レンジ相場継続か? ドル円90円抜けきれず
昨日のドル円は、大方の予想通りの狭いレンジ内での取引となった。序盤、本邦株価や上海総合指数の軟調地合いからクロス円が軟化、安値89.282円をつけた。しかしその後、上海総合指数が下げ幅を縮小したのを受けクロス円の買戻しが強まり、高値90.037円をつけるなどいってこいの展開となった。ロンドン時間に入っても揉み合いながら何度か90円付近を試すが抜けきれず、一服するとアグレッシブに仕掛ける向きも次第に縮小、結局89.851円で取引を終えた。停滞感が漂っており、強い推移は期待しづらく下値余地を注視する向きが強い模様。上値抵抗帯は90円近辺で下値を探る相場が続く気配だ。
一方、ポンド円は急落。注目の英雇用統計だが、失業率は5.1%(前回:5.0%)と悪化したものの、予想とほぼ一致しておりサプライズは無かったが、ILO基準だと7.8%(前回:7.9%)と、予想(8.0%)より改善されていたこと、また、失業保険申請件数は前月比+12,900人(前回:+20,800人)と予想(+20,000人)より好結果を示したことを受けて市場はポンド買いで反応、高値151.168円まで急進した。しかしその後、英BOE(イングランド銀行)四半期インフレレポート発表後にキング英中銀総裁が、「量的緩和政策の打ち止め」については言及を避け、更なる金融緩和の可能性を含ませた。また「ポンド安が輸出を支援する」というような、ポンド安容認とも受け取れる発言をしたことが一気に相場を冷やし、安値148.572円をつけ、そのまま148.898円で引けた。
ユーロ円は、やや軟調。序盤は、ストップロスを巻き込んで、安値133.808円まで値を落としたが、中国株が下げ幅を縮小させると買い戻しが入り、アジア系中銀のユーロ買い、円の利益確定売りも相まって上伸を見せた。英BOEインフレレポートやキング英中銀総裁の発言を受けると対ポンドでの買い戻しで更にサポートされ、高値135.350円をつけたが、その後はじりじりと値を下げて結局、134.606円で取引を終えた。まとまったソブリン系売りも観測され、リスク選好の資金流入もここにきて一服といったところか。
本日の相場だが、先日米ダラス連銀のフィッシャー総裁が米国経済のリカバリーの脆弱さから、当面は超低金利を継続するとの見解を示したことで「リスク選好」も継続をみせている。その影響からドル円相場は積極性に欠けており、クロス円の動きに左右されることからも、今後の見通しについては不透明で、90円をにらんだレンジ相場がどちらに抜けるか見解の割れるところだ。また力強い中国の10月の鉱工業生産(結果:16.1% 予想:15.5% 前回:13.9%)などの経済指標発表もあり商品相場が堅調に推移したことで「リスク選好」となり、豪ドル円などの高金利通貨は底堅い展開が予測される。
[本日の予想レンジ]
ドル ・円 89.000- 90.300
ユーロ・円 131.800-135.300
ポンド・円 145.200-150.700
【本日の主な経済指標】
06:45 NZ)小売売上高指数
06:45 NZ)小売売上高指数【除自動車
06:45 NZ)第3四半期小売売上高指数
08:50 日)企業物価指数[前月比/前年比]
09:00 豪)消費者インフレ期待
09:30 豪)新規雇用者数
09:30 豪)失業率
13:00 日)首都圏新規マンション発売
16:45 仏)経常収支
17:00 欧)トゥンペル・グゲレルECB理事の講演
18:00 欧)ECB月例報告
19:00 欧)鉱工業生産[前月比/前年比]
21:00 米)MBA住宅ローン申請指数
22:30 米)週間新規失業保険申請件数
22:30 加)新築住宅価格指数
25:00 米)週間原油在庫
25:30 米)ガイトナー財務長官の講演
26:00 ス)ジョーダンSNB理事の講演
27:00 米)30年債入札
28:00 米)月次財政収支
28:00 欧)トリシェECB総裁の講演
さて、マーケット参加者のポジションは......
≪2009年11月11日クローズ時点≫
ドル・円 : 「ブル」
ユーロ・円 : 「ベア」
ユーロ・ドル : 「ベア」
英ポンド・円 : 「ブル」
豪ドル・円 : 「ブル」
NZドル・円 : 「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米国の為替市場と債券市場が休場明けということもあり、市場参加者のポジション取りが見られるだろう。
まずは継続のレンジ相場からの脱却のタイミングを図ることが肝要である。本日、起爆剤として期待でき
るのは米週間新規失業保険申請件数の発表だ。今後を占う上で動向には十分注意が必要だ。
ユーロ円は「ベア」
ユーロ高の様相から売り圧力が高まりベア。金相場が新高値圏に突入してきており、ユーロ高前触れだと
捉える向きもある。また中東マネーの流入観測もあることから、この流れが継続するようなら、特にユー
ロドルは年初来高値目前となっており、突破する可能性も視野に入ってくることから目が離せない。
ポンド円は「ブル」
英中銀発表等の一連の流れが嫌気されたものの参加者は割安感から強いブル。強く懸念された金融機関貸
出しについても、銀行バランスシート回復には時を要すること、信用供与は抑制継続を示唆したことなど
からポンド安歓迎の態度も見て取れ穏健な印象となったことから、そのイメージが払拭できなければ売り
トレンド継続にもなりかねず、買いポジションには慎重な判断が求められる。
一方、ポンド円は急落。注目の英雇用統計だが、失業率は5.1%(前回:5.0%)と悪化したものの、予想とほぼ一致しておりサプライズは無かったが、ILO基準だと7.8%(前回:7.9%)と、予想(8.0%)より改善されていたこと、また、失業保険申請件数は前月比+12,900人(前回:+20,800人)と予想(+20,000人)より好結果を示したことを受けて市場はポンド買いで反応、高値151.168円まで急進した。しかしその後、英BOE(イングランド銀行)四半期インフレレポート発表後にキング英中銀総裁が、「量的緩和政策の打ち止め」については言及を避け、更なる金融緩和の可能性を含ませた。また「ポンド安が輸出を支援する」というような、ポンド安容認とも受け取れる発言をしたことが一気に相場を冷やし、安値148.572円をつけ、そのまま148.898円で引けた。
ユーロ円は、やや軟調。序盤は、ストップロスを巻き込んで、安値133.808円まで値を落としたが、中国株が下げ幅を縮小させると買い戻しが入り、アジア系中銀のユーロ買い、円の利益確定売りも相まって上伸を見せた。英BOEインフレレポートやキング英中銀総裁の発言を受けると対ポンドでの買い戻しで更にサポートされ、高値135.350円をつけたが、その後はじりじりと値を下げて結局、134.606円で取引を終えた。まとまったソブリン系売りも観測され、リスク選好の資金流入もここにきて一服といったところか。
本日の相場だが、先日米ダラス連銀のフィッシャー総裁が米国経済のリカバリーの脆弱さから、当面は超低金利を継続するとの見解を示したことで「リスク選好」も継続をみせている。その影響からドル円相場は積極性に欠けており、クロス円の動きに左右されることからも、今後の見通しについては不透明で、90円をにらんだレンジ相場がどちらに抜けるか見解の割れるところだ。また力強い中国の10月の鉱工業生産(結果:16.1% 予想:15.5% 前回:13.9%)などの経済指標発表もあり商品相場が堅調に推移したことで「リスク選好」となり、豪ドル円などの高金利通貨は底堅い展開が予測される。
[本日の予想レンジ]
ドル ・円 89.000- 90.300
ユーロ・円 131.800-135.300
ポンド・円 145.200-150.700
【本日の主な経済指標】
06:45 NZ)小売売上高指数
06:45 NZ)小売売上高指数【除自動車
06:45 NZ)第3四半期小売売上高指数
08:50 日)企業物価指数[前月比/前年比]
09:00 豪)消費者インフレ期待
09:30 豪)新規雇用者数
09:30 豪)失業率
13:00 日)首都圏新規マンション発売
16:45 仏)経常収支
17:00 欧)トゥンペル・グゲレルECB理事の講演
18:00 欧)ECB月例報告
19:00 欧)鉱工業生産[前月比/前年比]
21:00 米)MBA住宅ローン申請指数
22:30 米)週間新規失業保険申請件数
22:30 加)新築住宅価格指数
25:00 米)週間原油在庫
25:30 米)ガイトナー財務長官の講演
26:00 ス)ジョーダンSNB理事の講演
27:00 米)30年債入札
28:00 米)月次財政収支
28:00 欧)トリシェECB総裁の講演
さて、マーケット参加者のポジションは......
≪2009年11月11日クローズ時点≫
ドル・円 : 「ブル」
ユーロ・円 : 「ベア」
ユーロ・ドル : 「ベア」
英ポンド・円 : 「ブル」
豪ドル・円 : 「ブル」
NZドル・円 : 「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米国の為替市場と債券市場が休場明けということもあり、市場参加者のポジション取りが見られるだろう。
まずは継続のレンジ相場からの脱却のタイミングを図ることが肝要である。本日、起爆剤として期待でき
るのは米週間新規失業保険申請件数の発表だ。今後を占う上で動向には十分注意が必要だ。
ユーロ円は「ベア」
ユーロ高の様相から売り圧力が高まりベア。金相場が新高値圏に突入してきており、ユーロ高前触れだと
捉える向きもある。また中東マネーの流入観測もあることから、この流れが継続するようなら、特にユー
ロドルは年初来高値目前となっており、突破する可能性も視野に入ってくることから目が離せない。
ポンド円は「ブル」
英中銀発表等の一連の流れが嫌気されたものの参加者は割安感から強いブル。強く懸念された金融機関貸
出しについても、銀行バランスシート回復には時を要すること、信用供与は抑制継続を示唆したことなど
からポンド安歓迎の態度も見て取れ穏健な印象となったことから、そのイメージが払拭できなければ売り
トレンド継続にもなりかねず、買いポジションには慎重な判断が求められる。