ギリシャ支援、3.8兆円で合意! 財政懸念は一先ず後退か!?
昨日のドル円は、序盤米国の主要経済指標もない中、小幅な値動きで推移しながら一時93円割れの場面もみられたが、欧州勢参入後は、ギリシャ財政懸念の後退を背景にドルが買われ、高値93.607円まで一時上昇した。しかしNY時間に入ると、人民元切り上げを巡る観測などから利益確定売りの流れとなり、ドル円は93.258円で引けた。
ユーロ円は、週末のギリシャ支援策の詳細合意を背景にソブリンリスクが後退。先週末4月9日の終値である125.802円から約1円以上高い126.864円で始まり、127.456円まで一時上昇した。欧州・NY時間に入ると、欧州株やNYダウ先物の上昇幅が縮小したことからじり安の展開となり、ユーロ円は126.716円で引けた。EUが最大300億ユーロ規模のギリシャ支援策で合意したことを受け、資金繰りを巡る懸念はひとまず後退した格好だが、市場は事前に進んでいたユーロ買いの反動も見られ、ポジション調整主体の動きとなった。
本日の展開
ギリシャ財政支援について、ユーロ加盟諸国は11日緊急会議を開催したが合意内容は、同国の要請があった場合にユーロ圏各国が2国間融資の形で資金を供与すること、金額は初年度に最大300億ユーロ(約3.8兆円)とすることで、金利は実勢より低い年利5%程度、融資期間は3年となっている。本合意により、同国のデフォルト(債務不履行)懸念はひとまず後退しておりトリシェECB総裁も、この合意について「実行可能」とポジティブに評価している。市場では好感され、素直にユーロ買いで反応を示しているものの、現在までのところギリシャは支援要請を行うにはいたっておらず、会議後の声明では「国際通貨基金(IMF)と調整に入る」としていることから依然慎重論も根強いことは念頭に置いておきたい。加えてドイツ政府筋が、ギリシャ支援は首脳会談での合意が必要、ギリシャ支援で追加状況が付与される可能性を排除しないなど、ギリシャ支援の実施に依然として含みを持たせる立場をとっていることも不安材料となっているため、現時点ではポジションを傾けづらい状況と考えられる。
また、米国株式市場にも目を配りたい。米国では1-3月期の米企業決算が本格化してくる中、金融機関においての業績が依然として警戒されていることから、今週発表のJPモルガンチェースの決算などは特に注目される。ハイテクやリソースなどのセクターは特に期待感も高く、リスク選好が進めば為替市場で円安の動きも想定される。特に資源国通貨では素直な値動きが期待されるが、アジア時間に伝わったデベル豪準備銀(RBA)総裁補佐の「低金利を必要とする状況は終わった」、「政策金利は平均水準へと戻りつつある」とのコメントを背景に豪ドルが対円で軟調に展開していることから注意を払いたい。次回利上げ期待がやや後退してきているため、やや上値の重い展開を強いられる可能性も否定できない。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 92.500- 94.000
ユーロ・円 126.300-127.900
ポンド・円 143.000-146.800
【本日の主な経済指標】
08:01 GBP 英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格指数
08:01 GBP 英小売連合(BRC)小売売上高調査[前年同月比]
08:50 JPY 国内企業物価指数[前年同月比]
08:50 JPY 国内企業物価指数[前月比]
10:30 AUD NAB企業景況感指数
15:00 DEM 卸売物価指数(WPI)[前月比]
15:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値)[前月比]
15:45 FRF 消費者物価指数(CPI)[前月比]
15:45 FRF 経常収支
17:30 GBP 貿易収支
21:30 USD 輸入物価指数[前月比]
21:30 USD 貿易収支
21:30 CAD 貿易収支
21:30 CAD 新築住宅価格指数[前月比]
≪2010年4月12日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米国主要企業の決算発表への期待感から「ブル」を選択。日本やユーロ圏などと比較すると、
米国のファンダメンタルズは良好で先行き期待感は強い。決算の結果次第では出口戦略が早ま
る可能性もあり、14日予定のバーナンキFRB議長の議会証言にも注目だ。しかし人民元の切り
上げ観測がくすぶり続けていることや、米中首脳会談も控えていることから、ドル売り圧力も
働いておりドルの底堅さが試される展開があるかもしれない。
ユーロ円は「ブル」
ギリシャに対する300億ユーロの緊急支援計画で合意したことが好感され「ブル」、ユーロド
ルはほぼ1ヶ月ぶり水準まで上昇してきている。しかし格付け会社フィッチが先週9日、ギリシ
ャの格付けを「BBB+」から「BBB-」に引き下げ、同アナリストが12日、ギリシャの財政再建策
が継続するか懸念しているとの見解を示したことがユーロ相場の重しとなっているようで、懸
念が払拭されたと見るにはまだ時期尚早だろうか。
ポンド円は「ブル」
欧州のソブリンリスク後退を背景に「ブル」となっている。昨日ブラウン英首相は下院を解散、
5月6日に向けての選挙戦が始まった。本日には財政再建に積極的とされる野党・保守党がマニ
フェストを発表する。直近の世論調査では野党・保守党が与党・労働党の支持を上回っている
ようだが、議会での単独過半数獲得は困難とみられているようだ。選挙期間中は方向感を見出
しにくい状況と考えられ、マーケットは様子見ムードが広がることも予想される。
ユーロ円は、週末のギリシャ支援策の詳細合意を背景にソブリンリスクが後退。先週末4月9日の終値である125.802円から約1円以上高い126.864円で始まり、127.456円まで一時上昇した。欧州・NY時間に入ると、欧州株やNYダウ先物の上昇幅が縮小したことからじり安の展開となり、ユーロ円は126.716円で引けた。EUが最大300億ユーロ規模のギリシャ支援策で合意したことを受け、資金繰りを巡る懸念はひとまず後退した格好だが、市場は事前に進んでいたユーロ買いの反動も見られ、ポジション調整主体の動きとなった。
本日の展開
ギリシャ財政支援について、ユーロ加盟諸国は11日緊急会議を開催したが合意内容は、同国の要請があった場合にユーロ圏各国が2国間融資の形で資金を供与すること、金額は初年度に最大300億ユーロ(約3.8兆円)とすることで、金利は実勢より低い年利5%程度、融資期間は3年となっている。本合意により、同国のデフォルト(債務不履行)懸念はひとまず後退しておりトリシェECB総裁も、この合意について「実行可能」とポジティブに評価している。市場では好感され、素直にユーロ買いで反応を示しているものの、現在までのところギリシャは支援要請を行うにはいたっておらず、会議後の声明では「国際通貨基金(IMF)と調整に入る」としていることから依然慎重論も根強いことは念頭に置いておきたい。加えてドイツ政府筋が、ギリシャ支援は首脳会談での合意が必要、ギリシャ支援で追加状況が付与される可能性を排除しないなど、ギリシャ支援の実施に依然として含みを持たせる立場をとっていることも不安材料となっているため、現時点ではポジションを傾けづらい状況と考えられる。
また、米国株式市場にも目を配りたい。米国では1-3月期の米企業決算が本格化してくる中、金融機関においての業績が依然として警戒されていることから、今週発表のJPモルガンチェースの決算などは特に注目される。ハイテクやリソースなどのセクターは特に期待感も高く、リスク選好が進めば為替市場で円安の動きも想定される。特に資源国通貨では素直な値動きが期待されるが、アジア時間に伝わったデベル豪準備銀(RBA)総裁補佐の「低金利を必要とする状況は終わった」、「政策金利は平均水準へと戻りつつある」とのコメントを背景に豪ドルが対円で軟調に展開していることから注意を払いたい。次回利上げ期待がやや後退してきているため、やや上値の重い展開を強いられる可能性も否定できない。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 92.500- 94.000
ユーロ・円 126.300-127.900
ポンド・円 143.000-146.800
【本日の主な経済指標】
08:01 GBP 英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格指数
08:01 GBP 英小売連合(BRC)小売売上高調査[前年同月比]
08:50 JPY 国内企業物価指数[前年同月比]
08:50 JPY 国内企業物価指数[前月比]
10:30 AUD NAB企業景況感指数
15:00 DEM 卸売物価指数(WPI)[前月比]
15:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値)[前月比]
15:45 FRF 消費者物価指数(CPI)[前月比]
15:45 FRF 経常収支
17:30 GBP 貿易収支
21:30 USD 輸入物価指数[前月比]
21:30 USD 貿易収支
21:30 CAD 貿易収支
21:30 CAD 新築住宅価格指数[前月比]
≪2010年4月12日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米国主要企業の決算発表への期待感から「ブル」を選択。日本やユーロ圏などと比較すると、
米国のファンダメンタルズは良好で先行き期待感は強い。決算の結果次第では出口戦略が早ま
る可能性もあり、14日予定のバーナンキFRB議長の議会証言にも注目だ。しかし人民元の切り
上げ観測がくすぶり続けていることや、米中首脳会談も控えていることから、ドル売り圧力も
働いておりドルの底堅さが試される展開があるかもしれない。
ユーロ円は「ブル」
ギリシャに対する300億ユーロの緊急支援計画で合意したことが好感され「ブル」、ユーロド
ルはほぼ1ヶ月ぶり水準まで上昇してきている。しかし格付け会社フィッチが先週9日、ギリシ
ャの格付けを「BBB+」から「BBB-」に引き下げ、同アナリストが12日、ギリシャの財政再建策
が継続するか懸念しているとの見解を示したことがユーロ相場の重しとなっているようで、懸
念が払拭されたと見るにはまだ時期尚早だろうか。
ポンド円は「ブル」
欧州のソブリンリスク後退を背景に「ブル」となっている。昨日ブラウン英首相は下院を解散、
5月6日に向けての選挙戦が始まった。本日には財政再建に積極的とされる野党・保守党がマニ
フェストを発表する。直近の世論調査では野党・保守党が与党・労働党の支持を上回っている
ようだが、議会での単独過半数獲得は困難とみられているようだ。選挙期間中は方向感を見出
しにくい状況と考えられ、マーケットは様子見ムードが広がることも予想される。