3月17日以来のドル安水準!!
昨日のドル円だが、東京市場では月末が近づいていることもあり本邦輸出勢の売りが散見されたほか、仲値が余剰となった影響から売り圧力が高まりストップロスを巻き込んで、78.60円付近まで下落した。売り一巡後は投機的な円売りフローが観測されドル円は79.020円まで瞬間的に上昇したが、一時的な動きとなり徐々に押し戻されるとその後は小幅なレンジでもみ合った。欧州勢参加後は、全般的にドル売りが強まり、一時78.50円付近まで下落した。NY勢参加後は、米フィラデルフィア連銀景況指数や同住宅価格指数の結果が強かったことで下げ渋ったものの、戻りは限定的となった。市場が注目していたEU緊急首脳階段が終了しギリシャ支援の内容が明らかになると、対ユーロでドルが下落したことにつられてドル円も78.30円付近まで下落し、3月17日以来の安値水準となった。また米債務問題に関しては、一部メディアが「大統領と下院議長、債務交渉の大枠合意に近い」と報じたが、カーニー米大統領報道官が即座に否定するなど、依然不透明感が残る形となり上値は重く78.350円で取引を終えた。
ユーロ円だが、東京市場序盤は「独仏首脳会談が終了し両者間で共通の立場を見出し、一定の合意があった」と示されたことが好感され112.54円まで上昇した。東京市場中盤に一時的なまとまった円売りフローが見られたことで瞬間的に上昇したものの、「往って来い」となって方向感に欠ける動きとなった。欧州勢参加後は、製造業購買担当者景気指数や経常収支等の経済指標が軒並み市場予想を下回る結果となったことが重しとなり売りが加速。さらに、ユンケル・ユーログループ議長が「ギリシャの選択的デフォルトは一つの可能性」と発言したことでギリシャの債務再編の可能性も意識されて111.442円の安値を更新した。しかしその後は、EU首脳会議の草案で「EFSF・ECB次第で流通市場への介入可能に」との文言が盛り込まれたほか、ギリシャに対する融資金利の大幅引き下げが検討されているとの発言が聞かれるなど、楽観的なムードを後押し流れとなり、113円台まで大幅に上昇した。NY勢参加後もリスク回避の巻き戻しが優勢となり、EU緊急首脳会談終了後にサルコジ仏大統領がギリシャ支援で合意し欧州債務問題の解決に向けて進展したことを明らかにしたことが下支えとなり112.982円で取引を終えた。
今日の展開
ドル円は、昨日の米国株価が100ドル超え大幅な上昇となったほか、米フィラデルフィア連銀景況指数や同住宅価格指数の経済指標の結果が予想より良かったことでドルの下値を支えたものの、米国ソブリン問題の不透明感が根強く、消去法的に円が買われやすい地合となっている。来月は本邦企業の盆休み前の実需のドル売りや米国債の償還・利金円転などで円高に振れる傾向があり、目先では今年3月17日の史上最安値の76.180円の更新もないとは否定できない。ただ急激な円高には介入警戒感が高まる可能性は否定できず、売りの深追いは慎重に仕掛ける必要があろう。
ユーロは、欧州首脳会合を無事に乗り切ったことで、リスク選好の動きが強まってきているものの、国際金融協会(IIF)は、「銀行はギリシャ国債の借り換えと買い戻しに参加する」との見解を示したことや「1090億ユーロの公的支援をギリシャは受ける」との報道を背景に材料出尽くし感から閑散・膠着相場となる可能性もあろうか。また過剰な債務残高を抱えるイタリア、スペインのほか、ポルトガルの格付け引き下げなど、ユーロを取り巻く懸念材料が複数あることから、下値への警戒にも引き続き注意したい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 78.00-80.00
ユーロ・円 110.00-113.00
ポンド・円 126.50-128.50
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式) 前週分
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債) 前週分
10:30 AUD 四半期輸出物価指数[前期比] 4-6月期
10:30 AUD 四半期輸入物価指数 [前期比] 4-6月期
15:45 FRF 企業景況感指数 7月
17:00 DEM IFO企業景況感指数 7月
18:00 EUR 製造業新規受注[前月比] 5月
18:00 EUR 製造業新規受注[前年同月比] 5月
20:00 CAD 消費者物価指数(CPI)[前月比] 6月
20:00 CAD 消費者物価指数(CPI)[前年同月比] 6月
20:00 CAD 消費者物価指数(CPIコア)[前月比] 6月
20:00 CAD 消費者物価指数(CPIコア)[前年同月比] 6月
21:30 CAD 小売売上高[前月比] 5月
21:30 CAD 小売売上高(除自動車)[前月比] 5月
≪2011年7月21日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米国株価が大幅な上昇となったほか、米フィラデルフィア連銀景況指数や
同住宅価格指数の経済指標の結果が予想より良かったことで「ブル」継続
となっている。ただ、金利面では米経済環境の改善でリスク志向の高まり
から「安全資産」とされる米国債に売りが出され利回りが上昇しているた
め、時間外取引で金利が上昇した場合の局面では、積極的にリスクテイク
していきたい。
ポンド円「ブル」
EU首脳会議で「EFSF・ECB次第で流通市場への介入可能に」と、ギリシャ
に対する融資金利の大幅引き下げ検討等を受けて、楽観的なムードから
「ブル」の地合いとなっている。ただ先日公表された英金融政策委員会
(MPC)議事録において、利上げの必要性については後退したとの内容こ
そみられたが、追加緩和への確かな言及は見当たらず、ポジションを傾け
難いため動意に欠く展開になろうか。
豪ドル円「ブル」
資源国通貨については、欧米株価の上昇やNY原油先物相場が一時100ドル
の大台を回復する動きを見せたことも後押しとなり「ブル」継続となった。
中国のPMI(製造業購買担当者景況指数)の数値が下がったことで、中国の
金融引き締めが豪ドルの上値を重くしているが限定的で、昨日の欧米の株
価上昇や、原油高を鑑みれば高金利通貨・資源国通貨が買われやすい地合
いではないだろうか。
ユーロ円だが、東京市場序盤は「独仏首脳会談が終了し両者間で共通の立場を見出し、一定の合意があった」と示されたことが好感され112.54円まで上昇した。東京市場中盤に一時的なまとまった円売りフローが見られたことで瞬間的に上昇したものの、「往って来い」となって方向感に欠ける動きとなった。欧州勢参加後は、製造業購買担当者景気指数や経常収支等の経済指標が軒並み市場予想を下回る結果となったことが重しとなり売りが加速。さらに、ユンケル・ユーログループ議長が「ギリシャの選択的デフォルトは一つの可能性」と発言したことでギリシャの債務再編の可能性も意識されて111.442円の安値を更新した。しかしその後は、EU首脳会議の草案で「EFSF・ECB次第で流通市場への介入可能に」との文言が盛り込まれたほか、ギリシャに対する融資金利の大幅引き下げが検討されているとの発言が聞かれるなど、楽観的なムードを後押し流れとなり、113円台まで大幅に上昇した。NY勢参加後もリスク回避の巻き戻しが優勢となり、EU緊急首脳会談終了後にサルコジ仏大統領がギリシャ支援で合意し欧州債務問題の解決に向けて進展したことを明らかにしたことが下支えとなり112.982円で取引を終えた。
今日の展開
ドル円は、昨日の米国株価が100ドル超え大幅な上昇となったほか、米フィラデルフィア連銀景況指数や同住宅価格指数の経済指標の結果が予想より良かったことでドルの下値を支えたものの、米国ソブリン問題の不透明感が根強く、消去法的に円が買われやすい地合となっている。来月は本邦企業の盆休み前の実需のドル売りや米国債の償還・利金円転などで円高に振れる傾向があり、目先では今年3月17日の史上最安値の76.180円の更新もないとは否定できない。ただ急激な円高には介入警戒感が高まる可能性は否定できず、売りの深追いは慎重に仕掛ける必要があろう。
ユーロは、欧州首脳会合を無事に乗り切ったことで、リスク選好の動きが強まってきているものの、国際金融協会(IIF)は、「銀行はギリシャ国債の借り換えと買い戻しに参加する」との見解を示したことや「1090億ユーロの公的支援をギリシャは受ける」との報道を背景に材料出尽くし感から閑散・膠着相場となる可能性もあろうか。また過剰な債務残高を抱えるイタリア、スペインのほか、ポルトガルの格付け引き下げなど、ユーロを取り巻く懸念材料が複数あることから、下値への警戒にも引き続き注意したい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 78.00-80.00
ユーロ・円 110.00-113.00
ポンド・円 126.50-128.50
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式) 前週分
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債) 前週分
10:30 AUD 四半期輸出物価指数[前期比] 4-6月期
10:30 AUD 四半期輸入物価指数 [前期比] 4-6月期
15:45 FRF 企業景況感指数 7月
17:00 DEM IFO企業景況感指数 7月
18:00 EUR 製造業新規受注[前月比] 5月
18:00 EUR 製造業新規受注[前年同月比] 5月
20:00 CAD 消費者物価指数(CPI)[前月比] 6月
20:00 CAD 消費者物価指数(CPI)[前年同月比] 6月
20:00 CAD 消費者物価指数(CPIコア)[前月比] 6月
20:00 CAD 消費者物価指数(CPIコア)[前年同月比] 6月
21:30 CAD 小売売上高[前月比] 5月
21:30 CAD 小売売上高(除自動車)[前月比] 5月
≪2011年7月21日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米国株価が大幅な上昇となったほか、米フィラデルフィア連銀景況指数や
同住宅価格指数の経済指標の結果が予想より良かったことで「ブル」継続
となっている。ただ、金利面では米経済環境の改善でリスク志向の高まり
から「安全資産」とされる米国債に売りが出され利回りが上昇しているた
め、時間外取引で金利が上昇した場合の局面では、積極的にリスクテイク
していきたい。
ポンド円「ブル」
EU首脳会議で「EFSF・ECB次第で流通市場への介入可能に」と、ギリシャ
に対する融資金利の大幅引き下げ検討等を受けて、楽観的なムードから
「ブル」の地合いとなっている。ただ先日公表された英金融政策委員会
(MPC)議事録において、利上げの必要性については後退したとの内容こ
そみられたが、追加緩和への確かな言及は見当たらず、ポジションを傾け
難いため動意に欠く展開になろうか。
豪ドル円「ブル」
資源国通貨については、欧米株価の上昇やNY原油先物相場が一時100ドル
の大台を回復する動きを見せたことも後押しとなり「ブル」継続となった。
中国のPMI(製造業購買担当者景況指数)の数値が下がったことで、中国の
金融引き締めが豪ドルの上値を重くしているが限定的で、昨日の欧米の株
価上昇や、原油高を鑑みれば高金利通貨・資源国通貨が買われやすい地合
いではないだろうか。