台後半のレジスタンスを上抜けたことで上昇トレンド再開との見方もでき、年初来高値の94.689円も視野に入ってきたと考えられる。しかし、本邦は今週からGWに突入。過去円高局面においては、本邦不在時は海外勢の仕掛け的な円買いが入りやすく、注意が必要となるだろう。
ユーロ円は、ギリシャがEU及びIMFに支援を要請した事で、ユーロに付随する目先のリスクが大きく後退した。ただし、これはギリシャ支援における入り口に過ぎないとの考え方が強い。ドイツ国内ではギリシャ支援に反対する世論が優勢で、実際に資金を入手出来る時期が現時点では不透明。また、ウェーバー独連銀総裁は「ギリシャ危機が伝染するリスクある」と述べており、ポルトガル、スペインにも波及するとの懸念が根強い。今回の支援要請は、ユーロにとって短期的には好要因だが、長期的には必ずしもユーロ上昇要因とは言えず、引続き警戒は怠れないだろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 92.00-96.00
ユーロ・円 121.00-128.00
ポンド・円 142.00-150.00
【今週の主な経済指標】
4/26
08:50 JPY 企業向けサービス価格指数
4/27
10:30 AUD 四半期卸売物価指数
15:00 DEM GFK消費者信頼感調査
15:45 FRF 消費者信頼感指数
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
23:00 USD リッチモンド連銀製造業指数
23:00 USD 消費者信頼感指数
4/28
08:50 JPY 大型小売店(既存店)販売額
08:50 JPY 小売業販売額[前年同月比]
09:30 AUD 四半期消費者物価42.5
18:30 ZAR 消費者物価指数
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
4/29
03:15 USD 米連邦公開市場委員会(FOMC)、
06:00 NZD ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利
07:45 NZD 貿易収支
16:55 DEM 失業率
17:00 EUR マネーサプライM3-15
18:30 ZAR 卸売物価指数(PPI)
21:30 USD 新規失業保険申請件数
4/30
07:45 NZD 貿易収支
08:01 GBP GFK消費者信頼感調査
08:30 JPY 全世帯家計調査・消費支出
08:30 JPY 全国消費者物価指数
08:30 JPY 東京都区部消費者物価指数
08:30 JPY 有効求人倍率
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況
08:50 JPY 鉱工業生産・速報値
10:30 JPY 毎月勤労統計調査-現金給与総額
14:00 JPY 新設住宅着工戸数
15:00 ZAR マネーサプライM3
15:45 FRF 非農業部門雇用者・速報値
15:45 FRF 卸売物価指数(PPI)
18:00 EUR 消費者物価指数
18:00 EUR 失業率
18:30 CHF KOF景気先行指数
21:00 ZAR 貿易収支
21:30 USD 四半期実質国内総生産
21:30 CAD 月次国内総生産
21:30 CAD 原料価格指数
21:30 CAD 鉱工業製品価格
22:45 USD シカゴ購買部協会景気指数
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数
≪2010年4月23日クローズ時点≫
ドル・円 :「ベア」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ベア」
好調な米経済指標や出口戦略への期待感などから94円台を示現。週末のG20を控えポジションを
調整し始めていた参加者も多く、利益確定の売りが目立ち「ベア」。株価面からは、先週米国
企業の良好な決算が続いたが、今週は本邦でも決算発表ラッシュがスタートする。出遅れ感が
強い日経平均株価が、出遅れを修正出来るかが焦点となろう。
ポンド円は「ブル」
5連騰のポンドは「ブル」優勢。英総選挙を前にした政局への不透明感は燻っているものの、強
い雇用指標など、英国経済の改善が徐々に鮮明となる中にあっては下値も限定的となる公算も
少なくない。また、ギリシャの不透明感がユーロの売り材料となっており、ユーロからポンド
にシフトする動きを加速させる可能性があり、引き続き底堅い動きとなろうか。
豪ドル円は「ブル」
スティーブンス豪準備銀行総裁が「金利は平均値にかなり近い」などと発言したことを受けて、
豪金利先高観が後退。下落する局面では押目買いが散見し「ブル」となっている。スティーブン
スRBA総裁の発言を受けた豪政策金利の追加利上げ観測の後退が、高利回り資産への需要を減退
させており、目先は買い優勢の展開も一服となるかも知れない。
ユーロ円は、ギリシャの財政再建計画を巡る懸念が高まる中、米格付け会社ムーディーズがギリシャのソブリン格付けを「A2」から「A3」に引き下げたことを背景に、弱含みの展開。東京市場はギリシャを巡る不透明感の高まりをからユーロ売りの流れが継続する中、一時123.411円まで下落した。しかし、欧州市場に入ると欧州株が堅調推移となったことを背景にリスク回避姿勢が後退、また独IFO景気動向指数が予想を上回ったほか、ユーロ圏の鉱工業新規受注-2月も強い結果となり、買い戻しに拍車がかかり124円台を回復。その後、ギリシャのパパンドレウ首相が、ついにEU及びIMFに支援策の発動を要請するとの報道が伝えられるとユーロが急騰する展開となり、一時126.049円まで高値を更新した。引けにかけても高値圏を維持し125.639円で取引を終えた。
今週の展開
さて今週のドル円だが、今週火・水曜日のFOMCを控え、タカ派的なメンバーが増えてきている部分で、声明の内容に強気なトーンが見えてくるかが大きな焦点となる。4月24日の米新築住宅販売件数が予想を大幅に上回った事で、低金利政策の時間軸「長期間」の文言に対する期待感が高まる可能性も考えられ、ドル買いを下支えする展開も予想される。また、テクニカル的にも93円台後半のレジスタンスを上抜けたことで上昇トレンド再開との見方もでき、年初来高値の94.689円も視野に入ってきたと考えられる。しかし、本邦は今週からGWに突入。過去円高局面においては、本邦不在時は海外勢の仕掛け的な円買いが入りやすく、注意が必要となるだろう。
ユーロ円は、ギリシャがEU及びIMFに支援を要請した事で、ユーロに付随する目先のリスクが大きく後退した。ただし、これはギリシャ支援における入り口に過ぎないとの考え方が強い。ドイツ国内ではギリシャ支援に反対する世論が優勢で、実際に資金を入手出来る時期が現時点では不透明。また、ウェーバー独連銀総裁は「ギリシャ危機が伝染するリスクある」と述べており、ポルトガル、スペインにも波及するとの懸念が根強い。今回の支援要請は、ユーロにとって短期的には好要因だが、長期的には必ずしもユーロ上昇要因とは言えず、引続き警戒は怠れないだろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 92.00-96.00
ユーロ・円 121.00-128.00
ポンド・円 142.00-150.00
【今週の主な経済指標】
4/26
08:50 JPY 企業向けサービス価格指数
4/27
10:30 AUD 四半期卸売物価指数
15:00 DEM GFK消費者信頼感調査
15:45 FRF 消費者信頼感指数
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
23:00 USD リッチモンド連銀製造業指数
23:00 USD 消費者信頼感指数
4/28
08:50 JPY 大型小売店(既存店)販売額
08:50 JPY 小売業販売額[前年同月比]
09:30 AUD 四半期消費者物価42.5
18:30 ZAR 消費者物価指数
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
4/29
03:15 USD 米連邦公開市場委員会(FOMC)、
06:00 NZD ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利
07:45 NZD 貿易収支
16:55 DEM 失業率
17:00 EUR マネーサプライM3-15
18:30 ZAR 卸売物価指数(PPI)
21:30 USD 新規失業保険申請件数
4/30
07:45 NZD 貿易収支
08:01 GBP GFK消費者信頼感調査
08:30 JPY 全世帯家計調査・消費支出
08:30 JPY 全国消費者物価指数
08:30 JPY 東京都区部消費者物価指数
08:30 JPY 有効求人倍率
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況
08:50 JPY 鉱工業生産・速報値
10:30 JPY 毎月勤労統計調査-現金給与総額
14:00 JPY 新設住宅着工戸数
15:00 ZAR マネーサプライM3
15:45 FRF 非農業部門雇用者・速報値
15:45 FRF 卸売物価指数(PPI)
18:00 EUR 消費者物価指数
18:00 EUR 失業率
18:30 CHF KOF景気先行指数
21:00 ZAR 貿易収支
21:30 USD 四半期実質国内総生産
21:30 CAD 月次国内総生産
21:30 CAD 原料価格指数
21:30 CAD 鉱工業製品価格
22:45 USD シカゴ購買部協会景気指数
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数
≪2010年4月23日クローズ時点≫
ドル・円 :「ベア」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ベア」
好調な米経済指標や出口戦略への期待感などから94円台を示現。週末のG20を控えポジションを
調整し始めていた参加者も多く、利益確定の売りが目立ち「ベア」。株価面からは、先週米国
企業の良好な決算が続いたが、今週は本邦でも決算発表ラッシュがスタートする。出遅れ感が
強い日経平均株価が、出遅れを修正出来るかが焦点となろう。
ポンド円は「ブル」
5連騰のポンドは「ブル」優勢。英総選挙を前にした政局への不透明感は燻っているものの、強
い雇用指標など、英国経済の改善が徐々に鮮明となる中にあっては下値も限定的となる公算も
少なくない。また、ギリシャの不透明感がユーロの売り材料となっており、ユーロからポンド
にシフトする動きを加速させる可能性があり、引き続き底堅い動きとなろうか。
豪ドル円は「ブル」
スティーブンス豪準備銀行総裁が「金利は平均値にかなり近い」などと発言したことを受けて、
豪金利先高観が後退。下落する局面では押目買いが散見し「ブル」となっている。スティーブン
スRBA総裁の発言を受けた豪政策金利の追加利上げ観測の後退が、高利回り資産への需要を減退
させており、目先は買い優勢の展開も一服となるかも知れない。