今週も欧州信用リスクを背景にユーロが相場を主導か!
ドル円は序盤、米市場の3連休を控えていることや中国も春節(旧正月)の連休に入ることから積極的な動きはみられず、89円台後半での小動きとなった。しかし、東京市場終盤に入ると日経平均が前日比+128円と高値圏で取引を終えたことや、アジア株式市場が全般的に堅調に推移したことを背景にクロス円が強含むとドル円もじり高に推移し90.335円付近へと上値を拡大した。また、注目の米小売売上高-1月が市場予想(0.3%)を上回る結果(0.5%)となったことや、ミシガン大学消費者信頼感指数-2月が市場予想(75.0)よりも弱い結果(73.7)となったものの、市場で噂されていた(71.9)という値よりは強かったことが好感されて90円台をしっかりキープ。しかし、引けにかけては手仕舞い売りや、米連休を控えポジション調整に押され89.967円で引け、結局90円台には届かず取引を終えた。
ユーロ円は東京市場序盤、前日のEU首脳会談におけるギリシャ支援合意がギリシャの自力解決を求める内容となり、これまでのトリシェ総裁や欧州当局者の厳しい姿勢に変化が無いとの認識が広がったことからユーロ円は軟調に推移。その後も独第4四半期GDP(速報値)は前期比で0.0%と事前予想(0.2%)に届かず。プラス成長とならなかったのは2009年第1四半期以来となった。また、ユーロ圏第4四半期GDPは前期(0.1%、予想 0.3%)、前年比(-2.1%、予想 -1.9%)共に振るわぬ結果になってユーロにとってのネガティブ材料が噴出し一時121.369円まで下落。引けにかけてはNYダウ平均株価が一連の米経済指標の強い結果を受け下げ幅を縮小したことがユーロを下支えする形になり反発。122.667円で取引を終えた。
今週の展開
今週のドル円は、ギリシャのデフォルトリスクには不透明感が残るものの、ユーロ各国がギリシャを支援する発言をしていることもあり、不安要因の一つは後退しつつある状況かもしれない。また、中国消費者物価指数の下振れを受けて、旧正月明けの金融引き締め観測が後退したこともドル円のサポート要因となる可能性は高く、一進一退を繰り返しながらも徐々に下値を切り上げる可能性もあるだろう。しかし、基本的には低金利のドルと円はファンディング通貨としての位置付けという状況は続いており、レンジ内での動きとなる可能性が高い。具体的には、直近の高値・安値、2/3の高値91.316円、2/4安値88.556円を抜けてトレンドを作るには大きなインパクトが必要となろう。
ユーロ円は、引き続きギリシャ問題中心に振り回されることになるだろう。15・16日のユーロ圏・EU財務相会合で具体策が決定される期待感は残るものの、ギリシャ自身が資金支援を求めておらず、市場の期待感を満たす支援が決まるかどうかは不透明である。少なくともEUという単位では、英・スウェーデンあたりを説得することが困難とみられ、独仏といったユーロ圏各国間での支援となりそうだ。しかし、欧州PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国の財政危機や格下げ懸念が払拭されたわけでもなく、ユーロの上昇にはまだ時間が必要かも知れない。下値を探る動きが再開する可能性も否定できず、EU財務省会合の結果次第でどちらにでも動けるように柔軟姿勢で臨むべきだろう。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 88.50-91.50
ユーロ・円 118.00-126.00
ポンド・円 135.00-144.00
【今週の主な経済指標】
02/15
08:50 (日) 第4四半期GDP
13:30 (日) 12月鉱工業生産
17:15 (スイス) 1月生産者輸入物価指数
02/16
06:45 (NZ) 第4四半期生産者物価指数
09:30 (豪) 豪中銀理事会議事録
18:30 (英) 1月消費者物価指数
18:30 (英) 1月小売物価指数
18:30 (英) 1月小売物価コア指数
19:00 (独) 2月ZEW景気期待指数
22:30 (米) 2月NY州製造業景気指数
23:00 (米) 12月財務省対米証券投資
23:00 (米) 12月対米証券投資
02/17
02:00 (米) ホーニグ米カンザスシティー地区連銀総裁講演
02:30 (米) ロックハート米アトランタ地区連銀総裁講演
02:45 (米) コチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁講演
18:30 (南ア) 12月小売売上高
18:30 (英) 12月平均所得(9月~11月)
18:30 (英) 1月失業率 5.0%
18:30 (英) 2月金融政策委員会議事録
18:30 (英) 12月国際労働機関失業率統計
19:00 (ユーロ) 12月貿易収支 +48億ユーロ
21:00 (米) 週間住宅ローン借換申請指数
21:45 (米) 週間チェーンストア売上高
22:30 (米) 1月住宅着工許可件数
22:30 (米) 1月輸出物価指数
22:30 (米) 1月住宅着工件数
22:30 (米) 1月輸入物価指数
22:30 (加) 12月卸売売上高
22:55 (米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
23:15 (米) 1月設備稼働率
23:15 (米) 1月鉱工業生産 前月比
02/18
02:45 (米) プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁講演
04:00 (米) FOMC議事録(1月26-27日分)
14:00 (日) 12月景気動向指数CI(改定値)
15:30 (日) 白川日銀総裁会見
21:00 (加) 1月消費者物価指数
22:30 (米) 週間新規失業保険申請件数
22:30 (米) 1月生産者物価指数
02/19
00:00 (米) 1月景気先行指数
00:00 (米) 2月フィラデルフィア地区連銀業況指数
07:30 (豪) スティーブンス豪中銀総裁議会証言
08:00 (米) デューク米FRB理事講演
09:00 (米) ロックハート米アトランタ地区連銀総裁講演
11:00 (米) ブラード米セントルイス地区連銀総裁講演
14:00 (日) 2月日銀金融経済月報
16:45 (仏) 2月総合業況指数
18:00 (ユーロ) 12月経常収支
18:30 (英) 1月小売売上高
22:00 (米) ダドリー米ニューヨーク地区連銀総裁講演
22:30 (米) 1月消費者物価指数
22:30 (米) 1月実質所得
22:30 (加) 1月景気先行指数
22:30 (加) 12月小売売上高
≪2010年2月12日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米国の3連休を控えて動意が乏しい展開となりポジション調整が目立ったが、米小売売上高など強い米経
済指標を受け、参加者は「ブル」を選択。バーナンキFRB議長が出口戦略の道筋を明確にしたこともあり、
金利動向面からはややドル買いに分があるものの、先週何度かトライした90円だったが、90円台では実
需筋による売りや、3月期末を意識したリパトリも控えていると見られ、上抜けるには力不足の展開から
レンジ相場が予想される。
ポンド円は「ブル」
ドバイ政府系持ち株会社ドバイ・ワールドの話題も広がらず、株高を背景にリスク許容度は回復基調にあ
り、このところ敬遠されていたポンドを物色する動きとなって「ブル」。しかし、英中銀四半期インフレ
レポートで英GDP見通しが下方修正されたほか、インフレ見通しにも楽観的な見方が示されたことから、
英中銀の利上げ期待は一段と後退しつつある。やはり本日も下値警戒も怠れない状況だろう。
豪ドル円は「ブル」
先週の豪雇用統計が上振れしたことを背景に来月の豪準備銀行理事会での利上げ期待が高まっており、金
利差に着目した参加者の買いも旺盛で「ブル」は継続中。さらに中国の消費者物価指数の下振れを受けて、
春節明けの金融引き締め懸念がやや後退したことも、貿易相手国である豪州経済にとってプラス要因とな
るだろう。もちろん前述した豪準備銀行理事会のタカ派期待が空振りに終わった場合や、ギリシャ懸念の
高まりなどによって市場がリスク回避ムードに偏った際などでは豪ドルの下押しも避けられない為、バイ
アスの傾けすぎには注意しておきたい。
ユーロ円は東京市場序盤、前日のEU首脳会談におけるギリシャ支援合意がギリシャの自力解決を求める内容となり、これまでのトリシェ総裁や欧州当局者の厳しい姿勢に変化が無いとの認識が広がったことからユーロ円は軟調に推移。その後も独第4四半期GDP(速報値)は前期比で0.0%と事前予想(0.2%)に届かず。プラス成長とならなかったのは2009年第1四半期以来となった。また、ユーロ圏第4四半期GDPは前期(0.1%、予想 0.3%)、前年比(-2.1%、予想 -1.9%)共に振るわぬ結果になってユーロにとってのネガティブ材料が噴出し一時121.369円まで下落。引けにかけてはNYダウ平均株価が一連の米経済指標の強い結果を受け下げ幅を縮小したことがユーロを下支えする形になり反発。122.667円で取引を終えた。
今週の展開
今週のドル円は、ギリシャのデフォルトリスクには不透明感が残るものの、ユーロ各国がギリシャを支援する発言をしていることもあり、不安要因の一つは後退しつつある状況かもしれない。また、中国消費者物価指数の下振れを受けて、旧正月明けの金融引き締め観測が後退したこともドル円のサポート要因となる可能性は高く、一進一退を繰り返しながらも徐々に下値を切り上げる可能性もあるだろう。しかし、基本的には低金利のドルと円はファンディング通貨としての位置付けという状況は続いており、レンジ内での動きとなる可能性が高い。具体的には、直近の高値・安値、2/3の高値91.316円、2/4安値88.556円を抜けてトレンドを作るには大きなインパクトが必要となろう。
ユーロ円は、引き続きギリシャ問題中心に振り回されることになるだろう。15・16日のユーロ圏・EU財務相会合で具体策が決定される期待感は残るものの、ギリシャ自身が資金支援を求めておらず、市場の期待感を満たす支援が決まるかどうかは不透明である。少なくともEUという単位では、英・スウェーデンあたりを説得することが困難とみられ、独仏といったユーロ圏各国間での支援となりそうだ。しかし、欧州PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国の財政危機や格下げ懸念が払拭されたわけでもなく、ユーロの上昇にはまだ時間が必要かも知れない。下値を探る動きが再開する可能性も否定できず、EU財務省会合の結果次第でどちらにでも動けるように柔軟姿勢で臨むべきだろう。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 88.50-91.50
ユーロ・円 118.00-126.00
ポンド・円 135.00-144.00
【今週の主な経済指標】
02/15
08:50 (日) 第4四半期GDP
13:30 (日) 12月鉱工業生産
17:15 (スイス) 1月生産者輸入物価指数
02/16
06:45 (NZ) 第4四半期生産者物価指数
09:30 (豪) 豪中銀理事会議事録
18:30 (英) 1月消費者物価指数
18:30 (英) 1月小売物価指数
18:30 (英) 1月小売物価コア指数
19:00 (独) 2月ZEW景気期待指数
22:30 (米) 2月NY州製造業景気指数
23:00 (米) 12月財務省対米証券投資
23:00 (米) 12月対米証券投資
02/17
02:00 (米) ホーニグ米カンザスシティー地区連銀総裁講演
02:30 (米) ロックハート米アトランタ地区連銀総裁講演
02:45 (米) コチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁講演
18:30 (南ア) 12月小売売上高
18:30 (英) 12月平均所得(9月~11月)
18:30 (英) 1月失業率 5.0%
18:30 (英) 2月金融政策委員会議事録
18:30 (英) 12月国際労働機関失業率統計
19:00 (ユーロ) 12月貿易収支 +48億ユーロ
21:00 (米) 週間住宅ローン借換申請指数
21:45 (米) 週間チェーンストア売上高
22:30 (米) 1月住宅着工許可件数
22:30 (米) 1月輸出物価指数
22:30 (米) 1月住宅着工件数
22:30 (米) 1月輸入物価指数
22:30 (加) 12月卸売売上高
22:55 (米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
23:15 (米) 1月設備稼働率
23:15 (米) 1月鉱工業生産 前月比
02/18
02:45 (米) プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁講演
04:00 (米) FOMC議事録(1月26-27日分)
14:00 (日) 12月景気動向指数CI(改定値)
15:30 (日) 白川日銀総裁会見
21:00 (加) 1月消費者物価指数
22:30 (米) 週間新規失業保険申請件数
22:30 (米) 1月生産者物価指数
02/19
00:00 (米) 1月景気先行指数
00:00 (米) 2月フィラデルフィア地区連銀業況指数
07:30 (豪) スティーブンス豪中銀総裁議会証言
08:00 (米) デューク米FRB理事講演
09:00 (米) ロックハート米アトランタ地区連銀総裁講演
11:00 (米) ブラード米セントルイス地区連銀総裁講演
14:00 (日) 2月日銀金融経済月報
16:45 (仏) 2月総合業況指数
18:00 (ユーロ) 12月経常収支
18:30 (英) 1月小売売上高
22:00 (米) ダドリー米ニューヨーク地区連銀総裁講演
22:30 (米) 1月消費者物価指数
22:30 (米) 1月実質所得
22:30 (加) 1月景気先行指数
22:30 (加) 12月小売売上高
≪2010年2月12日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米国の3連休を控えて動意が乏しい展開となりポジション調整が目立ったが、米小売売上高など強い米経
済指標を受け、参加者は「ブル」を選択。バーナンキFRB議長が出口戦略の道筋を明確にしたこともあり、
金利動向面からはややドル買いに分があるものの、先週何度かトライした90円だったが、90円台では実
需筋による売りや、3月期末を意識したリパトリも控えていると見られ、上抜けるには力不足の展開から
レンジ相場が予想される。
ポンド円は「ブル」
ドバイ政府系持ち株会社ドバイ・ワールドの話題も広がらず、株高を背景にリスク許容度は回復基調にあ
り、このところ敬遠されていたポンドを物色する動きとなって「ブル」。しかし、英中銀四半期インフレ
レポートで英GDP見通しが下方修正されたほか、インフレ見通しにも楽観的な見方が示されたことから、
英中銀の利上げ期待は一段と後退しつつある。やはり本日も下値警戒も怠れない状況だろう。
豪ドル円は「ブル」
先週の豪雇用統計が上振れしたことを背景に来月の豪準備銀行理事会での利上げ期待が高まっており、金
利差に着目した参加者の買いも旺盛で「ブル」は継続中。さらに中国の消費者物価指数の下振れを受けて、
春節明けの金融引き締め懸念がやや後退したことも、貿易相手国である豪州経済にとってプラス要因とな
るだろう。もちろん前述した豪準備銀行理事会のタカ派期待が空振りに終わった場合や、ギリシャ懸念の
高まりなどによって市場がリスク回避ムードに偏った際などでは豪ドルの下押しも避けられない為、バイ
アスの傾けすぎには注意しておきたい。