ドル円は91円を示現!本格的な上げ相場になるか!?
昨日のドル円は、米労働市場の底打ち感や、金価格が大幅に値を削ったこともあって序盤は90.20円から90.70円付近までじり高となったものの、 本邦11月貿易収支(通関ベース)は+3739億円と予想+3000億円を上回り、10ヶ月連続の黒字となり、円高へ反発した。その後は、今週から海外勢がクリスマス休暇となるため、方向感のない展開となったが、大手米銀がアルミ大手の【アルコア】に対する投資判断を引上げた事をきっかけに、米株式市場が軒並み上昇。これを受け、リスク回避志向が後退し、米債利回りが上昇。結果、米長期金利の上昇を受けた円売り・ドル買いが加速して91円を上抜けると、ストップロスを誘発。11月4日以来の高値となる91.260円まで値を上げ、91.129円で引けた。
ユーロ円は、中東の地政学的リスクや欧州の信用不安を背景に引き続きユーロ売り圧力が高まる中、序盤は対スイスフランでユーロ売りが強まったことにつられて、対円も129.177円まで下落。しかし、クリスマス休暇を控えて市場参加者が少なく下げも限定的となると、白川日銀総裁が「緩やかな物価下落しばらく続く」「粘り強く実質ゼロ金利を続け、需給バランス改善を図っていく」等とコメント。特に後者のコメントが意識され、円は主要通貨に対しジリ安の展開となって、130円まで持ち直すと高値圏でもみ合い、130.173円で取引を終えた。
さて本日のドル円だが、クリスマス休暇で取引量は低下するものの、ドル買い・円売りの流れが固まりつつあり、薄商いで値が振れやすい相場となる中で、ドルが急騰するシナリオも捨てきれない。また、日銀がデフレに対抗する姿勢を打ち出し、市場の一部で追加金融緩和期待が浮上していることや、日本の財政悪化や景気回復の遅れなどを背景に円に対する敬遠ムードが広がっている上、鳩山首相の指導力不足も目立ってきており、日本の政治リスクも潜在的な円売り材料として意識したい。しかし、92円台は本邦輸出企業の想定為替レートとあって売り圧力は根強く、突破するには新しい材料が必要だろう。米国の出口戦略を巡る期待を高める可能性がある本日の米中古住宅販売件数で住宅市場回復の兆しが現れるかを見極めたい。
ユーロ円は、中東を巡る地政学的リスクや欧州のソブリン・リスクがくすぶっており、ユーロを敬遠してドルを買う動きが継続するとみることも出来る。また、FOMC声明を受けて米国の金利先高観が高まる一方、ECB高官は「流動性対策の変更は金融引き締めのシグナルではない」と強調しており、金利動向面でもユーロは劣勢に立たされている状況といえよう。米国の金利先高観・過剰流動性相場終焉の観測からドルを資金調達通貨としたキャリートレードの巻き戻しも無視できず、対ドルでのユーロの下落が本格化してきたため、対円も連れ安となる可能性は否定できず、市場のバイアスはやや弱気となろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 90.30-92.00
ユーロ・円 128.50-131.00
ポンド・円 144.50-147.00
【今日の主な経済指標】
16:00(独) 1月GFK消費者信頼感指数
16:45(仏) 11月生産者物価指数
18:30(英) 第3四半期GDP(確報値)
18:30(英) 第3四半期経常収支
19:00(ユーロ) 10月製造業受注
21:45(米) 週間チェーンストア売上高
22:30(米) 第3四半期個人消費価格指数
22:30(米) 第3四半期GDP(確報値)
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
00:00(米) 11月中古住宅販売件数
≪2009年12月21日クローズ時点≫
ドル・円 :「ベア」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ベア」
イラン軍によるイラク油田の一部占領を受けたイラン・イラク情勢の緊迫化に関して、イラク側は外
交手段による解決を模索しており、今のところ軍事衝突につながる可能性は小さいとみられている。
しかし、油田を占拠したイラン軍は、同油田からは撤退したものの、イラク領内にとどまっており、
部分的な小競り合いが発生する可能性は残っていることから、有事に強いドルが上昇。しかし参加者
は3週間続いた上げ相場だけに一時調整が入るとみて91円台では逆張りの「ベア」が優勢となった。
今後のドル円だが、金融不安や格付け不安が拡がる欧州と、労働市場に対し改善の期待が膨らむ米国
とのコントラストを背景に下落するユーロドルの下げがドル円に波及しそうだ。徐々にドルの反発が
明確になりつつあり、本格的な上げ相場になるか注目したい。
ポンド円は「ブル」
本日の第3四半期GDPや、明日のBOE(英中銀)議事録の発表を控え、参加者は様子見ムードとなった。
僅かに「ブル」が上回る展開。しかし、ポンドをめぐる環境は決して楽観は出来ない。ユーロつれ安
の可能性や、来年に控える総選挙、そして莫大な財政赤字といった政局・財政2つの懸念がある。財
政の悪化は今後の英国の格下げにもつながる可能性があり、軽視できないだろう。また、テクニカル
では、10月以来の三角持ち合いが煮詰まってきており、下に放れた場合は薄商いの中で急落となる可
能性も考えられよう。下値警戒を怠らないようにしたい。
豪ドル円は「ブル」
欧州のクレジット不安や中東を巡る地政学的リスクがくすぶる中、リスク資産を敬遠してドルや円に
シフトする動きや、商品相場も原油、金が共に1%強続落すると軟調な地合いとなった。参加者は一
時80円を割れる局面ではリバウンド狙いの買いが多く見られ「ブル」は継続。しかし、豪ドルは対ユ
ーロでも軟調な動きをしていることからも、その弱さが伺える。利上げ期待から豪ドルは最も資金を
呼び込んでいたが、豪GDPの結果や、バッテリーノ豪中銀副総裁の発言などから、次回2月利上げ期待
が後退している状況。投機筋も一旦、豪ドルロングを手放しているようで、潜在的な下落余地は小さ
くないといえ、更なる下値警戒を継続したい。
ユーロ円は、中東の地政学的リスクや欧州の信用不安を背景に引き続きユーロ売り圧力が高まる中、序盤は対スイスフランでユーロ売りが強まったことにつられて、対円も129.177円まで下落。しかし、クリスマス休暇を控えて市場参加者が少なく下げも限定的となると、白川日銀総裁が「緩やかな物価下落しばらく続く」「粘り強く実質ゼロ金利を続け、需給バランス改善を図っていく」等とコメント。特に後者のコメントが意識され、円は主要通貨に対しジリ安の展開となって、130円まで持ち直すと高値圏でもみ合い、130.173円で取引を終えた。
さて本日のドル円だが、クリスマス休暇で取引量は低下するものの、ドル買い・円売りの流れが固まりつつあり、薄商いで値が振れやすい相場となる中で、ドルが急騰するシナリオも捨てきれない。また、日銀がデフレに対抗する姿勢を打ち出し、市場の一部で追加金融緩和期待が浮上していることや、日本の財政悪化や景気回復の遅れなどを背景に円に対する敬遠ムードが広がっている上、鳩山首相の指導力不足も目立ってきており、日本の政治リスクも潜在的な円売り材料として意識したい。しかし、92円台は本邦輸出企業の想定為替レートとあって売り圧力は根強く、突破するには新しい材料が必要だろう。米国の出口戦略を巡る期待を高める可能性がある本日の米中古住宅販売件数で住宅市場回復の兆しが現れるかを見極めたい。
ユーロ円は、中東を巡る地政学的リスクや欧州のソブリン・リスクがくすぶっており、ユーロを敬遠してドルを買う動きが継続するとみることも出来る。また、FOMC声明を受けて米国の金利先高観が高まる一方、ECB高官は「流動性対策の変更は金融引き締めのシグナルではない」と強調しており、金利動向面でもユーロは劣勢に立たされている状況といえよう。米国の金利先高観・過剰流動性相場終焉の観測からドルを資金調達通貨としたキャリートレードの巻き戻しも無視できず、対ドルでのユーロの下落が本格化してきたため、対円も連れ安となる可能性は否定できず、市場のバイアスはやや弱気となろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 90.30-92.00
ユーロ・円 128.50-131.00
ポンド・円 144.50-147.00
【今日の主な経済指標】
16:00(独) 1月GFK消費者信頼感指数
16:45(仏) 11月生産者物価指数
18:30(英) 第3四半期GDP(確報値)
18:30(英) 第3四半期経常収支
19:00(ユーロ) 10月製造業受注
21:45(米) 週間チェーンストア売上高
22:30(米) 第3四半期個人消費価格指数
22:30(米) 第3四半期GDP(確報値)
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
00:00(米) 11月中古住宅販売件数
≪2009年12月21日クローズ時点≫
ドル・円 :「ベア」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ベア」
イラン軍によるイラク油田の一部占領を受けたイラン・イラク情勢の緊迫化に関して、イラク側は外
交手段による解決を模索しており、今のところ軍事衝突につながる可能性は小さいとみられている。
しかし、油田を占拠したイラン軍は、同油田からは撤退したものの、イラク領内にとどまっており、
部分的な小競り合いが発生する可能性は残っていることから、有事に強いドルが上昇。しかし参加者
は3週間続いた上げ相場だけに一時調整が入るとみて91円台では逆張りの「ベア」が優勢となった。
今後のドル円だが、金融不安や格付け不安が拡がる欧州と、労働市場に対し改善の期待が膨らむ米国
とのコントラストを背景に下落するユーロドルの下げがドル円に波及しそうだ。徐々にドルの反発が
明確になりつつあり、本格的な上げ相場になるか注目したい。
ポンド円は「ブル」
本日の第3四半期GDPや、明日のBOE(英中銀)議事録の発表を控え、参加者は様子見ムードとなった。
僅かに「ブル」が上回る展開。しかし、ポンドをめぐる環境は決して楽観は出来ない。ユーロつれ安
の可能性や、来年に控える総選挙、そして莫大な財政赤字といった政局・財政2つの懸念がある。財
政の悪化は今後の英国の格下げにもつながる可能性があり、軽視できないだろう。また、テクニカル
では、10月以来の三角持ち合いが煮詰まってきており、下に放れた場合は薄商いの中で急落となる可
能性も考えられよう。下値警戒を怠らないようにしたい。
豪ドル円は「ブル」
欧州のクレジット不安や中東を巡る地政学的リスクがくすぶる中、リスク資産を敬遠してドルや円に
シフトする動きや、商品相場も原油、金が共に1%強続落すると軟調な地合いとなった。参加者は一
時80円を割れる局面ではリバウンド狙いの買いが多く見られ「ブル」は継続。しかし、豪ドルは対ユ
ーロでも軟調な動きをしていることからも、その弱さが伺える。利上げ期待から豪ドルは最も資金を
呼び込んでいたが、豪GDPの結果や、バッテリーノ豪中銀副総裁の発言などから、次回2月利上げ期待
が後退している状況。投機筋も一旦、豪ドルロングを手放しているようで、潜在的な下落余地は小さ
くないといえ、更なる下値警戒を継続したい。