ドル下落!FOMC議事要旨は利上げに慎重姿勢!
昨日のドル円は、111.765円で取引を開始し、東京市場では「米系短期勢から買いが観測された」との指摘もあり、111.99円近辺まで値を上げました。米格付け会社ムーディーズによる中国格下げを受けて豪ドル円が下落したほか、日経平均株価の上げ幅縮小も横目にドル円は111.73円付近まで失速しましたが、その後112.02円近辺まで持ち直しました。欧州市場では、NZドル円を中心にクロス円が上昇した影響を受けドル円は112.04円近辺まで上昇するも、対資源国通貨などでドル安が進んだ影響を受け111.70円付近まで下落する場面もみられたため方向感を欠く値動きとなりました。NY市場では、米10年債利回りの上昇とともにドル買いが先行し、日通し高値となる112.12円近辺まで値を上げました。もっとも、米5年債入札後に米長期金利の上昇が一服すると伸び悩む展開になりました。発表が注目されていた5月2-3日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「追加利上げの前に最近の弱含みの経済指標が一過性であるというさらなる証拠を待つのが賢明」「大半のメンバーは弱含みが過ぎ去ると予想しており、まもなく引き締めが適切になるとの公算が高いと判断」「数人のメンバーはインフレ目標進展の遅れを懸念」などの見解が示されました。これを受け米長期金利が低下幅を広げると、ドル円は日通し安値となる111.48円付近まで値を下げ、前日比では0.340円安い111.478円で取引を終えました。
≪2017年05月24日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」 売り37% 買い63%
ユーロ・円 :「ベア」 売り72% 買い28%
英ポンド・円 :「ベア」 売り55% 買い45%
豪ドル・円 :「ブル」 売り21% 買い79%
NZドル・円 :「ブル」 売り26% 買い74%
ユーロ・ドル :「ベア」 売り77% 買い23%
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債) 前週分
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式) 前週分
09:00 SGD 四半期国内総生産(GDP、確定値)[前期比年率] 1-3月期
17:30 GBP 四半期国内総生産(GDP、改定値)[前期比] 1-3月期
17:30 GBP 四半期国内総生産(GDP、改定値)[前年同期比] 1-3月期
18:30 ZAR 卸売物価指数(PPI)[前月比] 4月
18:30 ZAR 卸売物価指数(PPI)[前年同月比] 4月
21:30 USD 新規失業保険申請件数 前週分
- 今日のトレードポイント -
5月2─3日のFOMCの議事要旨において、金融政策当局者が、最近の統計で示された経済成長の減速が一時的なものであることを示す根拠が確認できるまでは利上げは控えるべきだとの見方で一致していたことが明らかにされました。今後のドルは、米経済指標が大幅に改善されない場合、上値も限られてくる展開となるのではないでしょうか。また、トランプ政権とロシアを巡る疑惑も未だ未だ尾を引く様相を呈しています。以上のことから、本日のドル円は積極的にドルを買うより戻り売りを狙い短期的な利益を獲得するスタンスで取引に臨みたいです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 110.50-112.30
ユーロ・円 124.00-126.50
ポンド・円 142.00-148.50