下降トレンド継続中!米雇用統計を控え、トレンド転換となるか?
ドル円は序盤、一昨日のニューヨーク時間に急落した反動から徐々に買い戻され89.499円まで上昇した。しかし、その後は新規材料に欠け89.15~89.45円の狭いレンジ内で小動きとなった。ニューヨーク時間に入ると米経済指標が次々と発表され、米四半期GDP・シカゴ購買部協会景気指数が事前予想を上回り一時的に上昇する場面もみられたが、その後発表された中古住宅販売件数が事前予想550万件に対し、結果は505万件と予想を大きく下回った事で下落に転じ、この日の安値となる88.741円をマークした。その後は89円まで戻すも上値は重く、引けにかけて値を崩し88.866円で取引を終えた。
ポンド円は、日本時間の朝方に発表されたGFK消費者信頼感調査が事前予想[-17]に対し、結果は[-14]と下落幅を縮小した事を受けて上昇、日本時間は堅調に推移した。しかし、ロンドン時間に発表された英ネーションワイド住宅価格や、英四半期GDPが事前予想を下回ったことで値を崩し、ニューヨーク時間においても下値を試す展開となり134.646円まで下落。今週5営業日連続での下落となり下落幅は約6円強、下降トレンドの終わりが見えないまま135.487円で週末クローズとなった。
今週の展開
今週のドル円は、目先は2月19日深夜1時につけた高値92.145円から始まっている下降トレンドがどこまで継続するかがポイントとなりそう。トレンドに沿って下値模索となった場合の目標としては2月4日直近安値88.556円、2009年12月9日安値87.364円が意識される水準か。バーナンキFRB議長の議会証言も終わり、低金利長期化の見通しに変化はないと思われ、当面は米経済指標の結果次第で値が振れる展開が予想される。また、先週の米指標発表後の動きを見ると、結果が予想を上回った場合でもドル買いは長くは続かず、反対に予想を下回った時の方が後に引きずる傾向となる事から、市場の米景気先行き不安感が高まっているように思える。週末の米雇用統計が一番の注目イベントとなるが、このまま市場の弱気なセンチメントが回復しない場合、前述の下値目標を下抜け2009年11月27日安値84.81円を意識した展開も考えられる。
ユーロ円は、ギリシャをはじめ、スペイン・ポルトガルといった財政基盤の弱い国を発信源としたネガティブな材料が相次いでおり、先行き不透明感が払拭できずにいる。先週末には「ドイツ政府が政府系金融機関を通してギリシャ債を購入している」といった報道もあったが、公式な見解としては未だ具体策は発表されていない。4月・5月に大規模なギリシャ債の償還を迎えるにあたり、3月には資金調達のための国債発行が予想されているため、ギリシャへの支援を表明している欧州連合の動きに注目が集まりそうだ。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 80.50-90.50
ユーロ・円 118.00-123.00
ポンド・円 131.50-138.00
【今週の主な経済指標】
03/01
17:30(スイス) 2月PMI
17:50(仏) 2月ロイター製造業PMI
17:55(独) 2月ロイター製造業PMI
18:00(ユーロ) 1月小売売上高
18:30(英) 1月消費者信用残高
18:30(英) 2月ロイター製造業PMI
19:00(ユーロ) 1月失業率
22:30(米) 1月個人消費支出価格コア指数
22:30(米) 1月個人消費支出価格指数
22:30(米) 1月個人所得
22:30(加) 12月GDP
22:30(加) 第4四半期GDP
22:30(加) 1月原材料価格
23:45(米) ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁講演
24:00(米) 2月ISM非製造業景気指数
24:00(米) 1月建設支出
03/02
08:30(日) 1月有効求人倍率
08:30(日) 1月失業率
09:30(豪) 1月小売売上高
09:30(豪) 1月住宅建設許可
15:45(スイス) 第4四半期GDP
16:00(独) 1月輸入物価指数
19:00(ユーロ) 1月生産者物価指数
19:00(ユーロ) 2月消費者物価指数(速報値)
21:45(米) 週間チェーンストア売上高
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
23:00(加) 加中銀金融政策委員会(政策金利)
28:00(米) コチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁講演
03/03
09:30(豪) 第4四半期GDP
17:50(仏) 2月ロイター非製造業PMI
17:55(独) 2月ロイター非製造業PMI
18:00(ユーロ) 2月ロイター非製造業PMI
18:30(英) 2月ロイター非製造業PMI
19:00(ユーロ) 1月小売売上高
21:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数
22:00(米) ローゼングレン米ボストン地区連銀総裁講演
22:15(米) 2月ADP全米雇用報告
24:00(米) 2月ISM非製造業景気指数
27:00(米) ロックハート米アトランタ地区連銀総裁講演
28:00(米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
03/04
08:50(日) 第4四半期法人企業統計(設備投資)
16:45(仏) 第4四半期失業率
19:00(ユーロ) 第4四半期GDP(改定値)
21:00(英) 英中銀金融政策決定会合(政策金利)
21:45(ユーロ) ECB理事会(政策金利)
22:30(ユーロ) トリシェECB総裁記者会見
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数
22:30(米) 第4四半期雇用コスト指数
22:30(米) 第4四半期非農業部門労働生産性指数(改定値)
22:30(加) 1月住宅建設許可件数
24:00(米) 1月製造業新規受注
24:00(加) 2月IVEY購買部協会景気指数
24:15(米) ブラード米セントルイス地区連銀総裁講演
27:00(米) エバンズ米シカゴ地区連銀総裁講演
03/05
18:30(英) 2月生産者物価コア指数
18:30(英) 2月生産者物価指数
20:00(独) 1月製造業受注
22:30(米) 2月雇用統計/平均時間給
22:30(米) 2月雇用統計/非農業部門雇用者数
22:30(米) 2月雇用統計/失業率
27:00(米) 1月消費者信用残高
≪2010年2月26日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
ドル円は弱い米経済指標結果を受けて88円台へ突入。25日(木)に90円を割れてきたところで参
加者は値頃感からロングポジションを選択、「ブル」が徐々に増加傾向となり、89円台を割る
と「ブル」の勢いはさらに加速、約80%が「ブル」のポジションとなった。先週末の終値も88
.866円と年初来安値の88.556円へ迫る勢いではあるが、値頃感でロングを保有すると88.50円
近辺を割り込んだ場合、損切りや新規ショート等、売りが売りを呼ぶ展開となる可能性もある
ので注意が必要だ。
ユーロ円は「ブル」
25日に120円の大台を一時割り込む場面もみられたが、金曜日は120円台を回復し121.649円まで
上昇した。終値は120.950円と、まだまだ買い時と見るや参加者は「ブル」を選択。ドル円同様
約80%が「ブル」のポジションとなった。また一部報道でドイツによるギリシャ国債買い入れ
の救援策が報道されたが、ギリシャ格下げ懸念など不安要素は払拭されず、依然としてユーロ
圏の不安定な状況に変わりはない。
豪ドル円は「ブル」
他通貨に連れて値を崩し、心理的な節目である80円を割り込んだままではあるが、3月2日の利上
げ期待もあり、参加者は「ブル」を選択。2月の会合では市場の利上げ予想に反して金利を据え
置いた際には、失望感から急落となったが、果たして今回の会合ではどのような結果となるか注
目が集まっている。米・欧と比べ比較的安定的な経済環境のため、利上げに踏み切った場合には
買いが集中し大幅反発も考えられる。
ポンド円は、日本時間の朝方に発表されたGFK消費者信頼感調査が事前予想[-17]に対し、結果は[-14]と下落幅を縮小した事を受けて上昇、日本時間は堅調に推移した。しかし、ロンドン時間に発表された英ネーションワイド住宅価格や、英四半期GDPが事前予想を下回ったことで値を崩し、ニューヨーク時間においても下値を試す展開となり134.646円まで下落。今週5営業日連続での下落となり下落幅は約6円強、下降トレンドの終わりが見えないまま135.487円で週末クローズとなった。
今週の展開
今週のドル円は、目先は2月19日深夜1時につけた高値92.145円から始まっている下降トレンドがどこまで継続するかがポイントとなりそう。トレンドに沿って下値模索となった場合の目標としては2月4日直近安値88.556円、2009年12月9日安値87.364円が意識される水準か。バーナンキFRB議長の議会証言も終わり、低金利長期化の見通しに変化はないと思われ、当面は米経済指標の結果次第で値が振れる展開が予想される。また、先週の米指標発表後の動きを見ると、結果が予想を上回った場合でもドル買いは長くは続かず、反対に予想を下回った時の方が後に引きずる傾向となる事から、市場の米景気先行き不安感が高まっているように思える。週末の米雇用統計が一番の注目イベントとなるが、このまま市場の弱気なセンチメントが回復しない場合、前述の下値目標を下抜け2009年11月27日安値84.81円を意識した展開も考えられる。
ユーロ円は、ギリシャをはじめ、スペイン・ポルトガルといった財政基盤の弱い国を発信源としたネガティブな材料が相次いでおり、先行き不透明感が払拭できずにいる。先週末には「ドイツ政府が政府系金融機関を通してギリシャ債を購入している」といった報道もあったが、公式な見解としては未だ具体策は発表されていない。4月・5月に大規模なギリシャ債の償還を迎えるにあたり、3月には資金調達のための国債発行が予想されているため、ギリシャへの支援を表明している欧州連合の動きに注目が集まりそうだ。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 80.50-90.50
ユーロ・円 118.00-123.00
ポンド・円 131.50-138.00
【今週の主な経済指標】
03/01
17:30(スイス) 2月PMI
17:50(仏) 2月ロイター製造業PMI
17:55(独) 2月ロイター製造業PMI
18:00(ユーロ) 1月小売売上高
18:30(英) 1月消費者信用残高
18:30(英) 2月ロイター製造業PMI
19:00(ユーロ) 1月失業率
22:30(米) 1月個人消費支出価格コア指数
22:30(米) 1月個人消費支出価格指数
22:30(米) 1月個人所得
22:30(加) 12月GDP
22:30(加) 第4四半期GDP
22:30(加) 1月原材料価格
23:45(米) ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁講演
24:00(米) 2月ISM非製造業景気指数
24:00(米) 1月建設支出
03/02
08:30(日) 1月有効求人倍率
08:30(日) 1月失業率
09:30(豪) 1月小売売上高
09:30(豪) 1月住宅建設許可
15:45(スイス) 第4四半期GDP
16:00(独) 1月輸入物価指数
19:00(ユーロ) 1月生産者物価指数
19:00(ユーロ) 2月消費者物価指数(速報値)
21:45(米) 週間チェーンストア売上高
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
23:00(加) 加中銀金融政策委員会(政策金利)
28:00(米) コチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁講演
03/03
09:30(豪) 第4四半期GDP
17:50(仏) 2月ロイター非製造業PMI
17:55(独) 2月ロイター非製造業PMI
18:00(ユーロ) 2月ロイター非製造業PMI
18:30(英) 2月ロイター非製造業PMI
19:00(ユーロ) 1月小売売上高
21:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数
22:00(米) ローゼングレン米ボストン地区連銀総裁講演
22:15(米) 2月ADP全米雇用報告
24:00(米) 2月ISM非製造業景気指数
27:00(米) ロックハート米アトランタ地区連銀総裁講演
28:00(米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
03/04
08:50(日) 第4四半期法人企業統計(設備投資)
16:45(仏) 第4四半期失業率
19:00(ユーロ) 第4四半期GDP(改定値)
21:00(英) 英中銀金融政策決定会合(政策金利)
21:45(ユーロ) ECB理事会(政策金利)
22:30(ユーロ) トリシェECB総裁記者会見
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数
22:30(米) 第4四半期雇用コスト指数
22:30(米) 第4四半期非農業部門労働生産性指数(改定値)
22:30(加) 1月住宅建設許可件数
24:00(米) 1月製造業新規受注
24:00(加) 2月IVEY購買部協会景気指数
24:15(米) ブラード米セントルイス地区連銀総裁講演
27:00(米) エバンズ米シカゴ地区連銀総裁講演
03/05
18:30(英) 2月生産者物価コア指数
18:30(英) 2月生産者物価指数
20:00(独) 1月製造業受注
22:30(米) 2月雇用統計/平均時間給
22:30(米) 2月雇用統計/非農業部門雇用者数
22:30(米) 2月雇用統計/失業率
27:00(米) 1月消費者信用残高
≪2010年2月26日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
ドル円は弱い米経済指標結果を受けて88円台へ突入。25日(木)に90円を割れてきたところで参
加者は値頃感からロングポジションを選択、「ブル」が徐々に増加傾向となり、89円台を割る
と「ブル」の勢いはさらに加速、約80%が「ブル」のポジションとなった。先週末の終値も88
.866円と年初来安値の88.556円へ迫る勢いではあるが、値頃感でロングを保有すると88.50円
近辺を割り込んだ場合、損切りや新規ショート等、売りが売りを呼ぶ展開となる可能性もある
ので注意が必要だ。
ユーロ円は「ブル」
25日に120円の大台を一時割り込む場面もみられたが、金曜日は120円台を回復し121.649円まで
上昇した。終値は120.950円と、まだまだ買い時と見るや参加者は「ブル」を選択。ドル円同様
約80%が「ブル」のポジションとなった。また一部報道でドイツによるギリシャ国債買い入れ
の救援策が報道されたが、ギリシャ格下げ懸念など不安要素は払拭されず、依然としてユーロ
圏の不安定な状況に変わりはない。
豪ドル円は「ブル」
他通貨に連れて値を崩し、心理的な節目である80円を割り込んだままではあるが、3月2日の利上
げ期待もあり、参加者は「ブル」を選択。2月の会合では市場の利上げ予想に反して金利を据え
置いた際には、失望感から急落となったが、果たして今回の会合ではどのような結果となるか注
目が集まっている。米・欧と比べ比較的安定的な経済環境のため、利上げに踏み切った場合には
買いが集中し大幅反発も考えられる。