ギリシャ救済案、最終決着は持ち越しへ
昨日のドル円は、東京市場の休場や中国も旧正月の影響でやや方向性を失いかけていたものの、午前中に発表された豪雇用統計は大きく改善しポジティブサプライズとなった。これを受け市場はリスク選好地合となり、ドル円は一時90円台に乗せる局面も見られた。その後は参加者不足から89.70円~90.00円のレンジでこう着状態となり、欧州、NY市場待ちといった中、米国時間に発表された米新規失業保険申請件数が44.0万件と事前予想(45.6万件)よりも強い結果だったことや失業保険継続受給者数も453.8万件と前週(461.7万件)から低下、米30年債の入札結果が不調だったこともあり米長期金利が上昇などドル買い材料が多数出たが、手仕舞い売りに押されて結局本日も90円台に定着することは出来ず89.739円で引けた。
ユーロ円は、ギリシャを巡る報道にかき回された1日となった。序盤はギリシャ救済の期待感や、アジア各国株・米ダウ先物・原油や金など商品価格の上昇を背景に、リスク選好→安全資産としての円の魅力低下→円売りの構図となりユーロ買いが進む展開に一時124.155円まで上値を拡大。しかし、注目されたEU(欧州連合)首脳会議でファンロンパウ欧州理事会常任議長(EU大統領)がギリシャが金融支援を求めていないと述べると、市場は一転してユーロ売り、円買いの動きとなった。ユーロ円は123円を割り込み本日の安値122.048円まで下落。引けにかけては材料出尽くし感からショートカバーと見られる買戻しが入るも限定的となり、122.885円で取引を終えた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、水曜日に公表されたバーナンキFRB議長の証言原稿では実施時期については言明しなかったもの、「出口戦略」の道筋を明確に示すのではないかと期待は膨らみつつあると言える。昨日の米新規失業保険申請件数、失業保険継続受給者数では共に市場予想を上回り、1月米雇用統計では好悪混在の結果となったことで、低金利長期継続条件の一つである米労働市場の動向を見極めたいとの向きが多い中、今回の指標結果は今後の「出口戦略」に向け一歩前進と言えよう。また、FF金利先物や債券利回りも上昇しており、ドル円は89円台を値固めする中、再び90円台をチャレンジする展開も予測される。本日に延期された米1月小売売上高が市場予想を上回れば、90円台定着も十分ありえるだろう。
ユーロ円は、ギリシャ首相が支援について「ギリシャは欧州から心理的・政治的支援を必要とする」と述べるにとどまり、金融支援関しては否定的な見解を述べたことから、市場ではギリシャ支援の具体策が示されるとの期待感が先行していただけに失望感も拭いきれない。3日間続いたショートカバーにも陰りが見え再び上値が重くなる可能性も考えられる。今後の支援策の具体的な枠組みは、依然流動的な状況にあり、詳細は不透明ではあるものの、欧州当局者は「ギリシャ救済の政治的な合意に至るとみるが、詳細は来週月曜日に開かれるユーロ圏財務相会合で煮詰めるだろう」との認識も示している。ここ最近はギリシャを発端とした財政問題の広がりがユーロ相場を動かす大きな要因となっており、救済策を巡るEU当局の判断で不透明感が拭えない展開が続けばどちらか一方向へ動き出すのも難しい状況だろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 89.50-91.80
ユーロ・円 122.00-124.00
ポンド・円 139.00-141.80
【今日の主な経済指標】
16:00(独) 第4四半期GDP(速報値)
16:45(仏) 第4四半期GDP
19:00(ユーロ) 第4四半期GDP(速報値)
22:30(米) 1月小売売上高
23:55(米) 2月ミシガン大消費者信頼感指数(速報値)
00:00(米) 12月企業在庫
≪2010年2月11日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
レンジ相場となったものの、参加者のドル買いがは根強く90円割れの水準では圧倒的だ。テクニカル的
には移動平均21日線と90日線も90円台前半に差し掛かっており、上抜けには相応の材料が必要となりそ
うだ。しかし、強い経済指標や、公定歩合の引上げ観測、「出口戦略」期待などドルのファンダメンタ
ルズは改善傾向にある。本日の小売売上高、ミシガン大消費者信頼感指数と重要指標の結果次第では90
円を上抜ける可能性もあるだろう。
ポンド円は「ブル」
ギリシャを巡る信用リスクにユーロを売ってポンドを買う動きが目立ち堅調推移、参加者も「ブル」
を選択。しかし、英景気の回復は依然として脆弱であり、英中銀の量的緩和再開の可能性も小さくない
と思われる。対照的に米国は「出口戦略」の道筋を一段と明確にしており、ポンドは相対的に魅力が乏
しいとみる。また、ドバイ政府系持ち株会社ドバイ・ワールドの債務問題再燃により英系銀行のクレジ
ット不安が蒸し返される可能性も排除できない為、慎重姿勢を崩さず柔軟な対応が必要となろう。
豪ドル円は「ブル」
豪ドル円は急伸。発表された一連の豪雇用統計が予想よりも強かったことが豪ドル買いの要因となった。
失業率は予想の5.6%を下回る5.3%。雇用者数変化も予想の1.50万人を大幅に上回る5.27万人となり、
前回値も上方修正されている。発表に合わせるように参加者の買い意欲が高まり「ブル」となった。豪
ドル円は発表後から約1円の上昇となっており、RBA(豪中銀)声明では「失業率はかなり低い水準でピ
ークを打ったもよう」との見解が示されており、バイアスはやや強気となることも予想される、しかし、
EU首脳会談でギリシャ問題が先送りになったことを鑑みると、スタンスを一旦中立に戻しておきたい。
ユーロ円は、ギリシャを巡る報道にかき回された1日となった。序盤はギリシャ救済の期待感や、アジア各国株・米ダウ先物・原油や金など商品価格の上昇を背景に、リスク選好→安全資産としての円の魅力低下→円売りの構図となりユーロ買いが進む展開に一時124.155円まで上値を拡大。しかし、注目されたEU(欧州連合)首脳会議でファンロンパウ欧州理事会常任議長(EU大統領)がギリシャが金融支援を求めていないと述べると、市場は一転してユーロ売り、円買いの動きとなった。ユーロ円は123円を割り込み本日の安値122.048円まで下落。引けにかけては材料出尽くし感からショートカバーと見られる買戻しが入るも限定的となり、122.885円で取引を終えた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、水曜日に公表されたバーナンキFRB議長の証言原稿では実施時期については言明しなかったもの、「出口戦略」の道筋を明確に示すのではないかと期待は膨らみつつあると言える。昨日の米新規失業保険申請件数、失業保険継続受給者数では共に市場予想を上回り、1月米雇用統計では好悪混在の結果となったことで、低金利長期継続条件の一つである米労働市場の動向を見極めたいとの向きが多い中、今回の指標結果は今後の「出口戦略」に向け一歩前進と言えよう。また、FF金利先物や債券利回りも上昇しており、ドル円は89円台を値固めする中、再び90円台をチャレンジする展開も予測される。本日に延期された米1月小売売上高が市場予想を上回れば、90円台定着も十分ありえるだろう。
ユーロ円は、ギリシャ首相が支援について「ギリシャは欧州から心理的・政治的支援を必要とする」と述べるにとどまり、金融支援関しては否定的な見解を述べたことから、市場ではギリシャ支援の具体策が示されるとの期待感が先行していただけに失望感も拭いきれない。3日間続いたショートカバーにも陰りが見え再び上値が重くなる可能性も考えられる。今後の支援策の具体的な枠組みは、依然流動的な状況にあり、詳細は不透明ではあるものの、欧州当局者は「ギリシャ救済の政治的な合意に至るとみるが、詳細は来週月曜日に開かれるユーロ圏財務相会合で煮詰めるだろう」との認識も示している。ここ最近はギリシャを発端とした財政問題の広がりがユーロ相場を動かす大きな要因となっており、救済策を巡るEU当局の判断で不透明感が拭えない展開が続けばどちらか一方向へ動き出すのも難しい状況だろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 89.50-91.80
ユーロ・円 122.00-124.00
ポンド・円 139.00-141.80
【今日の主な経済指標】
16:00(独) 第4四半期GDP(速報値)
16:45(仏) 第4四半期GDP
19:00(ユーロ) 第4四半期GDP(速報値)
22:30(米) 1月小売売上高
23:55(米) 2月ミシガン大消費者信頼感指数(速報値)
00:00(米) 12月企業在庫
≪2010年2月11日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
レンジ相場となったものの、参加者のドル買いがは根強く90円割れの水準では圧倒的だ。テクニカル的
には移動平均21日線と90日線も90円台前半に差し掛かっており、上抜けには相応の材料が必要となりそ
うだ。しかし、強い経済指標や、公定歩合の引上げ観測、「出口戦略」期待などドルのファンダメンタ
ルズは改善傾向にある。本日の小売売上高、ミシガン大消費者信頼感指数と重要指標の結果次第では90
円を上抜ける可能性もあるだろう。
ポンド円は「ブル」
ギリシャを巡る信用リスクにユーロを売ってポンドを買う動きが目立ち堅調推移、参加者も「ブル」
を選択。しかし、英景気の回復は依然として脆弱であり、英中銀の量的緩和再開の可能性も小さくない
と思われる。対照的に米国は「出口戦略」の道筋を一段と明確にしており、ポンドは相対的に魅力が乏
しいとみる。また、ドバイ政府系持ち株会社ドバイ・ワールドの債務問題再燃により英系銀行のクレジ
ット不安が蒸し返される可能性も排除できない為、慎重姿勢を崩さず柔軟な対応が必要となろう。
豪ドル円は「ブル」
豪ドル円は急伸。発表された一連の豪雇用統計が予想よりも強かったことが豪ドル買いの要因となった。
失業率は予想の5.6%を下回る5.3%。雇用者数変化も予想の1.50万人を大幅に上回る5.27万人となり、
前回値も上方修正されている。発表に合わせるように参加者の買い意欲が高まり「ブル」となった。豪
ドル円は発表後から約1円の上昇となっており、RBA(豪中銀)声明では「失業率はかなり低い水準でピ
ークを打ったもよう」との見解が示されており、バイアスはやや強気となることも予想される、しかし、
EU首脳会談でギリシャ問題が先送りになったことを鑑みると、スタンスを一旦中立に戻しておきたい。