クロス円全面高!ドル円は85円も視野に
昨日のドル円は、米感謝祭休暇を控えて薄商いとなる中、FOMC議事録でのドル安容認姿勢や、米国の低金利長期化観測、ドルの基軸通貨としての信認低下などを背景としたドル安の展開が継続。断続的な損切りを巻き込みつつ一時86.289円付近まで下落し、14年ぶりの円高水準を記録した。その後、藤井財務相は「異常な為替変動に対しては適切な措置を取らなければならない」、「為替市場の動きを極めて注視している」などと牽制を繰り返したものの、反発は限定的となり、86.549円で引けた。
ユーロ円はドル円が86円台を示現するとユーロ円もつられるように急落。また、原油安が進んだほか、NYダウ先物や上海株の軟調な推移を受けて下げ幅を拡大した。その後も、独消費者物価指数が悪化するなどの影響から欧州株式市場が大幅安となり、リスク回避の流れが加速すると、さらに下方バイアスが強まって、参加者が少ない中130円割れから129.513円まで下値を拡大し、130.017円で取引を終えた。
一方ポンド円も暴落。ドル円がストップロスを巻き込んで売られたことをきっかけに円買い・ポンド売りが入った。ダウ先物が下げ幅を拡大するとポンド円自体の売りも膨らんだ。さらに、ドバイ政府系持ち株会社である「ドバイ・ワールド」が債務の返済延期を要請するという計画が報道されたことにより、英系銀行がドバイ・ワールド向けの債券を大量に保有しているということで、デフォルトリスクの高まりがポンドを圧迫する要因となって2.970円安の142.976円で引けた。
さて本日のドル円だが、FRBがドル安を容認しているとの見方が強まっていることや、ドルの信認低下に歯止めがかからない中、ドルは売られやすい地合が継続する可能性は捨てきれず、下値警戒は怠れないだろう。また、藤井財務相が円高を注視する姿勢を強める一方で、野田財務副大臣は「現段階で為替市場への介入は考えていない」とも発言しており、現段階での日銀・政府による円売り介入の可能性は低いと考えられる。ただ、85円に向けてさらに円高が加速するようなら介入観測が強まることが予想される為、要人発言には注目したい。
ユーロは、米国の低金利長期化観測や株高・商品高を背景としたドル安局面で、ドルの信認が急激に回復する要因は見当たらないことから、対ドルでは強気な相場が続くかも知れない。対円では、商品相場の金価格が一服し、一旦調整が入る可能性もあり、前日の円高によって日経平均が軟調に推移すれば、リスク回避の展開となり、更なる円高も考えられる為、リスク許容度の変化に注意が必要となりそうだ。
[本日の予想レンジ]
ドル ・円 85.50-88.00
ユーロ・円 129.50-132.00
ポンド・円 141.00-144.00
【本日の主な経済指標】
08:30(日) 全国消費者物価指数
08:30(日) 有効求人倍率
08:30(日) 失業率
08:50(日) 小売業販売額
19:00(欧) 消費者信頼感
19:30(ス) KOF景気先行指数
22:30(加) 四半期経常収支
さて、マーケット参加者のポジションは......
≪2009年11月25日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
14年ぶりの安値に買いが殺到し「ブル」。株価下落やドバイの資金繰り危機からのリスク
回避や、ドル不信任といったことで、消去法的な選好を受けて円が急進する結果となった。
円のファンダメンタルズを鑑みれば、このまま円独歩高とは考えにくいものの、ダウ先物
も190ドル近い下落、原油や金相場が上値が重くなっており、リスク回避継続となれば、
さらなる下落には備えておきたい。また、ミスター円こと榊原元財務官がドル円は85円台
まで下落する可能性を指摘するなど、85円台を意識した攻防となろうか。
ポンド円は「ブル」
円買いのモメンタムが急上昇したことや、英国の景気回復の鈍さに加えて、英中銀のハト
派的スタンスからポンド安容認姿勢を嫌気したポンド売りが優勢となり約3円の下落とな
ったが、参加者の逆張りスタンスに変わりはなく「ブル」。ファンダメンタルズの脆弱さ
から厳しい展開が予想され、更なる下落余地の可能性も否定できず、今後は10/7に付けた
139.694円が目安となろうか
豪ドル円は「ブル」
豪ドルは、豪第3四半期民間設備投資が前期比-3.9%と予想外の減少となったことや、日
経平均を含むアジア株やNYダウ先物が軟調に推移したことで売りが優勢となりは一気に80
円台を通過し一時78.750円まで大幅に下落。参加者は来週RBAでの0.25%の利上げ期待を
背景に、80円割れでは押し目買いが多く見られ、約90%が「ブル」となった。
ユーロ円はドル円が86円台を示現するとユーロ円もつられるように急落。また、原油安が進んだほか、NYダウ先物や上海株の軟調な推移を受けて下げ幅を拡大した。その後も、独消費者物価指数が悪化するなどの影響から欧州株式市場が大幅安となり、リスク回避の流れが加速すると、さらに下方バイアスが強まって、参加者が少ない中130円割れから129.513円まで下値を拡大し、130.017円で取引を終えた。
一方ポンド円も暴落。ドル円がストップロスを巻き込んで売られたことをきっかけに円買い・ポンド売りが入った。ダウ先物が下げ幅を拡大するとポンド円自体の売りも膨らんだ。さらに、ドバイ政府系持ち株会社である「ドバイ・ワールド」が債務の返済延期を要請するという計画が報道されたことにより、英系銀行がドバイ・ワールド向けの債券を大量に保有しているということで、デフォルトリスクの高まりがポンドを圧迫する要因となって2.970円安の142.976円で引けた。
さて本日のドル円だが、FRBがドル安を容認しているとの見方が強まっていることや、ドルの信認低下に歯止めがかからない中、ドルは売られやすい地合が継続する可能性は捨てきれず、下値警戒は怠れないだろう。また、藤井財務相が円高を注視する姿勢を強める一方で、野田財務副大臣は「現段階で為替市場への介入は考えていない」とも発言しており、現段階での日銀・政府による円売り介入の可能性は低いと考えられる。ただ、85円に向けてさらに円高が加速するようなら介入観測が強まることが予想される為、要人発言には注目したい。
ユーロは、米国の低金利長期化観測や株高・商品高を背景としたドル安局面で、ドルの信認が急激に回復する要因は見当たらないことから、対ドルでは強気な相場が続くかも知れない。対円では、商品相場の金価格が一服し、一旦調整が入る可能性もあり、前日の円高によって日経平均が軟調に推移すれば、リスク回避の展開となり、更なる円高も考えられる為、リスク許容度の変化に注意が必要となりそうだ。
[本日の予想レンジ]
ドル ・円 85.50-88.00
ユーロ・円 129.50-132.00
ポンド・円 141.00-144.00
【本日の主な経済指標】
08:30(日) 全国消費者物価指数
08:30(日) 有効求人倍率
08:30(日) 失業率
08:50(日) 小売業販売額
19:00(欧) 消費者信頼感
19:30(ス) KOF景気先行指数
22:30(加) 四半期経常収支
さて、マーケット参加者のポジションは......
≪2009年11月25日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
14年ぶりの安値に買いが殺到し「ブル」。株価下落やドバイの資金繰り危機からのリスク
回避や、ドル不信任といったことで、消去法的な選好を受けて円が急進する結果となった。
円のファンダメンタルズを鑑みれば、このまま円独歩高とは考えにくいものの、ダウ先物
も190ドル近い下落、原油や金相場が上値が重くなっており、リスク回避継続となれば、
さらなる下落には備えておきたい。また、ミスター円こと榊原元財務官がドル円は85円台
まで下落する可能性を指摘するなど、85円台を意識した攻防となろうか。
ポンド円は「ブル」
円買いのモメンタムが急上昇したことや、英国の景気回復の鈍さに加えて、英中銀のハト
派的スタンスからポンド安容認姿勢を嫌気したポンド売りが優勢となり約3円の下落とな
ったが、参加者の逆張りスタンスに変わりはなく「ブル」。ファンダメンタルズの脆弱さ
から厳しい展開が予想され、更なる下落余地の可能性も否定できず、今後は10/7に付けた
139.694円が目安となろうか
豪ドル円は「ブル」
豪ドルは、豪第3四半期民間設備投資が前期比-3.9%と予想外の減少となったことや、日
経平均を含むアジア株やNYダウ先物が軟調に推移したことで売りが優勢となりは一気に80
円台を通過し一時78.750円まで大幅に下落。参加者は来週RBAでの0.25%の利上げ期待を
背景に、80円割れでは押し目買いが多く見られ、約90%が「ブル」となった。