ウクライナ情勢をめぐる地政学的リスクへの警戒感が改めて強まり、円買いドル売りの流れへ!!
昨日のドル円は、101.678円で取引を開始した後、市場では「米系証券からクロス円に売りが持ち込まれた」との指摘があり、ユーロ円やNZドル円などの売りが進んだことにつれ、ドル円も売りに押される流れとなりました。その後、日経平均株価や上海総合指数などが下落しことからリスク回避の円買い圧力が強まったほか、時間外の米10年債利回りが低下気味に推移していることも重しとなり101.46円近辺まで下押しました。欧米市場では、時間外のダウ先物やナイトセッションの日経平均先物の下落を背景に、投資家がリスクを取り難くなるとの見方から円買いドル売りの流れとなりました。6月米住宅着工件数や6月米建設許可件数がいずれも市場予想を下回ったことが分かると、米長期金利の低下とともに円買いドル売りの流れとなったものの、その一方で、前週分の米新規失業保険申請件数が市場予想より強い内容となったことで、一本調子で下落する展開にはなりませんでした。その後発表された7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が、プラス23.9と市場予想のプラス16.0を上回ったことがわかると、ドルは買われ、ダウ平均がプラス圏に浮上したことも支えに、一時101.55円付近まで下げ幅を縮小しました。しかし、「アムステルダム発クアラルンプール行きのマレーシア航空機がウクライナ東部ドネツク州のロシア国境近くで親ロシア派のミサイル攻撃により撃墜された」との報道を受けて、投資家のリスク回避姿勢が鮮明となり、さらにイスラエルがガザ地区への地上侵攻を開始したことを受けて、NYダウ平均が170ドル超下落したほか、米長期金利が大幅に低下し、ドルは引け間際まで売り優勢の展開となりました。前日比では0.522円安い101.166円で取引を終えました。
≪2014年7月17日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」 売り15% 買い85%
ユーロ・円 :「ブル」 売り33% 買い67%
英ポンド・円 :「ブル」 売り45% 買い55%
豪ドル・円 :「ブル」 売り19% 買い81%
NZドル・円 :「ブル」 売り25% 買い75%
ユーロ・ドル :「ブル」 売り39% 買い61%
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 日銀・金融政策決定会合議事要旨
17:00 EUR 経常収支 5月
21:30 CAD 卸売売上高[前月比] 5月
21:30 CAD 消費者物価指数(CPI)[前年同月比] 6月
21:30 CAD 消費者物価指数(CPIコア)[前年同月比] 6月
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数・速報値 7月
23:00 USD 景気先行指標総合指数[前月比] 6月
- 今日のトレードポイント -
ウクライナ情勢をめぐる地政学的リスクへの警戒感が改めて強まり、投資家は安全資産とされている円を買い、ユーロやドルは売られています。今後さらに、軍事行動などのニュースが流れ、さらに緊張感が高まると、5月21日の安値100.81、2月4日の安値100.75円まで一気に下落することが想定されます。さらに下落した場合、100円台前半まで下押す場面も想定しておきたいです。本日発表される米経済指標の結果が市場予想よりも良かった場合でも、一時的なドル買いで終わることを想定し、ポジション管理には注意したいです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 100.00-101.70
ユーロ・円 135.00-138.50
ポンド・円 171.00-176.50