FOMC声明、6,000億ドルの長期債を追加購入へ!
昨日のドル円だが、アジア時間の東京市場は文化の日で休場となったほか、FOMCの金融政策発表を控えていることもあり、80.65円付近でのこう着状態となった。欧州勢参入後もFOMCを前にしてポジション調整を中心とした動きに変化はなく方向感は出なかった。動意の乏しい展開となった東京、欧州時間とは打って変わりNY勢参入後はドルが上昇。10月のADP雇用者数は前月比4.3万人増と、市場予想の2万人増を上回った事に加えて、10月ISM非製造業景況指数は54.3と市場の事前予想(53.5)を上回り、2010年7月(54.3)以来の高数値を記録すると81.50円まで上値を拡大した。その後注目されたFOMC(米連邦公開市場委員会)で、資産買入に関して「2011年の第2四半期の末までに、追加で期間が長めの米国債を6,000億ドル購入する」ことを決めたことが伝わると、市場で予想されていた半年で5,000億ドル購入より規模が大きかったこともあってドル売りが膨らみ81円を割れた。しかし、大方は市場予想通りとの見方が徐々に広がると利益を確定する動きから買い戻しが入り81.596円まで反発する荒い値動きとなった。終値は81.110円で引けた。
ユーロは独・ユーロ圏の製造業PMI確報値の上振れが好感されたほか、米中間選挙で与党・米民主党が大敗を喫するとの観測やFRBの量的緩和によりドルの信認が低下するとの見方からドル売りが強まり、オセアニア時間で対ドルは1.4055付近まで上昇し、対円も113.45円付近まで連れ高となった。その後は東京市場が休場で薄商いとなる中、FOMCでの金融政策発表を控えてポジション調整・利益確定の売りが優勢となり、対ドルは1.3990付近、対円も112.85円付近まで下落。しかし、欧州市場序盤は対ポンドでユーロを買い戻す動きが優勢になった後は、FOMCを前にドルを売り戻す動きも強まり、対ドルは1.4045付近、対円も113.25円付近まで連れ高となった。さらにNY時間にはFRBの資産買入が市場予想を上回ったことを受けて買いが膨らみ、一時1.4200ドルと1月20日以来の高値水準を付け、ユーロドルの買いにつれる形で対円も114.869円と高値を付けた。ただ、引けにかけ材料出尽くし感から全般的にドルの買い戻しが広がり、対ドルは1.41327ドル、対円は114.619円と小幅に反落しで取引を終えた。
本日の展開
注目のFOMCは6,000億ドルの追加緩和を来年第2四半期までに渡って実施し、月間の債券購入ペースは750億ドルとなった。市場は月間1,000億ペース程度を見込んでいたことから、やや期待外れの印象もあり、9月から続く金融緩和第二弾期待の過剰流動性相場は、一旦は材料出尽くし感からドル買戻しの展開も予想される。FOMCを無事通過したことで今度は明日の米雇用統計を睨んだ相場となりそうだが、先日のシカゴ購買部協会景気指数、ISM製造業景況指数でも雇用指数の拡大が確認されており、また昨日発表された10月ADP雇用統計も4.3万人(前回 -0.2万人)と雇用の拡大を示している。ここまでの一連の雇用関連指数は軒並み改善しており、金曜日の雇用統計に対する明るい要素と言えよう。
ユーロは、日米が一段の金融緩和を模索する一方で、欧州は危機対応の緩和策からの出口戦略に着手するとみられており、金融政策スタンスの格差は一段と拡大している。FOMCも声明でインフレについては「やや低い水準にある」としたことに加え、「景気回復は遅い」とし「企業は依然として雇用に消極的」との認識を示すなど、対ドルでは引続き強気のバイアスがかかりそうだ。また、テクニカル的にも対ドルは10月高値の1.4160付近を上抜けすると、上昇トレンド再開となる可能性も考えられる。対円は10月安値の111.50円付近がサポートされ、115円台からの弱気トレンドラインを上抜けしたことで反騰局面に入った可能性もあるだろう。ただし、FOMCのイベント通過による決済売りなども持ち込まれる可能性から調整を強めることも考えられる為、警戒は必要となろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 80.35-82.00
ユーロ・円 112.80-115.50
ポンド・円 128.50-132.50
【今日の主な経済指標】
17:15 CHF 消費者物価指数
18:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数
19:00 EUR 卸売物価指数
21:00 GBP イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
21:30 USD 四半期非農業部門労働生産性
21:30 USD 新規失業保険申請件数
21:45 EUR 欧州中央銀行(ECB)政策金利
23:00 CAD Ivey購買部協会指数
≪2010年11月3日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米10月ADP雇用統計は前月比+4.3万人と予想の同+2.0万人を上回ったことに加え、
NY市場序盤に発表された米10月ISM非製造業景況指数が54.3と予想の53.5を上回る
など相次ぐ米経済指標の好結果や、FOMCを通過した安心感から「ブル」となって
いる。米中間選挙の結果をうけオバマ政権の今後の政策の方針転換によっては為
替相場に大きな影響がでる可能性もあることから政策次第でどちらにでも動ける
よう中立スタンスで様子をみるのもいいだろう。
ポンド円は「ブル」
欧州時間に129.10円付近まで弱含みになる場面では押し目買いが優勢となって
「ブル」となった。先週発表された英第3四半期GDP速報値の上振れ以来、英国の
景気はさほど悪くないとの見方が浮上しており、本日の英中銀金融政策委員会で
「出口戦略」に関する声明があれば堅調な動きとなりそうだ。
豪ドル円は「ブル」
豪9月住宅建設許可件数は前月比-6.6%と予想の0.0%を下回ったことを受けた失望
売りも散見されたが、日米の低金利長期化観測がアドバンテージとなり「ブル」
継続。米追加緩和策が市場の予想通りとなり、短期的にはさらに材料出尽くしの
売りが出る可能性があるものの、日米の金融緩和に対して豪州は金融引き締めと
スタンスが対照的となっており、中期的にみれば豪ドルの買い妙味は大きいと考
えられる。対ドル、対円とも押し目買いスタンスを継続したい。
ユーロは独・ユーロ圏の製造業PMI確報値の上振れが好感されたほか、米中間選挙で与党・米民主党が大敗を喫するとの観測やFRBの量的緩和によりドルの信認が低下するとの見方からドル売りが強まり、オセアニア時間で対ドルは1.4055付近まで上昇し、対円も113.45円付近まで連れ高となった。その後は東京市場が休場で薄商いとなる中、FOMCでの金融政策発表を控えてポジション調整・利益確定の売りが優勢となり、対ドルは1.3990付近、対円も112.85円付近まで下落。しかし、欧州市場序盤は対ポンドでユーロを買い戻す動きが優勢になった後は、FOMCを前にドルを売り戻す動きも強まり、対ドルは1.4045付近、対円も113.25円付近まで連れ高となった。さらにNY時間にはFRBの資産買入が市場予想を上回ったことを受けて買いが膨らみ、一時1.4200ドルと1月20日以来の高値水準を付け、ユーロドルの買いにつれる形で対円も114.869円と高値を付けた。ただ、引けにかけ材料出尽くし感から全般的にドルの買い戻しが広がり、対ドルは1.41327ドル、対円は114.619円と小幅に反落しで取引を終えた。
本日の展開
注目のFOMCは6,000億ドルの追加緩和を来年第2四半期までに渡って実施し、月間の債券購入ペースは750億ドルとなった。市場は月間1,000億ペース程度を見込んでいたことから、やや期待外れの印象もあり、9月から続く金融緩和第二弾期待の過剰流動性相場は、一旦は材料出尽くし感からドル買戻しの展開も予想される。FOMCを無事通過したことで今度は明日の米雇用統計を睨んだ相場となりそうだが、先日のシカゴ購買部協会景気指数、ISM製造業景況指数でも雇用指数の拡大が確認されており、また昨日発表された10月ADP雇用統計も4.3万人(前回 -0.2万人)と雇用の拡大を示している。ここまでの一連の雇用関連指数は軒並み改善しており、金曜日の雇用統計に対する明るい要素と言えよう。
ユーロは、日米が一段の金融緩和を模索する一方で、欧州は危機対応の緩和策からの出口戦略に着手するとみられており、金融政策スタンスの格差は一段と拡大している。FOMCも声明でインフレについては「やや低い水準にある」としたことに加え、「景気回復は遅い」とし「企業は依然として雇用に消極的」との認識を示すなど、対ドルでは引続き強気のバイアスがかかりそうだ。また、テクニカル的にも対ドルは10月高値の1.4160付近を上抜けすると、上昇トレンド再開となる可能性も考えられる。対円は10月安値の111.50円付近がサポートされ、115円台からの弱気トレンドラインを上抜けしたことで反騰局面に入った可能性もあるだろう。ただし、FOMCのイベント通過による決済売りなども持ち込まれる可能性から調整を強めることも考えられる為、警戒は必要となろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 80.35-82.00
ユーロ・円 112.80-115.50
ポンド・円 128.50-132.50
【今日の主な経済指標】
17:15 CHF 消費者物価指数
18:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数
19:00 EUR 卸売物価指数
21:00 GBP イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
21:30 USD 四半期非農業部門労働生産性
21:30 USD 新規失業保険申請件数
21:45 EUR 欧州中央銀行(ECB)政策金利
23:00 CAD Ivey購買部協会指数
≪2010年11月3日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米10月ADP雇用統計は前月比+4.3万人と予想の同+2.0万人を上回ったことに加え、
NY市場序盤に発表された米10月ISM非製造業景況指数が54.3と予想の53.5を上回る
など相次ぐ米経済指標の好結果や、FOMCを通過した安心感から「ブル」となって
いる。米中間選挙の結果をうけオバマ政権の今後の政策の方針転換によっては為
替相場に大きな影響がでる可能性もあることから政策次第でどちらにでも動ける
よう中立スタンスで様子をみるのもいいだろう。
ポンド円は「ブル」
欧州時間に129.10円付近まで弱含みになる場面では押し目買いが優勢となって
「ブル」となった。先週発表された英第3四半期GDP速報値の上振れ以来、英国の
景気はさほど悪くないとの見方が浮上しており、本日の英中銀金融政策委員会で
「出口戦略」に関する声明があれば堅調な動きとなりそうだ。
豪ドル円は「ブル」
豪9月住宅建設許可件数は前月比-6.6%と予想の0.0%を下回ったことを受けた失望
売りも散見されたが、日米の低金利長期化観測がアドバンテージとなり「ブル」
継続。米追加緩和策が市場の予想通りとなり、短期的にはさらに材料出尽くしの
売りが出る可能性があるものの、日米の金融緩和に対して豪州は金融引き締めと
スタンスが対照的となっており、中期的にみれば豪ドルの買い妙味は大きいと考
えられる。対ドル、対円とも押し目買いスタンスを継続したい。