今週はクリスマス休暇で薄商い、ドル円は90円キープできるか!?
金曜日のドル円は乱高下する展開。序盤は前日のNYダウ、平均株価が軒並み下落したことに加え、「パキスタンでクーデター?」との噂がリスク回避的な円買いを加速、ドル円は一時89円を割込む展開となった。その後、パキスタン大統領報道官がクーデターの噂を否定すると流れは一変。円売りに転じ、ドル円は一時90.908円と11月4日以来の高値を付けた。また、日銀の金融政策決定会合で、「追加の金融緩和余地」があると見なされたことも「円売り・ドル買い」に拍車をかける形となって、90円台にしっかりと乗せ90.446円で取引を終えた。
ユーロ円一進一退。序盤は、パキスタンでクーデターが発生との噂もあり、対スイスフランでのユーロが暴落したことが波及し対円でも127.413円まで急落。その後、パキスタンの国防相が出国を差し止められたことがクーデターに曲解されただけと判明すると、下落に対するリバウンドの動きが強まったことも加わり、130円付近まで急速に回復する展開となった。その後も、NYダウ先物や原油相場が堅調な値動きとなったことで一時130.018円まで上昇し、129.734円で引けた。
今週の展望
今週のドル円だが、中古・新築住宅販売件数や耐久財受注など重要指標の発表も予定されているものの、クリスマス週ということもあり、市場参加者が極端に少なくなることから、積極的な取引は期待できず、動意薄の展開が見込まれる。そこで注目されるのが、先週末、日銀の金融政策決定会合で発表された内容だ。デフレ脱却に向けて「中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく方針」を示し、一段と強い姿勢でデフレに臨むことが確認され、すでに0.1%としている無担保コールレートを、今後0~0.1%のレンジにする可能性も否定できない為、円買い意欲を抑えるような心理的効果がでれば、90円台をキープすることが出来るかもしれない。
一方のユーロ円だが、先週金曜日発表された独IFO景況指数は、現況指数及び期待指数ともに改善。さらに、ユーロ圏10月貿易収支は88億ユーロの黒字となり、前月から黒字幅を拡大したにもかかわらず、マーケットの反応は明らかに鈍く、欧州圏の金融信用不安の深刻さを再確認する形となった。ギリシャの信用格下げ問題は沈静化へと向かいつつあったものの、欧州中小国のカントリーリスクが拡がりをみせており、ECB(欧州中銀)は「ユーロ圏銀行の評価損予想を13%引き上げ5530億ユーロに」との見解を述べた。評価損拡大のリスクとしてあげられたのは「商業用不動産と中央・東ヨーロッパへの債券」。これらのリスクから、1870億ユーロの追加の損失が発生する可能性を指摘している。日々新しい懸念材料が浮き彫りになる欧州信用問題。沈静化するまではユーロ円の上値は重いかもしれない。
ポンド円は、ドバイ懸念がアブダビの支援を背景にいったん後退したことや、雇用指標の改善はポンド円にとっては好材料となりそうだ。また今週火曜日には、第3四半期の英GDP確報値が上昇修正されるとの事前予想になっており、さらに英GDPが予想を上振れする展開となれば、150円台も視野に入ってこよう。しかしながら、英国はG10で最大の財政赤字を抱えていること、さらには来年に総選挙を控えて政治的混乱が懸念材料でもあることから、バイアスは傾けずらい。英国の「財政・政局」不安材料として燻るなか、22日には第3四半期GDP、経常収支、23日には英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨と重要イベントを控えており注目したい。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 87.00- 91.50
ユーロ・円 124.00-131.00
ポンド・円 140.00-148.00
【今週の主な経済指標】
12/21
08:50(日) 11月貿易統計
22:30(加) 10月小売売上高
12/22
06:45(NZ) 第3四半期経常収支
16:00(独) 1月GFK消費者信頼感指数
16:45(仏) 11月生産者物価指数
18:30(英) 第3四半期GDP(確報値)
18:30(英) 第3四半期経常収支
19:00(ユーロ) 10月製造業受注
21:45(米) 週間チェーンストア売上高
22:30(米) 第3四半期個人消費価格指数
22:30(米) 第3四半期GDP(確報値)
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
00:00(米) 11月中古住宅販売件数
12/23
06:45(NZ) 第3四半期GDP
16:45(仏) 11月消費支出
21:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数
22:30(米) 11月個人消費価格コア指数
22:30(米) 11月個人消費価格指数
22:30(米) 11月個人所得
22:30(加) 10月GDP
23:55(米) 12月ミシガン大消費者信頼感指数
00:00(米) 11月新築住宅販売件数
12/24
22:30(米) 11月耐久財受注
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数
12/25
08:30(日) 11月全国消費者物価コア指数
08:30(日) 11月失業率
≪2009年12月18日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
ドルの反発相場が3週間も続いているとこから、参加者の戻り売りが目立ち拮抗したが僅かに「ブル」
が優勢。年末ということもあって、これまでドルを売り持ちにしていた玉が、持ち高を解消し始める
と、ドルの反発はさらに加速する可能性もあるだろう。クリスマス休暇を控えて市場の商いが薄くな
ることが見込まれる中、ポジション調整などの突発的なフローには注意を払いたい。
ポンド円は「ブル」
英11月失業保険申請件数および失業率の好結果や、欧州信用不安からユーロ売りが活発化すると、対
ユーロでポンドが上昇。これを支えに参加者は「強気」スタンス継続となっている。ただし、欧州の
ソブリン・リスクが英国に飛び火する可能性も排除できないことから、常に下落リスクを警戒してお
きたい。また、今週はクリスマス休暇を控えて市場参加者が減少し、突発的なフローに振らされやす
いので、こちらも注意が必要だ。
豪ドル円は「ブル」
イラン軍がイラク南部の国境付近にある油田地帯に侵攻したことで、原油や金価格が堅調に推移。参
加者の資源国通貨買いから「ブル」。年末までのイベントを一通りこなした豪州だが、地合いはかな
り悪いと言わざるを得ない。キャリートレードの巻き戻しが一段と強まる可能性、豪準備銀行の追加
利上げ観測も後退していることなど、今週は慎重なスタンスで臨みたい。
ユーロ円一進一退。序盤は、パキスタンでクーデターが発生との噂もあり、対スイスフランでのユーロが暴落したことが波及し対円でも127.413円まで急落。その後、パキスタンの国防相が出国を差し止められたことがクーデターに曲解されただけと判明すると、下落に対するリバウンドの動きが強まったことも加わり、130円付近まで急速に回復する展開となった。その後も、NYダウ先物や原油相場が堅調な値動きとなったことで一時130.018円まで上昇し、129.734円で引けた。
今週の展望
今週のドル円だが、中古・新築住宅販売件数や耐久財受注など重要指標の発表も予定されているものの、クリスマス週ということもあり、市場参加者が極端に少なくなることから、積極的な取引は期待できず、動意薄の展開が見込まれる。そこで注目されるのが、先週末、日銀の金融政策決定会合で発表された内容だ。デフレ脱却に向けて「中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく方針」を示し、一段と強い姿勢でデフレに臨むことが確認され、すでに0.1%としている無担保コールレートを、今後0~0.1%のレンジにする可能性も否定できない為、円買い意欲を抑えるような心理的効果がでれば、90円台をキープすることが出来るかもしれない。
一方のユーロ円だが、先週金曜日発表された独IFO景況指数は、現況指数及び期待指数ともに改善。さらに、ユーロ圏10月貿易収支は88億ユーロの黒字となり、前月から黒字幅を拡大したにもかかわらず、マーケットの反応は明らかに鈍く、欧州圏の金融信用不安の深刻さを再確認する形となった。ギリシャの信用格下げ問題は沈静化へと向かいつつあったものの、欧州中小国のカントリーリスクが拡がりをみせており、ECB(欧州中銀)は「ユーロ圏銀行の評価損予想を13%引き上げ5530億ユーロに」との見解を述べた。評価損拡大のリスクとしてあげられたのは「商業用不動産と中央・東ヨーロッパへの債券」。これらのリスクから、1870億ユーロの追加の損失が発生する可能性を指摘している。日々新しい懸念材料が浮き彫りになる欧州信用問題。沈静化するまではユーロ円の上値は重いかもしれない。
ポンド円は、ドバイ懸念がアブダビの支援を背景にいったん後退したことや、雇用指標の改善はポンド円にとっては好材料となりそうだ。また今週火曜日には、第3四半期の英GDP確報値が上昇修正されるとの事前予想になっており、さらに英GDPが予想を上振れする展開となれば、150円台も視野に入ってこよう。しかしながら、英国はG10で最大の財政赤字を抱えていること、さらには来年に総選挙を控えて政治的混乱が懸念材料でもあることから、バイアスは傾けずらい。英国の「財政・政局」不安材料として燻るなか、22日には第3四半期GDP、経常収支、23日には英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨と重要イベントを控えており注目したい。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 87.00- 91.50
ユーロ・円 124.00-131.00
ポンド・円 140.00-148.00
【今週の主な経済指標】
12/21
08:50(日) 11月貿易統計
22:30(加) 10月小売売上高
12/22
06:45(NZ) 第3四半期経常収支
16:00(独) 1月GFK消費者信頼感指数
16:45(仏) 11月生産者物価指数
18:30(英) 第3四半期GDP(確報値)
18:30(英) 第3四半期経常収支
19:00(ユーロ) 10月製造業受注
21:45(米) 週間チェーンストア売上高
22:30(米) 第3四半期個人消費価格指数
22:30(米) 第3四半期GDP(確報値)
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
00:00(米) 11月中古住宅販売件数
12/23
06:45(NZ) 第3四半期GDP
16:45(仏) 11月消費支出
21:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数
22:30(米) 11月個人消費価格コア指数
22:30(米) 11月個人消費価格指数
22:30(米) 11月個人所得
22:30(加) 10月GDP
23:55(米) 12月ミシガン大消費者信頼感指数
00:00(米) 11月新築住宅販売件数
12/24
22:30(米) 11月耐久財受注
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数
12/25
08:30(日) 11月全国消費者物価コア指数
08:30(日) 11月失業率
≪2009年12月18日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
ドルの反発相場が3週間も続いているとこから、参加者の戻り売りが目立ち拮抗したが僅かに「ブル」
が優勢。年末ということもあって、これまでドルを売り持ちにしていた玉が、持ち高を解消し始める
と、ドルの反発はさらに加速する可能性もあるだろう。クリスマス休暇を控えて市場の商いが薄くな
ることが見込まれる中、ポジション調整などの突発的なフローには注意を払いたい。
ポンド円は「ブル」
英11月失業保険申請件数および失業率の好結果や、欧州信用不安からユーロ売りが活発化すると、対
ユーロでポンドが上昇。これを支えに参加者は「強気」スタンス継続となっている。ただし、欧州の
ソブリン・リスクが英国に飛び火する可能性も排除できないことから、常に下落リスクを警戒してお
きたい。また、今週はクリスマス休暇を控えて市場参加者が減少し、突発的なフローに振らされやす
いので、こちらも注意が必要だ。
豪ドル円は「ブル」
イラン軍がイラク南部の国境付近にある油田地帯に侵攻したことで、原油や金価格が堅調に推移。参
加者の資源国通貨買いから「ブル」。年末までのイベントを一通りこなした豪州だが、地合いはかな
り悪いと言わざるを得ない。キャリートレードの巻き戻しが一段と強まる可能性、豪準備銀行の追加
利上げ観測も後退していることなど、今週は慎重なスタンスで臨みたい。