FXレポート

祝日を前に様子見の展開! 狭いレンジ取引に終始

昨日のドル円は、方向感にかける小動きの展開。格付け機関フィッチ・レーティングスが「英国は主要国で最もAAAの格付けを失うリスクがある」と発表したことを受けドル円も連れ安となり安値89.676円をつけたが、売りが一巡するとクロス円の買戻しを受け、ドル円も高値90.175円まで戻す値動きとなった。その後、時間外のNYダウ先物や商品相場が軟調に推移したことからクロス円に売りが膨らむと、再度連れ安の様相を呈し、そのまま安値圏の89.841円で取引を終えた。米国は主たる景気指標の予定はなく、材料に欠ける狭いレンジ相場の様相で、他通貨に振り回されるなど冴えない。本日の米ベテランズデー(退役軍人の日)を控えていたことも一因だろう。

一方ポンド円は、序盤の151.025円が高値となり、英国の格付け引き下げ懸念の高まりからポンド売りが活発化、一気に急落し安値149.016円となり、その後は下げ幅を縮める展開で結局150.403円で取引を終えた。

ユーロ円は、NYダウ先物が時間外取引で下げ幅を縮小させたことを受けユーロ買いが散見され、高値135.381円まで上伸した。しかし、11月ZEW(独シンクタンクの欧州経済調査研究所)景況感指数の結果が51.1と、予想の55.0(前回56.0)より弱い内容であったことを受け、市場はユーロ売りで反応を示し、安値134.133をつけ、引けはそのまま134.623円となった。同景気期待指数は2ヶ月連続の低下となり、マーケットのユーロ圏経済に対する強い期待に待ったをかけた格好だ。


本日の相場だが、米国が退役軍人の日、カナダが戦没者追悼記念日となるため、為替市場・債券市場は市場参加者は限定的となり取引が手控えられると予想されるが、株式市場・商品市場は通常通りの取引となり目が離せない。

米国株価が堅調だとドルが主要通貨に対して売られる傾向が強く見られることから、ドル円は引き続き上値が重い展開となることが考えられる。ドル売り・円売りの地合いの中で、ドルが対円でも更に売り圧力が高まる可能性もあり、上値抵抗帯は引き続き90円近辺と見るも、下値は今月の安値89.178円(2日)付近を試すかもしれない。更には、ドルがユーロやポンドなどの相対的に金利の高い通貨に対して一段と下落してることで、ドル建てで取引される金や原油などの商品価格も高値圏で推移していることからも、高金利通貨などに資金が入る可能性も十分に期待できそうだ。



[本日の予想レンジ]

 ドル ・円   88.300- 90.300
 ユーロ・円 131.800-135.300
 ポンド・円 146.700-152.200



【本日の主な経済指標】

  08:30 豪)ウエストパック消費者信頼感指数
  08:50 日)機械受注
  09:30 米)フィッシャー:ダラス連銀総裁の講演
  11:00 中)鉱工業生産
  18:30 英)失業率
  18:30 英)失業保険申請件数
  19:30 英)BOE四半期インフレ報告
  19:30 英)キングBOE総裁の講演
  26:00 独)ウェーバー:ドイツ連銀の講演
翌06:45 NZ)小売売上高指数
翌06:45 NZ)小売売上高指数【除自動車】
翌06:45 NZ)第3四半期小売売上高指数



さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年11月10日クローズ時点≫
 ドル・円    : 「ブル」
 ユーロ・円  : 「ブル」
 ユーロ・ドル :  「ベア」
 英ポンド・円 :  「ブル」
 豪ドル・円  : 「ブル」
 NZドル・円  :  「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。



ドル・円は「ブル」
強い割安感の継続で、引き続きブル。しかし、格付け機関フィッチ・レーティングスは、ソブリン部門統括責
任者は「来年度の日本の国債発行額が44兆円を大幅に上回れば格付けの見直しを余儀なくされる」との見解を
示したことには注意が必要だ。

ユーロ・円は「ブル」
ZEWはコメントで、「数年は景気の強い上昇は期待できない」との見方を示している。個人消費や、雇用情勢
の不透明さを指摘しており、物価水準の段階的な上昇が消費を阻害する可能性を示唆したことから、当面ユー
ロの利上げ期待を冷やすことになりそうだ。

ポンド・円は「ブル」
英中銀は本日、四半期インフレレポートを発表する。5日には、資産買入れプログラム規模を250億ポンド拡大、
合計で2000億ポンドにすると発表したが、マーケットでは今月の会合で量的緩和拡大を打ち切る見方が大方の
様子で、ポンド売りを進めるのは難しい心理のようだ。

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