FXレポート

ドル相場の方向性が見える?FOMCの動向に注目!

昨日の為替相場は、豪準備銀行(中央銀行)の政策金利は市場予想通りの0.25%の引き上げとなったことから豪ドルをはじめクロス円全般がやや上昇。しかし、既に織り込み済み・材料出尽くし感からすぐに値を戻す展開となり、その後も本邦休場のため商いの薄い相場動向が続いた。

ロンドン市場に入った後も、欧州株安や時間外のダウ先物の軟調な推移からリスク回避の流れが強まり、クロス円全般が下落する展開が続き、ドル円は89.871円、ユーロ円は131.723円まで下落した。

一方、ニューヨーク市場の時間帯に入ると、NYダウの下げ幅縮小と共にリスク回避の流れに歯止めがかかり、クロス円全般が上昇。また、9月の米製造業新規受注が前月比で0.9%増加と、市場予想を上回る結果となったことを受け、ドル円は90.579円、ユーロ円も133.981円まで上昇した。しかし、NYダウは上値の重い展開を強いられる形となったことからクロス円全般の上値は限定的となり、ドル円は90.314円、ユーロ円は133.047円で取引を終えた。


さて、本日の為替相場であるが、東京市場の時間帯には豪州小売売上高、住宅建設許可件数が注目されそうだ。0.5%の利上げについて期待されていた状況を鑑みれば、早々に追加利上げ期待が浮上する可能性も高く、足元の景況感についてはしっかりと抑えておきたい。

そして、ニューヨーク市場の時間帯には複数の米国経済指標の発表が控えており、また、日本時間5日の4時15分には米連邦公開市場委員会(FOMC)のイベントが控えている。失業率が心理的な節目の10%に達する可能性があるとの懸念が囁かれている米国の雇用情勢であるが、その前哨戦となるADP雇用統計の結果に注目が集まりそうだ。そして、FOMCでは「長期的」な低金利政策のについての「時間軸」に対する修正や出口戦略についての具体的な発言が見られる状況となれば、週末の米雇用統計を待ちつつも、ドルの買戻しに対する「明確な」方向感が定まる可能性も否定できず、ドル相場の今後を占う重要な一日となろうか。


[本日の予想レンジ]
 ドル ・円  89.00- 91.00
 ユーロ・円 131.50-135.50
 ポンド・円 144.00-150.00

【本日の主な経済指標】
08:50 (日) マネタリーベース[前年同月比]
09:30 (豪) 小売売上高[前月比]
09:30 (豪) 住宅建設許可件数 [前月比]
18:00 (欧) サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
18:30 (英) サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
19:00 (欧) 卸売物価指数(PPI)[前月比]
19:00 (欧) 卸売物価指数(PPI)[前年同月比]
21:00 (米) MBA住宅ローン申請指数[前週比]    
21:30 (米) チャレンジャー人員削減数[前年比]    
22:15 (米) ADP雇用統計[前月比]
00:00 (米) ISM非製造業景況指数(総合)
04:15 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表     

さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年11月3日クローズ時点≫

 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ブル」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル円は「ブル」
 ドル円は、90円を中心としたレンジ相場となったが、米2年債利回りが急低下したことや、商品市場の上昇な
 どがドル売り要因となり、90円を割れると参加者の買いが集中し「ブル」。さて今晩のFOMC(米公開連邦公
 開市場委員会)だが、声明文の金利据え置き期間に対する文言に変化があるのか注目が集まる。声明が出口
 戦略に言及しなかった場合には、ドルの失望売りも考えられ、注意が必要となろう。
 
 ユーロ円は「ブル」
 ユーロ円は、スイスUBS決算が「第3四半期純損失は5億6400万スイスフラン」となったこと。加えて、欧州委
 員会が公表した「金融業界の追加損失が4000億ユーロに達する可能性」を指摘したことを受け、欧州の金融機
 関への懸念が高まったことが嫌気され軟調な展開。参加者は安値での押し目買いが優勢となり、「ブル」。
 しかし、米CITグループの経営破綻を背景に、今後破綻の影響を受ける中小企業が100万社に及ぶともいわれ、
 ファンダメンタルズの悪化、株安からリスク回避の局面が継続すれば、ユーロにとって足枷となるかも知れない。

 ポンド円は「ブル」
 明日の英中銀金融政策委員会の政策金利発表を控え、参加者のポジションに偏りはなく売り買い拮抗する展開
 に僅かに「買い」優勢だった。注目の金融政策委員会発表だが、先週はポーゼン英中銀金融政策委員が「歴史
 的にみて量的緩和策がインフレ加速につながる証拠はない」とハト派的な発言しており、資産買い入れ規模
 拡大やゼロ金利政策導入が検討される可能性もあり、下落リスクを想定しておく必要があろう。

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