米利上げ期待は下火! ドル上値はやや重いか!?
昨日のドル円は序盤、日本勢が不在のため全般的に盛り上がりに欠ける展開となったが、米雇用統計の内容が期待はずれだったことを受けて、週明けのアジア勢はやや米ドル売りに反応。また、ブラード・セントルイス連銀総裁が「低金利はしばらく続く可能性」と発言。改めて米国の低金利政策の長期化が意識されたことが重しとなって、一時91.809円まで下落。その後は、主要な経済指標発表が無い中、欧州主要株価や米ダウの上昇を受けて、リスク選好→円売りの動きが加速。しかし、引けにかけてホーニグ・カンザスシティー連銀総裁が、「FOMC声明の長期に渡るという声明の文言の変更を討議する」と述べると92円台へ反発。結局92.137円で取引を終えた。
ユーロ円は、ヒルデブラントSNB(スイス国立銀行)総裁が「SNBは引き続き対ユーロでのスイスフランの過度の上昇を阻止する」と発言。これがSNBによる「スイスフラン売り・ユーロ買い」の為替介入の可能性を想起させた事でジリ高の展開に。また、時間外のダウ先物や欧州株が堅調に推移していることなどを背景に買いが入ると、欧州時間では134.388円と昨年12月4日以来の高値を付けた。しかしその後は、利益確定の売りなどに押され反落、上げ幅は限定的となって133.738円で引けた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、ここ最近の米ドルの上昇は、他国と比べての米国の金利先高期待が大きな要因であったが、先週の雇用統計はそれに冷や水を浴びせる結果となった。また、ブラード・セントルイス連銀総裁は「一部の刺激策を解除する前に雇用のさらなる回復を確認したい」と発言しており、今後の出口戦略開始に雇用改善が不可欠との見方を示していることからも、米利上げ期待は下火になってきたと考えれば、ドルの上値はやや重たくなるかもしれない。本日は、金利見通しに影響を与えそうな景気指標は少ないが、明日は米地区連銀経済報告書(ベージュブック)が公表されることから米金利市場の反応に注目したい。また、テクニカル的にも93.50円付近に位置している200日移動平均線に上値を抑えられた形となっており、地合いはやや弱気となろうか。
ユーロはFRB当局者の低金利継続を示唆するハト派的な発言や米雇用統計の大幅下振れを受けて、利上げ期待が下火となり、対ドルでは堅調な展開も予想することもできる。しかし、米景気回復期待そのものが消えたわけではなく、米国債利回りの上昇基調にも変化がみられないことから、ドルが下落局面入りするとみるのは時期尚早だろう。また対円では、ギリシャやオーストリアの財務をめぐる懸念など、ユーロ自体に強気材料は乏しいものの、日本もデフレ懸念を背景とした低金利長期化観測や追加緩和観測など、両国ともにネガティブな材料が多く、今週14日ECB(欧州中銀)が政策金利を発表するまでは、中立のスタンスが無難かもしれない。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 91.20-92.70
ユーロ・円 131.00-134.00
ポンド・円 146.00-150.00
【今日の主な経済指標】
14:00(日) 12月景気ウォッチャー調査
16:00(独) 12月卸売物価指数
16:45(仏) 11月財政収支
20:00(ランド)11月製造業生産
21:45(米) 週間チェーンストア売上高
22:30(米) 11月貿易収支
22:30(加) 11月貿易収支
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
≪2010年1月11日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
先週末の雇用統計を引きずり、一時91円台後半まで水準を落とす展開となったが、参加者は「強気」だ。
「強気」の理由だが、米雇用統計は、市場予想に比べ米経済の回復速度は緩やかなものであることが露呈
されたが、それでも下値では積極的な買いが見られるなど底堅さが印象に残った。また、菅副総理兼財務
相は円が適切な水準になるよう「日銀と適切に連携する」としており、急激な円高が再び進むようなら
「介入」もありえるだろう。よって参加者のバイアスは91円付近ならば「強気」となっているようだ。
ポンド円は「ブル」
主だった指標がなかったため、売り買いが拮抗したが、148円前半では割安感からか買いが集まって若干だ
が「ブル」が優勢となった。しかし、ポンドを取り巻く環境は厳しいと言える。英国の景気回復の遅れや、
ドバイの鉄道会社の工事費支払い遅延で「ドバイ・ショック再燃」も懸念され、UAE向けのエクスポージャ
ーが大きい英銀のバランスシートが蒸し返される可能性もあろう。また、英国の格付け問題や、今年の6月
までに実施予定の総選挙での混乱が予想され、政局・財政不安が収まるまでポンドの下押し圧力は強そうだ。
豪ドル円は「ブル」
豪追加利上げ観測が高まったことや、株高・商品高を背景に参加者は「ブル」を継続している。先週の住
宅建設許可件数、小売売上高が共に事前予想を大きく上回る伸びとなった事を考慮すると、14日の豪雇用統
計が仮に予想以上の好結果となれば、素直に追加利上げ期待に繋がり、豪ドルにとっても上昇要因となろう。
ユーロ円は、ヒルデブラントSNB(スイス国立銀行)総裁が「SNBは引き続き対ユーロでのスイスフランの過度の上昇を阻止する」と発言。これがSNBによる「スイスフラン売り・ユーロ買い」の為替介入の可能性を想起させた事でジリ高の展開に。また、時間外のダウ先物や欧州株が堅調に推移していることなどを背景に買いが入ると、欧州時間では134.388円と昨年12月4日以来の高値を付けた。しかしその後は、利益確定の売りなどに押され反落、上げ幅は限定的となって133.738円で引けた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、ここ最近の米ドルの上昇は、他国と比べての米国の金利先高期待が大きな要因であったが、先週の雇用統計はそれに冷や水を浴びせる結果となった。また、ブラード・セントルイス連銀総裁は「一部の刺激策を解除する前に雇用のさらなる回復を確認したい」と発言しており、今後の出口戦略開始に雇用改善が不可欠との見方を示していることからも、米利上げ期待は下火になってきたと考えれば、ドルの上値はやや重たくなるかもしれない。本日は、金利見通しに影響を与えそうな景気指標は少ないが、明日は米地区連銀経済報告書(ベージュブック)が公表されることから米金利市場の反応に注目したい。また、テクニカル的にも93.50円付近に位置している200日移動平均線に上値を抑えられた形となっており、地合いはやや弱気となろうか。
ユーロはFRB当局者の低金利継続を示唆するハト派的な発言や米雇用統計の大幅下振れを受けて、利上げ期待が下火となり、対ドルでは堅調な展開も予想することもできる。しかし、米景気回復期待そのものが消えたわけではなく、米国債利回りの上昇基調にも変化がみられないことから、ドルが下落局面入りするとみるのは時期尚早だろう。また対円では、ギリシャやオーストリアの財務をめぐる懸念など、ユーロ自体に強気材料は乏しいものの、日本もデフレ懸念を背景とした低金利長期化観測や追加緩和観測など、両国ともにネガティブな材料が多く、今週14日ECB(欧州中銀)が政策金利を発表するまでは、中立のスタンスが無難かもしれない。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 91.20-92.70
ユーロ・円 131.00-134.00
ポンド・円 146.00-150.00
【今日の主な経済指標】
14:00(日) 12月景気ウォッチャー調査
16:00(独) 12月卸売物価指数
16:45(仏) 11月財政収支
20:00(ランド)11月製造業生産
21:45(米) 週間チェーンストア売上高
22:30(米) 11月貿易収支
22:30(加) 11月貿易収支
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
≪2010年1月11日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
先週末の雇用統計を引きずり、一時91円台後半まで水準を落とす展開となったが、参加者は「強気」だ。
「強気」の理由だが、米雇用統計は、市場予想に比べ米経済の回復速度は緩やかなものであることが露呈
されたが、それでも下値では積極的な買いが見られるなど底堅さが印象に残った。また、菅副総理兼財務
相は円が適切な水準になるよう「日銀と適切に連携する」としており、急激な円高が再び進むようなら
「介入」もありえるだろう。よって参加者のバイアスは91円付近ならば「強気」となっているようだ。
ポンド円は「ブル」
主だった指標がなかったため、売り買いが拮抗したが、148円前半では割安感からか買いが集まって若干だ
が「ブル」が優勢となった。しかし、ポンドを取り巻く環境は厳しいと言える。英国の景気回復の遅れや、
ドバイの鉄道会社の工事費支払い遅延で「ドバイ・ショック再燃」も懸念され、UAE向けのエクスポージャ
ーが大きい英銀のバランスシートが蒸し返される可能性もあろう。また、英国の格付け問題や、今年の6月
までに実施予定の総選挙での混乱が予想され、政局・財政不安が収まるまでポンドの下押し圧力は強そうだ。
豪ドル円は「ブル」
豪追加利上げ観測が高まったことや、株高・商品高を背景に参加者は「ブル」を継続している。先週の住
宅建設許可件数、小売売上高が共に事前予想を大きく上回る伸びとなった事を考慮すると、14日の豪雇用統
計が仮に予想以上の好結果となれば、素直に追加利上げ期待に繋がり、豪ドルにとっても上昇要因となろう。