FXレポート

好結果の続く米経済指標!米雇用統計に期待高まる!

金曜日のドル円は、前日の米株安を受けてアジア時間序盤に一旦は値を崩したが、底固く推移し次第に値を伸ばす展開となった。基調が強い中、ニューヨーク時間序盤に米経済指標が発表され、米第4四半期GDPは市場の事前予想4.7%に対し結果は5.7%、米第4四半期個人消費(速報値)は事前予想1.8%に対し結果は2.0%、1月シカゴ購買部協会景気指数は事前予想57.2に対し61.5と市場の予想を軒並み上回る好結果となった。この発表を受けてドル円は急騰、1/26・28に上値を抑えられた90.50円をあっさりと上抜け、1/8高値93.779円から1/27安値89.124円までの下落に対する38.2%戻しとなる90.902円をわずかに上回り90.928円まで上昇した。ドル買い一服後は、週末・月末が重なったこともありポジション調整の動きが強まり反落、結局90.276円で取引を終えた。

ユーロ円は、下値を試す日々が続いており124.807円まで下落、底が見えない状態が続いている。ギリシャやポルトガル、スペイン、アイルランド等、一部のユーロ圏諸国をめぐる、財政や経済の健全性に対する懸念が、市場心理を揺るがしている。ギリシャ国債と独国債の利回り格差が過去最高を更新、ギリシャ政府が債務不履行に陥る可能性に対する保証料は、今週に入り過去最高の水準まで上昇していることなどがギリシャの信用不安を拡大している背景にあるようだ。ロンドン時間序盤にアルムニア欧州委員が「ユーロ圏は非常に強い地域で、通貨も強い」「ギリシャが破綻するリスクはない」と述べた事で、極度の不安心理が和らぎ126.780円まで値を戻す場面もあったが、買いは続かず往って来いとなり、結局125.152円で引けた。


                     今週の展開

今週のドル円だが、米雇用統計をはじめ重要イベントが目白押しとなる。先週、円買い材料視された米金融規制案については、2日の米上院銀行委員会公聴会において米ボルカー経済再生諮問会議議長が議会証言を行う予定。オバマ大統領の一般教書演説で踏み込んだ内容はなかったため、今回の証言で同案の内容が明らかになれば、内容次第ではあるが、上下どちらにも大きく動く可能性を秘めている。他にも、3日にADP雇用統計・ISM非製造業景況指数、5日には米1月雇用統計と、目が離せない展開となりそう。オバマ大統領が演説の中で雇用創出を支援する姿勢を示している事や、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長の再任が市場に安心感を与えているため、ドルの底堅い動きは継続しそう。また、国内要因では好材料が出てきているとはいえ、中国の金融規制や、ギリシャの信用問題といった外部要因によって起こる円買いの動きも無視はできないため、先週安値89.124円から1/21高値91.880円までのレンジを意識した動きとなるだろう。

ユーロ円はギリシャをはじめとした財政・経済に不安を抱えた国の話題を中心に思惑的な動きが交錯しそう。欧州連合(EU)がギリシャ救済へ融資を検討しているとの報道等に対し、噂を沈静化するための高官発言等、どちらに転ぶか分からない状態が続いているが、公的機関からの具体的な救済策がなければ、自国で解決するしかなく、且つ、財政危機に対する明確な解決策はないため、今後も軟調な展開が予想される。目先の下値目標は2009/4/28につけた直近安値124.367円となりそうだが、どこで下げ止まるかはギリシャに対するEUのスタンス次第となりそう。


[今週の予想レンジ]
ドル ・円  87.00-92.00
ユーロ・円 122.00-127.00
ポンド・円 141.00-147.00

【今週の主な経済指標】
02/01               
16:45(仏)  12月生産者物価指数     
17:30(スイス) 1月PMI    
17:50(仏) 1月ロイター製造業PMI    
17:55(独) 1月ロイター製造業PMI    
18:00(ユーロ) 1月ロイター製造業PMI     
18:30 (英) 1月ロイター製造業PMI
18:30(英) 12月消費者信用残高    
22:30(米)  12月個人所得    前月比
22:30(米)  12月個人消費支出価格コア指数
22:30(米)  12月個人消費支出価格指数
     
02/02
00:00(米) 12月建設支出     
00:00(米) 1月ISM製造業景気指数    
12:30(豪) 豪中銀理事会(政策金利)    
16:00(独) 12月小売売上高
19:00(ユーロ) 12月生産者物価指数
21:45(米) 週間チェーンストア売上高         
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高         

02/03
09:30(豪) 12月貿易収支    
17:50(仏) 1月ロイター非製造業PMI    
17:55(独) 1月ロイター非製造業PMI     
18:00(ユーロ) 1月ロイター非製造業PMI    
19:00(ユーロ) 12月小売売上高    
21:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数         
22:15(米) 1月ADP全米雇用報告         

02/04
00:00(米) 1月ISM非製造業景気指数     
02:00(米) ウォーシュ米FRB理事講演    
09:30(豪) 12月住宅建設許可    
09:30(豪) 12月小売売上高    
20:00(独) 12月製造業受注    
21:00(英) 英中銀金融政策決定会合(政策金利)    
21:45(ユーロ) ECB理事会(政策金利)    
22:30(加) 12月住宅建設許可件数          
22:30(米) 第4四半期非農業部門労働生産性指数    
22:30(米) 第4四半期雇用コスト指数    
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数          
22:30(ユーロ) トリシェECB総裁記者会見                   

02/05               
00:00(米) 12月製造業新規受注    
00:00(加) 1月IVEY購買部協会景気指数         
14:00(日) 12月景気動向指数CI(速報値)
16:45(仏) 12月財政収支         
16:45(仏) 12月貿易収支     
20:00(独) 12月鉱工業生産    
21:00(加) 1月雇用統計/就業者数(増減)          
21:00(加) 1月雇用統計/失業率         
22:30(米) 1月雇用統計/平均時間給         
22:30(米) 1月雇用統計/非農業部門雇用者数     
22:30(米) 1月雇用統計/失業率

02/06
00:00(米) ブラード米セントルイス地区連銀総裁講演                   
05:00(米) 12月消費者信用残高          

≪2010年1月29日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ブル」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル円は「ブル」
 参加者は「ブル」を継続中だ。参加者の期待に答えるかのように、下げ止まりじりじりと値を戻している。
 週末に米雇用統計を控えているため、方向感の出づらい状況ではあるが、本日は建設支出・ISM製造業景況
 指数といった米経済指標が注目されている。仮に市場予想を下回る結果であったとしても1/27安値89.124
 円近辺で下げ止まるようであれば、ドルの底堅さを再確認する格好となろう。

 ポンド円は「ブル」
 先週末に発表された英GFK消費者信頼感指数、英ネーションワイド住宅価格は共に好結果となり参加者は
 「ブル」を継続中だ。好調な経済指標を背景に戻りを試すものの、1/28・29の両日とも長い上髭を残して
 陰線引けとなっている。英銀行システムに対する不安が台頭してきた事が足を引っ張っており、市場が再
 度リスク資産を圧縮するする動きが活発化した場合、下げ足を早めるかもしれない。下値メドは1/27安値
 143.628円、下抜けた場合は12/9安値141.996円近辺を意識した展開となりそう。

 豪ドル円は「ブル」
 コンサルティング会社のレポートで、RBA(豪準備銀)が次回会合(2月2日)での利上げを見送るのでは?
 と指摘した事が意識されている。「ブル」を選択している参加者を含め、市場は今回の会合での0.25%利
 上げをほぼ織り込んでいるだけに仮に金利を据え置いた場合のネガティブサプライズは大きくなりそう。
 発表までは思惑的な動きも予想されるが、このまま円買いが加速した場合、2009/12/18安値78.452円を目
 標に下げ足を早めるかもしれない。

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