クレジットデフォルトスワップに規制か!
昨日のドル円は東京市場序盤、日本の1月機械受注が前月比-3.7%と予想の同-3.5%を小幅に下回ったものの、市場での反応は限定され90円を挟んでのレンジ相場となった。しかし、欧州市場序盤に発表された独貿易収支が大幅悪化を示したことに加えて、ブラウン英首相が国内景気見通しに対して悲観的な見解を示したことからドルが欧州通貨に対して買われる展開となると、つられてドル円も堅調に推移。その後もNY時間では関係筋の話として「日銀は来週、金融政策の緩和に傾いているがすでに決まったわけではない」と述べたことで、次回会合で日銀が金融緩和をおこなう可能性が意識されたことで円が売られ、5日の雇用統計後の高値90.586円を上抜けし一時90.819円まで上値を拡大した。しかし、引けにかけては上値が抑えられ90.498円で取引を終えた。
ユーロ円は序盤、アジア株式市場が方向感に乏しい値動きとなるなど手掛かり難となる中、122.40円前後で一進一退の動きとなった。欧州勢参入後は欧州の債務問題を巡る懸念がくすぶる中、ユーロ売りが優勢となり、一時121.876円へと下落したものの、売り一巡後はショートカバーが優勢となったことから122.50円付近へと反発。その後もギリシャが順調に財政赤字削減が進んでいると欧州連合(EU)に報告したことや、来週日銀の追加金融緩和策が決定されるとの思惑、堅調な株価を受けて円売りの展開となった。また、ポルトガルの国債入札が好調だったことで、同国の金利が低下するとの思惑から格下げ懸念が幾分和らぎ、リスク選好の展開となり一時124円を示現。123.567円で取引を終えた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、前日は日銀の追加金融緩和観測に対する円売り意欲にサポートされ91円近辺まで上昇したが、90円台後半では行使価格となるオプションが大量に満期を迎えるとの観測や、本邦実需筋による売りも控えており上値が重くなっている。また、中国の利上げ観測や米国債保有問題に絡む思惑がドルの上値も抑える可能性も捨てきれず、91円を突破していくには更なるインパクトが必要と考えられる。市場では早くも来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合に関心が向きつつあるが、昨日高値90.819円を上抜けし、意識されている91円をブレイクしてくるようであれば、2月19日高値91.576円を試す展開となるか。
ユーロ円は、欧州通貨基金(EMF)構想について、ウェーバー独連銀総裁など独金融当局者から否定的な見解も伝わっており、ギリシャ支援問題についても予断を許さない状況が続いていることから、当面は欧州債務問題を巡る報道に一喜一憂する展開となる可能性が高いと言えよう。しかし、ギリシャ問題で表面化したデリバティブ商品のCDS(クレジットデフォルトスワップ)に規制論が浮上。ヘッジファンドなどがギリシャ国債のCDSで財政悪化を見込んだ取引を展開、市場関係者が警戒したことで政府が資金調達する国債市場からのマネー流出を招いたことが原因とされている。今回EUが投機目的でのソブリンCDSの取引禁止を検討する方針を示しており、オバマ米大統領も理解を示したとされることから、CDS空売り・ユーロ売りというヘッジファンド勢の相関トレードが巻き戻される可能性が高まってきた。CDSが縮小した場合は、ギリシャも市場からの資金調達が可能となって、金融支援が不要となるとの見方が浮上すれば、ユーロの下落トレンドに歯止めがかかるかも知れない。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 89.50-91.20
ユーロ・円 122.00-125.00
ポンド・円 134.00-136.50
【今日の主な経済指標】
16:45(仏) 1月財政収支
22:00(スイス) スイス中銀四半期金融政策評価(政策金利)
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数
22:30(米) 1月貿易収支
22:30(加) 第4四半期設備稼働率
22:30(加) 1月貿易収支
≪2010年3月10日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米株高などを背景にドルが買い進まれ、円は一時90.819円まで上昇し2月23日以来約2週間
ぶり高値を更新。参加者は90円後半付近で逆張りの売りが散見され売り買いが拮抗したも
のの、僅かに「ブル」が優勢となった。昨日発表された中国の経済指標が強い内容だった
ことから人民元の切り上げ観測が一部で高まっており、ドルの重石となる可能性は高く、
本日も複数発表される中国の経済指標の結果には注視したい。
ポンド円は「ブル」
英国の格下げが示唆された発言に端を発した売り圧力は依然健在であり、非常に脆弱な状
況が続いている。また、テクニカル面では昨日安値133.911円を割り込んだ場合、3月4日
の安値132.587円まで下落する可能性があるため注意が必要。しかし、ポンドは2月から既
に対ユーロで約5%、対ドルは約8%、対円では10%下落しており、こうした通貨安が英経
済を下支えし、以降の経済指標の好転に寄与するといった展開も考えられる。
豪ドル円は「ブル」
2月の中国輸出が前年比+45.7%と予想(+38.3%)以上に伸びたことで、世界経済が回復
しつつあると受け止められ、参加者のリスク選好姿勢が強まったことで「ブル」。豪州は
景気指標が堅調で来月利上げの可能性も高まっており、金利面からは買いが入りやすい状
況にあろう。また、本日発表される豪失業率&新規雇用者数が上振れすればさらに底堅い
推移が予測される。
ユーロ円は序盤、アジア株式市場が方向感に乏しい値動きとなるなど手掛かり難となる中、122.40円前後で一進一退の動きとなった。欧州勢参入後は欧州の債務問題を巡る懸念がくすぶる中、ユーロ売りが優勢となり、一時121.876円へと下落したものの、売り一巡後はショートカバーが優勢となったことから122.50円付近へと反発。その後もギリシャが順調に財政赤字削減が進んでいると欧州連合(EU)に報告したことや、来週日銀の追加金融緩和策が決定されるとの思惑、堅調な株価を受けて円売りの展開となった。また、ポルトガルの国債入札が好調だったことで、同国の金利が低下するとの思惑から格下げ懸念が幾分和らぎ、リスク選好の展開となり一時124円を示現。123.567円で取引を終えた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、前日は日銀の追加金融緩和観測に対する円売り意欲にサポートされ91円近辺まで上昇したが、90円台後半では行使価格となるオプションが大量に満期を迎えるとの観測や、本邦実需筋による売りも控えており上値が重くなっている。また、中国の利上げ観測や米国債保有問題に絡む思惑がドルの上値も抑える可能性も捨てきれず、91円を突破していくには更なるインパクトが必要と考えられる。市場では早くも来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合に関心が向きつつあるが、昨日高値90.819円を上抜けし、意識されている91円をブレイクしてくるようであれば、2月19日高値91.576円を試す展開となるか。
ユーロ円は、欧州通貨基金(EMF)構想について、ウェーバー独連銀総裁など独金融当局者から否定的な見解も伝わっており、ギリシャ支援問題についても予断を許さない状況が続いていることから、当面は欧州債務問題を巡る報道に一喜一憂する展開となる可能性が高いと言えよう。しかし、ギリシャ問題で表面化したデリバティブ商品のCDS(クレジットデフォルトスワップ)に規制論が浮上。ヘッジファンドなどがギリシャ国債のCDSで財政悪化を見込んだ取引を展開、市場関係者が警戒したことで政府が資金調達する国債市場からのマネー流出を招いたことが原因とされている。今回EUが投機目的でのソブリンCDSの取引禁止を検討する方針を示しており、オバマ米大統領も理解を示したとされることから、CDS空売り・ユーロ売りというヘッジファンド勢の相関トレードが巻き戻される可能性が高まってきた。CDSが縮小した場合は、ギリシャも市場からの資金調達が可能となって、金融支援が不要となるとの見方が浮上すれば、ユーロの下落トレンドに歯止めがかかるかも知れない。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 89.50-91.20
ユーロ・円 122.00-125.00
ポンド・円 134.00-136.50
【今日の主な経済指標】
16:45(仏) 1月財政収支
22:00(スイス) スイス中銀四半期金融政策評価(政策金利)
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数
22:30(米) 1月貿易収支
22:30(加) 第4四半期設備稼働率
22:30(加) 1月貿易収支
≪2010年3月10日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米株高などを背景にドルが買い進まれ、円は一時90.819円まで上昇し2月23日以来約2週間
ぶり高値を更新。参加者は90円後半付近で逆張りの売りが散見され売り買いが拮抗したも
のの、僅かに「ブル」が優勢となった。昨日発表された中国の経済指標が強い内容だった
ことから人民元の切り上げ観測が一部で高まっており、ドルの重石となる可能性は高く、
本日も複数発表される中国の経済指標の結果には注視したい。
ポンド円は「ブル」
英国の格下げが示唆された発言に端を発した売り圧力は依然健在であり、非常に脆弱な状
況が続いている。また、テクニカル面では昨日安値133.911円を割り込んだ場合、3月4日
の安値132.587円まで下落する可能性があるため注意が必要。しかし、ポンドは2月から既
に対ユーロで約5%、対ドルは約8%、対円では10%下落しており、こうした通貨安が英経
済を下支えし、以降の経済指標の好転に寄与するといった展開も考えられる。
豪ドル円は「ブル」
2月の中国輸出が前年比+45.7%と予想(+38.3%)以上に伸びたことで、世界経済が回復
しつつあると受け止められ、参加者のリスク選好姿勢が強まったことで「ブル」。豪州は
景気指標が堅調で来月利上げの可能性も高まっており、金利面からは買いが入りやすい状
況にあろう。また、本日発表される豪失業率&新規雇用者数が上振れすればさらに底堅い
推移が予測される。