FXレポート

短期ドル売り、長期は買い場?今後のドル円の展開は

ドル円、クロス円は上値が重くなっていたところに、今週は豚インフルエンザの感染拡大のニュースが飛び込んできた。これにより、景気の底打ち期待から腰折 れ懸念が台頭しており、リスク回避による円高圧力を強めている状況となっている。現在は追加報道等により為替相場が急変するような状況でないものの、引き 続きこの問題に対する報道等には注意を払いたい。

 一方、足元の景況感には回復の兆しも見えている。米4月の消費者信頼感指数は市場予測を大幅に上回る好調な結果となった。同結果を受けて素直にドル買い が広がり、一時95円台まで下落したドル円も96.70付近まで上昇。ドル円につれて、ユーロ円も124円台から126円台まで回復している。しかし、依 然として上値が重い状況が続いている。

 さて、ドル円の今後の展開はどうであろうか。米クライスラーに対する政府対応や、大手米銀に対する増資の必要性、そして、豚インフルエンザの影響等、ネ ガティブな要素が多い。しかし、住宅市況の改善や好調な経済指標の結果を受け、ファンダメンタルズとしては米経済が最悪期を脱したとの見方も広がりつつあ る。このような視点からは短期的にはドル売り継続、長期的にはドルの買い場を模索する状況とも考えられる。本日発表予定の米国の第1四半期GDP・速報値 が手がかりとなるかどうか、見極めたい。

 また、本日はNZドルの動きにも注目したい。同国財務相により財政収支の悪化懸念について示唆されている中、豚インフルエンザに高金利通貨売りの状況も 重なり、NZドル売りに拍車が掛かっている。明日のNZ中央銀行の政策金利発表では0.5%の利下げが予想されており、一段の下値を模索する展開も十分に 予想されるので注意したい。

 マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年4月28日クローズ時≫
 ドル・円 : ブル
 ユーロ・円 : ブル
 ユーロ・ドル : ベア
 英ポンド・円 : ブル
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円 : ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル・円は「ブル」、米4月の消費者信頼感指数の良好な結果を受けたドル買いが優勢となっている模様。ファンダメンタルズの改善が更に評価する状況となれば、上値を追う展開も予想されそうだ。本日の第1四半期GDP・速報値に注目したい。

 NZドル・円は「ブル」、リスク回避の流れや政府要人の弱気な発言から売り込まれているNZドルであるが、参加者は織り込み済み相場との見方から逆張りのスタンスで望んでいる模様。明日のNZ中銀の動向を見据えた展開に注目。

 ユーロ・円は「ブル」、参加者は欧州ファンダメンタルズ改善の兆しを評価したユーロ買いを選択している模様。しかし、豚インフルエンザの影響によるリスク回避の流れから上値の重い展開となっている。目下、126円台を維持できるかが焦点となろう。

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