FXレポート

ユーロは終盤に失速、ESM格下げで

先週金曜日のドル円は序盤、月末要因と見られる円売りの流れの中、上値を抑えてきた82.22円近辺の水準を抜け82.55円近辺まで上昇しました。欧州市場では、目立った取引材料がなく様子見ムードが強まる展開。NY市場に入ると、10月米個人消費支出(PCE)や11月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が予想より弱い内容となったことや、週末を控え調整売りも重なり82.30円近辺まで下げたものの、前日比0.334円高い82.444円で取引を終えました。

ユーロ円は序盤、ドル円同様に月末要因の円売りから4月27日以来の107.29円近辺まで上昇しました。欧州市場では、ユーロ圏10月失業率や同11月消費者物価指数(HICP)・速報値が発表されましたが、相場への影響は限定的。独議会でギリシャ支援法案が可決されたほか、欧州関係筋から来週3日に開催されるユーロ圏財務相会合についての発言が聞かれましたがこちらも反応は限定的で107円半ばで推移しました。NY市場では、米個人消費の結果を受けて、景気への持ち直しへの懸念が意識され107.10円近辺まで下落しましたが売りが一巡した後は107円前半でのもみ合いとなりました。また、格付け会社ムーディーズが、欧州安定メカニズム(ESM)を「AA1」に格下げしたことで上値が重くなり前日比0.513円高い107.055円で取引を終えました。


≪2012年11月30日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」売り45% 買い55%
ユーロ・円  :「ベア」売り72% 買い28%
ユーロ・ドル :「ベア」売り73% 買い27%
英ポンド・円 :「ベア」売り63%  買い37%
豪ドル・円  :「ブル」売り36%  買い64%
NZドル・円  :「ベア」売り58% 買い42%

【今日の主な経済指標】
17:15 CHF  実質小売売上高[前年同月比] 10月 
17:30 CHF  SVME購買部協会景気指数 11月 
18:00 EUR  製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 11月 
18:30 GBP  製造業購買担当者景気指数(PMI) 11月 


                 - 今日のトレードポイント -

先週のドル円は、米国の「財政の崖」問題をめぐり楽観・悲観、双方の発言から連日荒い値動きとなりました。今週も引き続き、財政協議の行方には注目が集まることが予想されますが、7日の雇用統計までに主要な経済指標の発表も多く、財政協議の行方と、主要経済指標の両方に注視したいところです。

[今日の予想レンジ]
ドル・円   81.00-83.00  ユーロ・円 105.00-107.00  ポンド・円 130.20-132.20

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