米小売売上高が事前予想を大きく上回る結果に!
先週金曜日のドル円は、日本時間に発表された中国経済指標の好結果を受けたアジア株高や、格付け機関ムーディーズによる「米国と英国のソブリン格付けに対する脅威はない」との報を受け、リスク選好度が高まった事から円売りが優勢となり、じりじりと88.90円台まで値を伸ばした。
ロンドン市場においてもリスク選好の動きが継続。大幅高となった日経平均株価に連られる形で欧州各国株価が上昇した事も買い支えとなり、ドル円は89.00円乗せを伺う動きとなった。
また、注目されていた米小売売上高は1.3%と事前予想(0.6%)を大きく上回り、2ヶ月連続でプラスを記録した事を受けてドル円は急騰、その後に発表されたミシガン大消費者態度指数も好結果となった事が後押し材料となり、ドル円は89.805円、ユーロ円は131.5991円とそれぞれこの日の高値をマークした。
一方ユーロ円においては、格付け機関S&Pがスペイン債務に関するレポートについて、ゴンザレス・パラモECB専務理事が「否定するのは困難」との見方を示し、他通貨と比べ上値の重い展開となった。ドル円は89.182円、ユーロ円は130.438円でそれぞれ取引を終えた。
今週の展望
先週はドバイ・ギリシャ・スペイン等での信用リスクの高まりによってリスク回避の動きが強まったものの、徐々に落ち着きを取り戻している。米・英のソブリン格付けに対する否定的な見方やギリシャがデフォルトに陥る等の懸念が後退している事も今後の支援材料となりそうだ。
来週はFOMC(15・16日)をはじめ、米住宅・製造関連の指標が目白押しとなっているため、個別の指標で上下に振れる可能性を秘めている。さらにクリスマス・年末商戦を前に消費関連の期待感からドル買い優勢の展開が予想される。ただし、今年の4/6高値(101.441円)を起点とした下降トレンドから抜け出してはいないため、売圧力の強まる12/4高値(90.769円)近辺まで上昇した場合は、市場の高値警戒感に注意したい。
ユーロ円においては、信用不安に敏感に反応する傾向が強まっている事から、ドバイ株や欧州域内に対する格付け機関によるコメントに注意したい。12/4高値(134.559円)から12/11安値(131.599円)までの下落に対し、週末には半値近く値を戻したものの、すぐさま反落。他通貨以上に戻り売り圧力は強く、日足ベースでは長い上髭となっており基調の弱さが伺える。
豪ドル円は低金利長期化見通しの欧米とは対照的に利上げを実施、主要国との金利差が拡大した事を受けて、キャリートレードに伴う買いが入りやすい状況となっている。今週発表されるRBA議事録、第3四半期GDPにも期待が高まっており、今後の利上げ期待を高める内容となった場合は独歩高のシナリオも考えられる。
【今週の予想レンジ】
ドル ・円 87.00-91.00
ユーロ・円 127.00-132.00
ポンド・円 141.00-149.00
【今週の主な経済指標】
12/14
08:50(日) 11月調査日銀短観/大企業製造業DI
08:50(日) 11月調査日銀短観/大企業非製造業DI
08:50(日) 11月調査日銀短観/中小企業製造業DI
08:50(日) 11月調査日銀短観/中小企業非製造業DI
13:30(日) 10月鉱工業生産(改訂値)
17:15(スイス) 11月生産者輸入物価指数
22:30(加) 第3四半期設備稼働率
12/15
07:30(米) サマーズ米国家経済会議委員長講演
17:15 (スイス) 第3四半期鉱工業生産
18:30(英) 11月小売物価コア指数
18:30(英) 11月小売物価指数
18:30(英) 11月消費者物価指数
19:00(独) 12月ZEW景気期待指数
21:45(米) 週間チェーンストア売上高
22:30(加) 第3四半期労働生産性指数
22:30(米) 12月NY州製造業景気指数
22:30(加) 11月景気先行指数
22:30(米) 11月生産者物価指数
22:30(米) 11月生産者物価コア指数
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
23:00(米) 10月対米証券投資
23:00(米) 10月財務省対米証券投資
23:15(米) 11月鉱工業生産
23:15(米) 11月設備稼働率
12/16
09:30(豪) 第3四半期民間設備投資
09:30(豪) 第3四半期GDP
18:30(英) 10月平均所得(7月~9月)
19:00(ユーロ) 11月消費者物価指数(確報値)
21:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数
22:30(米) 第3四半期経常収支
22:30(米) 11月実質所得
22:30(米) 11月消費者物価指数
22:30(米) 11月消費者物価コア指数
22:30(米) 11月住宅着工件数
22:30(米) 11月住宅着工許可件数
12/17
04:15(米) FOMC(政策金利)
14:00(日) 10月景気動向指数CI(改定値)
18:30(南ア) 11月生産者物価指数
18:30(英) 11月小売売上高
21:00(加) 11月消費者物価指数
21:00(加) 11月消費者物価コア指数
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数
12/18
(日) 日銀金融政策決定会合(政策金利)
00:00(米) 12月フィラデルフィア地区連銀業況指数
00:00(米) 11月景気先行指数
16:00(独) 11月生産者物価指数
18:00(ユーロ) 10月経常収支
18:00(独) 12月IFO業況指数
18:30(英) 11月マネーサプライ
19:00(ユーロ) 10月貿易収支
22:30(加) 10月卸売売上高
さて、マーケット参加者のポジションは......
≪2009年12月11日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
小売、ミシガン大学消費者信頼感指数の好結果を受け、ドル円は88円後半から一気に反発すると
89.805円まで水準を伸ばした。参加者は米国の個人消費に対する明るい見通しが台頭したことで
「ブル」を選択。米格付け会社ムーディーズも「現時点で米国のトリプルA格付けを見直す計画
はない」との見方が報道されたことも今後のドル円のサポートとなろう、また、本日は日銀短観
の改善ペースは大きく減速する見通しで、市場の円買い意欲を削ぐ可能性があり、底堅い動きが
続く可能性が高いかも知れない。
ユーロ円は「ブル」
日経平均の大幅上昇や中国の経済指標が全体的に強めとなったことを受けてリスク選好ムードか
ら参加者の「強気」が継続されたが、年末を控えたリパトリやポジション解消によるユーロ売り
圧力がいつ再開してもおかしくはない。また、本日はドバイ政府系持ち株会社ドバイ・ワールド
系列の不動産開発会社ナヒールが発行した35億ドル相当のイスラム債の償還期限が到来すること
から、デフォルト懸念が高まりリスク回避が再び広がるシナリオも捨て切れないだろう。ユーロ
の潜在的な下落リスクは小さくなく、慎重スタンスで望みたい。
豪ドル円は「ブル」
金など商品市場の下落が一服したことや、ドバイの債務問題や欧州のソブリン・リスクの影響も
小さいとみて、参加者は豪ドルには引き続き「ブル」。堅調な豪ファンダメンタルズから今後も
上値拡大の期待はもてるが、今週の火曜・水曜日に開催されるFOMCの声明を控えてセンチメント
が変化しやすいこともあり、バイアスの傾けすぎには注意が必要となろう。
ロンドン市場においてもリスク選好の動きが継続。大幅高となった日経平均株価に連られる形で欧州各国株価が上昇した事も買い支えとなり、ドル円は89.00円乗せを伺う動きとなった。
また、注目されていた米小売売上高は1.3%と事前予想(0.6%)を大きく上回り、2ヶ月連続でプラスを記録した事を受けてドル円は急騰、その後に発表されたミシガン大消費者態度指数も好結果となった事が後押し材料となり、ドル円は89.805円、ユーロ円は131.5991円とそれぞれこの日の高値をマークした。
一方ユーロ円においては、格付け機関S&Pがスペイン債務に関するレポートについて、ゴンザレス・パラモECB専務理事が「否定するのは困難」との見方を示し、他通貨と比べ上値の重い展開となった。ドル円は89.182円、ユーロ円は130.438円でそれぞれ取引を終えた。
今週の展望
先週はドバイ・ギリシャ・スペイン等での信用リスクの高まりによってリスク回避の動きが強まったものの、徐々に落ち着きを取り戻している。米・英のソブリン格付けに対する否定的な見方やギリシャがデフォルトに陥る等の懸念が後退している事も今後の支援材料となりそうだ。
来週はFOMC(15・16日)をはじめ、米住宅・製造関連の指標が目白押しとなっているため、個別の指標で上下に振れる可能性を秘めている。さらにクリスマス・年末商戦を前に消費関連の期待感からドル買い優勢の展開が予想される。ただし、今年の4/6高値(101.441円)を起点とした下降トレンドから抜け出してはいないため、売圧力の強まる12/4高値(90.769円)近辺まで上昇した場合は、市場の高値警戒感に注意したい。
ユーロ円においては、信用不安に敏感に反応する傾向が強まっている事から、ドバイ株や欧州域内に対する格付け機関によるコメントに注意したい。12/4高値(134.559円)から12/11安値(131.599円)までの下落に対し、週末には半値近く値を戻したものの、すぐさま反落。他通貨以上に戻り売り圧力は強く、日足ベースでは長い上髭となっており基調の弱さが伺える。
豪ドル円は低金利長期化見通しの欧米とは対照的に利上げを実施、主要国との金利差が拡大した事を受けて、キャリートレードに伴う買いが入りやすい状況となっている。今週発表されるRBA議事録、第3四半期GDPにも期待が高まっており、今後の利上げ期待を高める内容となった場合は独歩高のシナリオも考えられる。
【今週の予想レンジ】
ドル ・円 87.00-91.00
ユーロ・円 127.00-132.00
ポンド・円 141.00-149.00
【今週の主な経済指標】
12/14
08:50(日) 11月調査日銀短観/大企業製造業DI
08:50(日) 11月調査日銀短観/大企業非製造業DI
08:50(日) 11月調査日銀短観/中小企業製造業DI
08:50(日) 11月調査日銀短観/中小企業非製造業DI
13:30(日) 10月鉱工業生産(改訂値)
17:15(スイス) 11月生産者輸入物価指数
22:30(加) 第3四半期設備稼働率
12/15
07:30(米) サマーズ米国家経済会議委員長講演
17:15 (スイス) 第3四半期鉱工業生産
18:30(英) 11月小売物価コア指数
18:30(英) 11月小売物価指数
18:30(英) 11月消費者物価指数
19:00(独) 12月ZEW景気期待指数
21:45(米) 週間チェーンストア売上高
22:30(加) 第3四半期労働生産性指数
22:30(米) 12月NY州製造業景気指数
22:30(加) 11月景気先行指数
22:30(米) 11月生産者物価指数
22:30(米) 11月生産者物価コア指数
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高
23:00(米) 10月対米証券投資
23:00(米) 10月財務省対米証券投資
23:15(米) 11月鉱工業生産
23:15(米) 11月設備稼働率
12/16
09:30(豪) 第3四半期民間設備投資
09:30(豪) 第3四半期GDP
18:30(英) 10月平均所得(7月~9月)
19:00(ユーロ) 11月消費者物価指数(確報値)
21:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数
22:30(米) 第3四半期経常収支
22:30(米) 11月実質所得
22:30(米) 11月消費者物価指数
22:30(米) 11月消費者物価コア指数
22:30(米) 11月住宅着工件数
22:30(米) 11月住宅着工許可件数
12/17
04:15(米) FOMC(政策金利)
14:00(日) 10月景気動向指数CI(改定値)
18:30(南ア) 11月生産者物価指数
18:30(英) 11月小売売上高
21:00(加) 11月消費者物価指数
21:00(加) 11月消費者物価コア指数
22:30(米) 週間新規失業保険申請件数
12/18
(日) 日銀金融政策決定会合(政策金利)
00:00(米) 12月フィラデルフィア地区連銀業況指数
00:00(米) 11月景気先行指数
16:00(独) 11月生産者物価指数
18:00(ユーロ) 10月経常収支
18:00(独) 12月IFO業況指数
18:30(英) 11月マネーサプライ
19:00(ユーロ) 10月貿易収支
22:30(加) 10月卸売売上高
さて、マーケット参加者のポジションは......
≪2009年12月11日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
小売、ミシガン大学消費者信頼感指数の好結果を受け、ドル円は88円後半から一気に反発すると
89.805円まで水準を伸ばした。参加者は米国の個人消費に対する明るい見通しが台頭したことで
「ブル」を選択。米格付け会社ムーディーズも「現時点で米国のトリプルA格付けを見直す計画
はない」との見方が報道されたことも今後のドル円のサポートとなろう、また、本日は日銀短観
の改善ペースは大きく減速する見通しで、市場の円買い意欲を削ぐ可能性があり、底堅い動きが
続く可能性が高いかも知れない。
ユーロ円は「ブル」
日経平均の大幅上昇や中国の経済指標が全体的に強めとなったことを受けてリスク選好ムードか
ら参加者の「強気」が継続されたが、年末を控えたリパトリやポジション解消によるユーロ売り
圧力がいつ再開してもおかしくはない。また、本日はドバイ政府系持ち株会社ドバイ・ワールド
系列の不動産開発会社ナヒールが発行した35億ドル相当のイスラム債の償還期限が到来すること
から、デフォルト懸念が高まりリスク回避が再び広がるシナリオも捨て切れないだろう。ユーロ
の潜在的な下落リスクは小さくなく、慎重スタンスで望みたい。
豪ドル円は「ブル」
金など商品市場の下落が一服したことや、ドバイの債務問題や欧州のソブリン・リスクの影響も
小さいとみて、参加者は豪ドルには引き続き「ブル」。堅調な豪ファンダメンタルズから今後も
上値拡大の期待はもてるが、今週の火曜・水曜日に開催されるFOMCの声明を控えてセンチメント
が変化しやすいこともあり、バイアスの傾けすぎには注意が必要となろう。